第10話 改変
前回からだいぶ経ってしまった…まぁどうせこんなクソ小説楽しみにしている人なんて誰も(ry
たのしんでくれたら嬉しいです
[注意]後半はちょっと重くなっています。
1.
「で、なんで俺は…」
湖也は部屋を見渡しながら言う。
「お前の家にいるんだ?紗水」
そう。彼は今紗水の家、そして彼女の部屋にいるのだ。
その質問を受けた紗水は、ふっと笑うと
「さーな」
と答える。
数秒の沈黙が訪れた。
湖也が口を開く。
「ドユコト?」
その瞬間、紗水の怒りスイッチが入る。
顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
「あんたぁぁぁぁぁ!この私紗水がさーなって言うギャグなんだから少しは笑いなさいよ!」
「知らねぇよ!今の質問の答えになってねぇだろ!そう言うギャグはもっと場とタイミングを選んでやるもんじゃないのか!?」
「だって学校ではクラスのみんなの目が気になって出来ないでしょ!?場は選んでるわよ!」
「タイミングも選べよ!てか、お前そんなクソ寒いギャグ言うキャラじゃねぇだろ!あまりキャラが固定されていないお前だが、ギャグを言わないキャラだってことは分かってたつもりなんだが!?」
「だから勇気を振り絞ってやったのよ!私の渾身のギャグを寒いというなんて!帰って頂戴!」
「いいさ帰るさ!だいたいなんでこんなところにいるかわからない訳だし!ここに来なくても良かったし!」
そう言い湖也は立ち上がりドアの前まで歩くとドアノブを握ろうとする。
その時、後ろから服を引っ張られた感覚がした。
振り返っていると、頬を少し赤くした紗水が寂しそうにこっちを見ている。
仲間にしますか?
はい
いいえ←
(いやこれゲームじゃないから)
自分の心の中のボケに心の中でツッコミを入れる。
紗水の口が開く。
「あの、まだもう少しいて貰っていいかしら」
「帰って欲しいのかいて欲しいのかどっちだよ!?」
「で、なんで毎日私を置いてったの?」
鋭い目つきで紗水は問いかける。
「その訳を説明するために、紗水に伝えておきたいことがある」
「何?」
「今の学校のことだ」
湖也は真面目な表情で話し出す。
「今の学校は変だ。大橋がへんな力を使って学校を変えたせいで俺はいじめられている」
「え?何言ってんの?」
「お前は何も覚えてないのか?」
「覚えてないわよ。てか、学校はそんな風になってない。あなたがいじめられてるところなんて見たことないし」
「おそらく大橋は生徒ほぼ全員の意識、記憶を改竄しているんだ。記憶にはなくても、学校のみんな、お前だって俺をいじめている」
「そんな非現実的なことがある訳ないじゃない。不思議な力とか意識記憶改竄とか中二病ってやつ?」
「それがあるんだよ。どういう訳か、今学校は大橋が支配している。いじめられて早く帰りたくなっていつもお前を置いていってしまうんだ。すまない。信じられない話かもしれないが、頼む。信じてくれ」
湖也は必死に頭を下げる。
その姿にはいつも置いて帰ってしまったことによる謝罪の意味と自分の言っていることを信じて欲しいという願いの意味が混ざっている。
その姿を見て紗水は
「分かった、分かったわよ。まだ完全に信じた訳じゃないけど、もし学校がそうなっていたとして、湖也はどうしたいの?」
「もちろん学校を元に戻したい」
「戻す方法はわかってるの?」
「俺は分からない。だが黒木がその方法を知っているらしいんだ」
「花蓮ちゃんが!?」
紗水が驚きの声を上げる。
「なんで花蓮ちゃんがそんなこと知ってるのよ」
