第25話 協力
1
「湖也起きて!朝だよ!」
天の声で湖也は目を覚ます。
「ふぁぁ…おはよう。あれ?今日飯当番誰だっけ?」
「俺と天」
陸が返事をする。
「大体料理って女がするもんじゃん。なんで俺達がやらないといけないんだよー」
「まぁ今後の人生に役立つからいいじゃないか」
「いやそう言うことじゃなくてだな…」
今湖也達がいるのは石ころの転がる空き地に置いてあるコンテナの中だ。
数日前、学校を出た湖也達は電車に乗った。
ある程度離れた場所まで来ると電車から降りて周りを散策し始める。
「どこか泊まるとこ無いかな」
「ご飯はどうするの?」
「ていうかこんな遠くへから必要なかっただろ。なんで戦いを止めるために戦いの場から離れるんだよ」
「…結局、俺が逃げたいだけなのかもしれない。もう戦いたく無いと」
「まぁそれでもいいけどさ」
陸が軽く言った。
「ノボリ、今日から一緒に寝られるね」
「寝床が見付かればの話だけどな」
ウロウロしているうちに葉種が何かを見つけた。
「先輩方!あれ!使えるんじゃないですか!」
それは空き地にあったキャンピングカーだった。
ドアの前まで行くと湖也はノックする。
「誰かいますか?」
しかし返事がない。
「カギはかかってないな。開けますよー」
ドアを開けると、中に誰もいなかった。
ただ床には未開封のカップ麺がいくつか転がっており、携帯ゲーム機、漫画等がベッドの上置かれている。
「こりゃ誰か住んでるな」
「こんなとこに住んでるやついるのか」
「私たちと同じくらいの男子ですかね?」
葉種が漫画を拾い上げる。
「いや、おばさんが読んでるかもしれないよ?」
「こんな物をですか?だとしたら相当な変態ですね」
「まあこんなところに住んでる時点でまともな人じゃないよな」
「それって私たちにも刺さる言葉だよね…」
「まあこんなところを寝床にしようとしてる時点でまともじゃないわな俺たちは」
血斗が周りを見渡しながら言う。
「で、先輩どうするんですか?」
「しばらくここにいさせてもらうしかないな。誰か来たら事情を話そう」
「でもちょっと狭いよね…6人でここは…」
空がベッドに触りながら言う。
「向こうにコンテナあったろ。それをこの横に置いて寝床にしよう。飯を食うのはここってことで」
「コンテナをどうやって運ぶの?僕そんなに大きい物運べないよ」
「これがあるじゃん」
陸が腕につけているデバイスを見せる。
湖也達は装甲を装着するとコンテナを持ち上げキャンピングカーの横に置く。
「当分はここで暮らすことになるな」
(でもまさか本当にこんなサバイバルじみた生活になるなんてな…)
湖也は夜空を見上げる。
「何やってんだよ三村!もう夜遅いぞ!早く寝よう」
「あぁ、わかった」
で、色々あって現在に至るのだった。
2
校長は電話で話をしていた。
『湖也君、逃げたらしいな。どうするつもりだ?』
「いいんだよ。どうせ彼は戻ってくる。全てあの子のための計画通りだよ」
『こちらから仕掛けろと言うことか』
電話を切ると、今度は別の所から電話がかかってくる。
「私だ」
相手は女性の声だった。
『なぜ湖也君が逃げてるの?』
またその話しかと校長はため息を漏らす。
「彼の好きな様にやらせているだけさ」
『あなたちょっと彼に過酷な運命背負わせすぎじゃないかしら?』
「いいじゃないか。彼が夢見た事だ。主人公なんだもの、少しは分厚い壁も乗り越えてほしいよ」
「君は、『湖也君の影響を受けた人間』を知っているかい?」
影正はリーダーに語りかける。
「あぁ、もちろん」
