ドキドキパニック
日常回!
早朝に登校した
利知は教室のドアに手をかけ。
非常に、非常に開けることをためらっていた。
教室の中からは
大きなやかましい声が聞こえてくる。
そう、先に学校に来た3人の女子が
利知の陰口で大盛り上がりしているのであった。
「あいつ、自分のこと頭いいとか思ってそうだよな!」
「この前のテスト、スッゲエ点悪かったのに」
「あいつ、まじでキモイ、トラックに原形なくなるまで惨めにひき潰されればいいのに」
「あいつ死んだほうが世のため人のためだよなあ」
この中に突っ込んでいく勇気は利知にない。
しかし回れ右して授業受けずに早退する勇気もない。
利知はどうしよう?と泣きそうになった。
こんなところで自分への陰口を立ち尽くしてるのがむなしい。
でも、でもでもでもでもでーもん。
利知はヘタレすぎた。
どうしようと考えようとすると現実逃避しそうになる。
___馬鹿だ俺、早起きしたからって学校にこんな早く来るなんて……____
___結構普通にここら辺の時間は人いることあるのに!___
本当に惨めだとうつむいてぽろぽろ涙を流した。
「……何を泣いているのです?」
不意に上品な声がかかる。
利知が見上げると一ノ瀬みのりがいた。
「な、なんでもない」ぐしぐし腕で涙を拭って。
その瞬間。
陰口はこれまで以上に盛り上がる。
「一ノ瀬みのり!アイツは利知以上にうざい!
利知も死んでほしいけど!」
大きな声で利知の目の前の少女への陰口に移った。
コミュ障気味の利知、お嬢様でやや天然のミノリ
どちらも普通の人のは嫌がられる存在だった。
そんな彼女がやった。
ミノリは開けた、教室のドアを何のためらいもなく。
「ちょ……!」利知の困惑と焦りを見て何が原因か理解できていなかった。
「何をしているのです?入りましょう」
ミノリの向こうに見える陰口をたたいてた人たちは
驚いていた。陰口の対象がすぐ近くにいたから。
ミノリは陰口の人たちを一瞥し、礼をして自分の席につく。
優雅だった。
利知は、陰口の人たちをちらちら何度か見ながら
そして緊張しながら
自分の席に着いた。
他の生徒が登校してくるまで
利知と陰口の主は気まずい時を過ごした。