「詳しいことは俺も分からないけど、どうやらあいつは今の学校を元に戻すためにこの学校に来たらしい」
「何そのアニメでよくありそうな世界を救う謎の美少女〜的なやつ!」
「でもあいつが今の学校を元に戻す方法を知っているらしいんだ。その方法が実行されて、学校が元に戻るまで一人で帰ってくれないか?」
「分かったわ。でもそのかわり明日の朝一緒に登校しましょ?」
「なんでそうなるんだよ!」
「本当に学校にその…なんていうの?不思議な力みたいなのがかかってるのか私の目で確かめて見たいし」
「でも校門通ったら意識変わっちまうぞ?どうやって確認するんだよ」
「私に考えがあるの。明日駅で待っててね」
〜そして翌日〜
通学路を歩きながら二人は、
「で、どうやって確認するんだよ」
「まぁそれは校門前に着いてからって事で」
そして校門前に着き。
「で、どうやって確認するの?」
少しイライラしながら湖也は聞く。
「まず普通に校門通るでしょ?」
「うん」
「で、もし私の態度が変わったらここまで引っ張って来て」
「ほう」
あまり納得してないが湖也は適当に返事をする。
「それじゃあ行くわよ」
さんにーいちの掛け声とともに二人は校門をくぐる。
「え、なんで最カイくんが私の隣にいるの」
紗水の態度が変わり怒りを交えた戸惑いの言葉を発する。
「はいはい最カイくんですよー」
態度が変わったのを確認すると湖也は適当に返事をして紗水の腕を引っ張り校門の外まで連れ戻そうとする。
「え?ちょ、何をする!?は・な・せ!」
叫び声を上げる紗水だが校門の外に出ると落ち着きを取り戻し、
「どうだった?」
と湖也に聞く。
「あぁ、最悪な紗水がいたぞ」
「最悪って何よ。それに、私が確認できてない」
「じゃあどうするんだよ」
朝早くに起こされ一緒に来たのにわがままを言われ流石に怒りが爆発しそうな湖也は紗水の体を力強く押す。
「うわ!」
再び叫び声を上げた紗水の体は校門をくぐり、
「何やってんの最カイくん」
怒りの表情を見せながら紗水がつぶやく。
その言葉を無視して湖也は紗水を外まで引っ張る。
「何やってんのよ。湖也」
元に戻ったことを確認すると再び学校内へと体を引っ張る。
「触らないでくれる?最カイくんが」
再び学校の外まで引っ張りだす。
「何やってんのよ」
「だから触んないでっていってるじゃない!」
「ちょっとさっきから何やってんのよ?」
「どんだけベタベタしたら気が済むの最カイくんは!?」
「何やってんのよって言ってるんだけど?」
学校の外と中でいちいち反応が変わる紗水を見て
(おもろい)
と湖也は心の中で思った。
紗水に思いっきり殴られ叱られたあと湖也は先に教室に入る。
「いや〜女子高生の目覚ましビンタってのはイイもんだな〜」
久しぶりに紗水とまともに会話できてテンションが上がっている湖也は変態じみた言葉を発する。もちろん、周りに誰もいないことを確認しながらボソッと。
しかし教室に入ると、
「お、最カイくんジャーン逃げたんじゃないの〜?」
「またいじめられに来たんだ。バカみてぇ」
「Mなんじゃないの?気持ち悪」
と湖也を勝手に馬鹿にしたり本気で引いたりするクラスメイトたちの姿が目に入る。
今湖也は学校のみんなからいじめを受けているという設定だ。
本当にいじめられてるわけじゃないが、学校の支配者によっていじめの対象にされてしまっている。
その支配者とは、大橋上伊だ。
湖也は彼の方を見る。
上伊も湖也の方を見ており、自然と目があった。
その目からは安堵の表情が伝わってくる。
彼を懲らしめることができればこの学校は元に戻り、平和な生活が送れるようになる訳だが…
(ひょっとして今ならいけるかな?)