「彼の影響を受けた人間は自我を保ったまま行動できる。あの"校内戦闘"事件後でもね」
「おいおい、まるであいつらが操り人形みたいな言い方だな」
「間違いではない。実際あいつらは戦うことしか頭にない。校内戦闘事件の最後に起きた黄金の浄化によって奴らは個性を失ってしまったんだよ」
「それがどうした」
「あなた達なんの話しているの?」
割り込んできたのはミラーだった。
「いや、なんでもない。次の出撃は三日後だ。編成は任せる。よろしく頼んだよミラー」
「はーい」
ミラーが鷲羽の肩をポンと叩く。
二人は消えてしまった。
「でも向こうの装甲はちょっとやっかいだね?君たち委員会じゃなきゃ倒すのは厳しそうだ」
リーダーは大袈裟に笑う。
「大丈夫。向こうに爆弾を置いてきている」
「ユー!」
少年が学校から帰っている時、誰かに声をかけられた。
しかし、少年は自分じゃないだろうと思い無視をする。
「ユーってば!」
「は?俺のこと?」
「そうそう、そのアイスミーにちょうだい?」
少年の手に持っているアイスを指さす。
「は?何言ってんだこいつ」
少年は足早に立ち去ろうとする。
「お願いヘルプミー!アイスギブミー!」
「うるっせーなー!来るな!さっさとどっか行けよ!」
「もう!くれないなら!」
「こら!トルボ!」
遠くから声が聞こえた。
トルボは声のした方を振り向く。
そこにはミラーがいた。
「人のもの勝手に取らない!そして力を他人に使わない!って言ってるでしょ!」
アイスを奪おうとしていたトルボの手は白くなっていた。
おそらくマジで殺人5秒前の瞬間だっただろう。
「アイムソーリーヒゲソーリーなんつって、ガハハハハハハバババババいででででで!ギブ!ギブー!」
ミラーはトルボの耳を掴み引きずっていく。
「全く君は、あのハデスすら無関係の人間には能力使わないのに…」
「せっかくゲットしたパワーなんだから、バーンと使いたいじゃん?」
「はいはい戦いでつかってね」
二人は公園のベンチに腰を下ろす。
「やっぱり君には要注意だね。いつ何をしでかすか分かったもんじゃないわ」
「これからもよろしくね!マム!」
「閉じ込めようか」
「ソーリー」
「お母さんか…」
ミラーは空を見上げる。
「ん?ミラーどしたの?」
「ううん。なんでもない」
「で、ミーはいつファイトへゴーするの?」
「まだ待っててね」
「分かったよ!マム」
次の瞬間、トルボの周りに壁が生まれた。
「ソーリー!出してー!」
「やだ」
「ミラーだってたくさんパワー使ってるじゃん!」
「あ…」
トルボの周りの壁が消えていく。
「べ、別にブーメラン刺さって恥ずかしいとか思ってないんだから…」
「?」
ハデスは大羅の城へ来ていた。
扉をコンコンとノックする。
「誰だ」
「ハデスだよ♪」
「その挨拶きめぇからやめろ」
部屋にハデスを入れると椅子に座る。
ハデスは向かいにあるソファに座った。
「いつも思うけどこれ座り心地悪いよね。もっとふかふかのソファは無いの?」
「馬鹿全部土で作ってんだからふかふかももふもふもあるか」
「じゃあ買ってこよう」
「いちいち城崩すのに買ってられっかよ。まぁ、お前が金出すってんなら買ってやってもいいけどな。文句言うなら来るな。要件はなんだ」
「あ、そうそう!大羅、蓮真見なかった?」
「なんで俺に聞くんだよ」
「いやぁ、ここに来なかったかなって」
「人探しならミラーに頼めや。あいつの超感覚で一発だろうが」
「いいじゃないかー僕たち友達でしょ?」
「は?」
一気に大羅の顔が険しくなる。
「誰が友達だゴラ。俺にサイコパスという友人はいないんだが?」
