思考と感情の壊れたラヂオ。
メインヒロイン活躍しだします。
『命はね、死ぬから命なんだ』
『死ななくなった人間は、もはや人間じゃないんだよ』
『つまり、山坂利知はもうただの化け物なんだ』
壊れたラヂオ、壊れた思考と感情の破片がつながらない。
利知は、ミノリの言葉が届いていなかった。
ただ、だらだらとスピーカーが壊れたように恨みつらみを垂れ流すモノになっていた。
「利知くん!利知くん!」
ミノリが遠くで利知を呼んでいた。
「ちょっと。利知!?」アカネが耳元で叫ぶ。
遠い、遠くから声がする。
利知の足元がおぼつかない。
希望がたたれた。
最初から絶望的なのと、希望を目の前でコナゴナに砕かれるのはまったくといっていいほど
_____違う。
違うのだ。
一切合切。
利知は、目の前を見ていない。
ただただ、壊れた。
壊れているから何も頭に入ってこない。
論理的思考をしようとしても、不可能な状態になっていた。
「俺は
俺
は
俺
は」
利知は、自分でも何を言っているのかわからなくなっていた。
ミノリが、利知を後ろから羽交い絞めにして、押し付けるように叫ぶ。
「私がッ、私が守りますわ!」
利知が「…………なんで?」意味のある言葉を発した。
「あなたは!」
ミノリが感情の濁流をそのままぶつける。
「人とのコミュニケーションが下手で!友達が少なくて!そこまで頭良くなくて!
で」
利知は顔をひきつらせた。
「後……ほかにも悪いとこダラケで!」
「ヒドイな!かなり!」利知はつい言い返した。
「……でもそれでも私は、あなたを愛してしまったから!」
利知の、壊れた心のピースが、ぱちぱちと
「私は、守ってあげたくて!」
ぱちぱちと、逆再生するように戻っていく。
「……俺は自分で言うとあれだけどさ、かなり不幸だ、俺を守るんだったら相当の危険を覚悟しなきゃいけない」
その言葉は、自分が味わってきた恐怖を他人に味合わせることに対する恐怖
からくるもの、でもあり、優しさからくるものでもあった。
「知ってます」
ミノリは、笑った。
利知のピースは、壊れる前よりも綺麗にはまった。