「やだなーブーメラン発言」
「はぁ…」
大羅は城の壁を動かした。
ハデスを囲もうとする。
しかし、危険を察知したハデスは壁を避けると窓から飛び降りる。
「じゃあねーまた来るからー」
「二度とくんじゃねぇ」
3
「じゃ、行ってくる」
血斗と空はキャンピングカーを出る。
「しかし大変だよね。日替わりでご飯当番、バイト当番、掃除当番決めてさ」
「よくまぁ採用してくれたよな。急に押しかけてこっちから一方に変な条件押し付けちゃったけど。あのおばさん、マジ感謝!」
陸は合掌して目を瞑る。
「少ないお金で食事もやりくりしなきゃいけないけど、ちょっと楽しいです。みんなで力を合わせて生きていくのって」
「ん?湖也、何やってんだ?」
陸はキャンピングカーから出ると空き地の真ん中で跪いている湖也に向かって話しかける。
「いや、なんか気になるなと思って」
「何がだよ」
「この空き地、石がいくつも転がっているだろ?しかもほら、河原の石ころくらいの大きさのやつ」
「あー確かに、なんか違和感あるなと思ってたけどそこだったか」
「なんかおかしくね?」
「でもそれがなんだってんだよ」
「それは…」
「それより洗濯だ洗濯!今日の当番は葉種ちゃんとお前なんだから。川行って洗ってこい!」
「川行って洗濯とかまるで昔話だな」
「先輩行きますよー」
葉種はすでに荷物をカバンに入れて準備万端だった。
「あぁ、すぐ行く」
陸はキャンピングカーに戻るとベットの上で天がゴロゴロしていた。
「娯楽には困んないからいいよね!漫画沢山あるし。ゲームもある」
「そういやしばらくここに住んでるけど、誰も来ないな。来た時は如何にも誰が住んでます!って感じだったけど」
「そーゆーことは気にしなーい気にしなーい」
「いや駄目だろ」
紗水は教室の窓から外を眺めていた。
「よかったのか」
上伊に声をかけられる。
「何が?」
「ずっと一緒にいただろ。あいつと」
「別に気にしてないわ。あいつ何も分かってないんだもん。暴狐が消えなきゃ私たちに平和は無いのに和解出来るとか、本当馬鹿ね」
「ねぇ、三村君達はどうしたの?空もいないの」
凛が話しかける。
「最近見かけないけど、紗水はいつも一緒にいるよね?」
「知らないわ。あいつ、こんな戦いもう嫌だって逃げ出しちゃったもの。どこに行ったかなんて分からない!あームカついてきた!何よいい子ぶって!」
「そう、でもあの子らしいかも」
「何が?」
「前、相談に乗ってもらったことがあるんだ。うち兄妹喧嘩ばっかりしてたんだけど、お陰で今は仲良く出来てる」
「へぇー、いつのまに」
紗水は言った。
「そういえばあいつ黒木と一緒になんかやってたな。人助け的なやつを」
上伊が言った。
「平和に物事を解決するのが一番よね。私もなるべく戦いたく無いわ」
そう言うと凛はクラスの輪に入っていく。
「うーん、あの子なんか勘違いしてるような」
「あいつはただ戦う覚悟が無いだけなんだけどな」
その時、紗水のデバイスからビビビ…と音が鳴り響いた。
「出動命令だわ」
「なんで俺のからはならないんだろうか」
『暴狐が出現、暴狐が出現。場所はデパートの近く、みんな急いでくれ』
「え⁉︎学校じゃ無いの⁉︎」
「行こう!」
一方、湖也と葉種は川で洗濯をしていた。
葉種のデバイスからアナウンスが鳴り響く。
「なんだと⁉︎学校を襲うんじゃなかったのかよ!」
「一体どういうことなんでしょうか。とりあえず陸先輩達と合流しましょう」
「分かった。俺は登達に連絡しとく」
上伊達はデパートで暴れている複数の暴狐を確認した。
周りではパニック状態になった人達が逃げ回っている。
「それじゃあ行こうか」
「私も戦わなきゃいけないんだね」
「当然だよ。暴狐を倒したいなら戦わなきゃ」
「「起動」」
そう言うとデバイスに指を乗せる。
彼らに装甲が巻かれていく。
目の前にはヤマアラシの姿をした暴狐、銃の様な姿をした暴狐、そしてスイカの様な姿をした暴狐がいた。
上伊は静かに問いかける。
「なぜこんなところに現れた?お前達の狙いは俺達じゃないのか?」
「上の命令だよ。何かしらの計画があるらしい」
校長は生徒達の装甲に取り付けられているカメラから転送された映像を見ている。
「これでも戦わないと言うのかい湖也君。君の夢見たヒーローになるチャンスだよ」
「なるほど、つまり君は下っ端ということでいいんだね?」
煽る様に上伊が言った。
「舐めてもらっちゃ困る!俺は針の魔王!ハリマオウだぞ!」
ヤマアラシの暴狐はどーんと胸を張った。
「なんだその危ないネーミング!止めろ!」
「何が危ないのよ上伊」
ヤマアラシの暴狐の後ろでは二人の暴狐が叫んでいる。
「「頑張れ!ハリマオウ!僕らのハリマオウ!」」
「だから危ない掛け声するな!」
「だから何が危ないのよって」
先に暴狐が動いた。
銃の暴狐から弾丸が放たれ上伊に命中し、数メートル弾き飛ばされる。
「大丈夫⁉︎」
「あぁ、問題ない。みんなでこいつらを囲め!数は圧倒的にこっちの方が多い!」
彼らが動こうとした瞬間、生徒と暴狐の間に衝撃が生まれた。
まるで隕石が落ちた様な衝撃に生徒も暴狐も吹き飛ばされる。
「なんだ?」
上伊は衝撃の生まれた場所を見る。
煙が立っており始めがよく見えなかったが、だんだん煙が消え見えるようになってくる。
中から出てきたのは装甲だった。
「ちっ…湖也か」
上伊は舌打ちをする。
湖也は暴狐の方を向き、問いかける。
「なんでここに出てきた!お前達の標的は俺達のはずだろ!なんの関係もない一般人を襲ってなんのつもりだ!」
「上の命令だよ」
「お前らはどうしたいんだ!こんなことをしたいと思っているのか!」
「湖也!邪魔だ!どけ!暴狐は俺たちが始末する!一匹残らず!」
「嫌だ!」
湖也は振り向き叫び、再び暴狐の方を向く。
「なぁ、どうしたいんだ!俺はお前らを倒したくはないんだ!」
「どけと言っているのに…!」
上伊は足を動かそうとする。
「ちょっと待ってよ!」
天や陸が上伊達の前に立ちはだかる。
「少し湖也に時間をくれないかな?」
「俺たちを倒したくないだと?」
ヤマアラシの暴狐は言った。
「俺はお前らを殺したくて仕方ないね!」
暴狐は湖也に針を飛ばす。
しかし、その針が装甲を貫き湖也の手に刺さった。
「いっでぇぇぇぇぇぇ!」
体を縮こませながら、それでも痛みに耐え必死に問いかける。
「お前らは人間だろ!そうだろ!言えよ!人間だって!」
その問いかけに上伊達は息を呑んだ。
暴狐の正体が何なのかわかると悟ったからだ。
ヤマアラシの暴狐は言った。
「俺たちは、人間だよ」
「ほら!人間だって言ったよ!」
天は上伊に向かって言う。
「本当に奴らは人間だと言うのか…証拠を見せろ!証拠を!」
「何度も言ってるだろ!この前暴狐が人間に戻るのを見ただろ!そして彼らの証言も今掴んだ!彼らは人間だ!倒すべきではない!」
湖也が叫ぶ。
「頼むもう辞めてくれ!お前らの目的は何なんだ!」
「全ては上の命令に動くだけだ!」
「じゃあお前はどうしたいんだよ!戦いなんてしたくないよな!」
「いや、今にもお前を殺したいね」
暴狐はまた針を飛ばす。
今度は足に刺さった。
「さぁどうする。次は心臓を撃ち抜くぞ」
暴狐は相手の恐怖を煽る様に言う。
「俺は…戦いたくない!平和に解決したいだ!」
「それは違うな!」
反論したのは上伊だ。
「お前は戦う覚悟が無いだけだ!いい加減諦めろ!俺たちと一緒に戦え!」
「こっちに戻ってくるのよ、湖也」
「ぐっ…」
湖也の体はそろそろ限界だった。
手と足をやられ、立つのが精一杯だったが、今にも崩れ落ちそうになっている。
「先輩!」
葉種は先輩の元へ寄り、体を支える。
「一旦引きましょう!」
「まだ…まだだ…!奴らに分かってもらうまで…!」
「無理しないでください」
そう言うと葉種は湖也の体を抱えて去っていった。
陸達も彼女に続く。
「ふぅ、これで邪魔者がいなくなったな。暴狐を囲め!」
上伊は指示を出す。
その時、暴狐の目の前に一組の少年と少女が現れた。
「ミラー、こんな時に何の様だ?」
「一旦戻れって夢境が」
「お前らは何者だ?」
上伊は訊ねる。
ミラーは上伊の方を向くと暴狐を指差す。
「私は暴狐の仲間よ」
「お前も暴狐なのか?」
「そうよ。けど私はまだあなた達と戦う気はないわ」
そう言うとミラーは3人の暴狐に向かって手をかざす。
3人の暴狐の周りに壁が生じて彼らを囲んでいく。
その壁はミラーには薄ピンクに見えるが、他の人には真っ黒に見えた。
上伊は叫ぶ。
「そいつらどうする気だ!」
「どうもしないわ。一旦連れて帰るだけ、じゃあね」
そう言うと彼らは消えてしまった。
「仕方ない。俺たちも学校へ戻るか」
湖也を連れて逃げた後、状況を確認するために陸は一旦戦場へ戻ってきた。
が、そこには暴狐も上伊達の姿も無かった。
「あれ?あいつらどこに行ったんだ?」
コンテナの中で湖也は寝ていた。
手と足からは血が流れている。
葉種が手当てをしながら戻ってきた陸に話しかけた。
「どうでした?」
「誰も居なくなっていたんだ。どこに行ったんだろう。場所を移して戦っているのか、解散したのか」
「難しいね。戦いを止めさせるのって」
天が言った。
「難しいことさ。だけどやらなくちゃいけないことでもある」
「戻ったぞー。ってなんだ⁉︎」
バイトから戻ってきた血斗と空は湖也を見て青ざめる。
「ちょっとね。戦いをやめさせようとしたら攻撃されちゃって」
天が答えた。
「大丈夫なのかよ。あまり無理しないでもらいたいね」
「で、その後戦いはどうなったの?」
「それが分からないんだ。彼らは忽然と姿を消したからね」
「しばらく湖也は休ませたほうがいいな。葉種ちゃん、しばらくは一人になるけどいいかな?」
「大丈夫です!私湖也先輩の分まで頑張りますよ!」
「あとは暴狐が動き出さなきゃいいんだけどな…」
「なぜ連れ戻した。もう少しで一人殺れる所だったんだぞ」
ヤマアラシの暴狐がミラーに問いかける。
「それはあの人に聞いて」
ミラーの指差した先に夢境影利は座っていた。
「なぜだ!」
「急ぐことは無いよ。全て計画通りに進まなければ意味がないからね」
「その計画ってなんなんだよ」
「君は知らなくて良い」
「教えなければ命令されても動かねぇぞ」
「いいのかい?君を始末する方法ならいくらでもあるんだがね」
影利は一枚の写真をヤマアラシに向かって投げる。
その写真にはハデスが写っていた。
「ひぃぃ!」
ヤマアラシは情けない声を発するとその場を急足で去っていく。
リーダーがその写真を拾った。
「このハッタリもいつまで効くかだな。ハデスはあまり私達の命令聞かないし」
「なぁにハデス君は私の従順な僕だ。どんな時も力になってくれる素晴らしい子だよ」