だが今の彼は前までの強気な様子ではなく、臆病になってしまっている。
(黒木は彼と話し合うことで学校を元に戻すことができると言っていた。その意見には俺も賛成だ。無駄な殴り合いをするより話し合って平和に解決をした方がいい)
湖也は大橋に近づき接触を試みるが、
「お前大橋様になん近づくなよ!」
「ゴミが近づくと大橋様が汚れちまう!」
「机でおとなしく本でも読んどけバーカ」
と上伊の護衛に止められるので近づくことはできない。
(どうしろってんだ?)
2.
朝のホームルームが終わり、湖也は後ろの席の花蓮に話しかける。
「で、学校を変えるために何をすればいいんだ?」
「待て、まだその時ではない」
「まだってどう言うことだよ」
「この学校にはやばい奴がいるって言っただろ?その中の一人が動き出している。向こうからやってこようとしているんだ」
花蓮は一人の女子を見つめている。
その子はプリントにお茶をこぼして焦っていた。
「へー、じゃあそいつが来るのを待ってればいいってこと?」
廊下からは「おい登!早く行くよー」「うん、待ってー」と会話が聞こえてくる。
花蓮はニヤリと笑うと「そゆこと」と返した。
3.
一日が終わり、湖也は深いため息をつく。
「はぁぁぁ、やっぱりキツイわ」
休み時間にはみんなからわーわー言われ、教室を出ただけで笑われ…予想通りひどい一日だった。
「本当キツイ!早く帰ろうぜー」
陸が笑顔で近づいてくる。
「あ、でもトイレ行っていい?」
「あ、いいよー一緒に行こー!」
天も揃い三人で教室を出て行く。女子じゃなくても一緒にトイレに行くことはできる。決して女の特権ではない。
三人が去り教室には二人の生徒が残っていた。
一人は河原紗水、先生に出すためのプリントを集め終えてまとめているところだ。
「空野さん、まだ出来ていないの?」
「今やってます!もう少し待ってください!」
もう一人は空野葵、普通の女子高生だが提出物を出すのが遅れることが多い子である。
プリントをやってなかったわけではない、たまたま膝が水筒に当たり倒れ溢れたお茶がプリントを汚してしまったのである。
慌てて乾かそうとしたら窓が開いておりプリントを握る力が弱く、教室に入ってきた風に飛ばされてしまったのだ。
葵が課題を出すのが遅れる理由は不安な事故によく遭ってしまうことだ。
(全く、そんな漫画みたいなことが実際に起こるなんて…)
紗水はプリントを整理しながらため息をつく。
「早くしてくださる?」
「はい!もう少し待ってください!」
ちなみに紗水は今上伊の次に偉い設定になっている。
つまり普通の生徒より上の立場にあるわけだ。
葵を置いてって先に出しに行くこともできるが、紗水は待ってあげることにした。
数分後、紗水はイライラし始めた。
さらに数分後、「まだー?」と聞くと「もう少しです」と返事がくる。
またさらに数分後、葵は手を上げて「あの…トイレ行っていいですか?」と聞いて来た。
「ダメに決まってるでしょ!?早くプリント終わらせなさい!」
紗水はもう耐えきれなかった。
葵の先まで行くと、机にバン!と両手を叩きつけて、
「あなた少しは人をために頑張ろうと思わないの!?自己中すぎない?」
「はい〜…すみません…」
泣きそうになりながら葵は謝る。
その時、一人の男子が教室に入って来た。
「おいー葵ー?帰るぞー」
そう言いながらドアを開ける男子は泣きそうになっている葵と葵の机に手をついている紗水を見つける。
その光景を見た男子は、
「お前、葵に何をしている?」
静かに聞く。
「空野さん、プリント出すの遅いから。少し注意しているところ」
「泣きそうになってるんだが?」
「彼女の精神が弱すぎるのよ。少し注意したなのに」
そう話す紗水の顔に、拳が飛んできた。
避けることが出来ず吹き飛ばされる紗水は起き上がると怒りで顔を真っ赤にしながら、
「あなた私が誰かわかってるの?そんなことして許されると思ってるの?」
「立場なんか関係あるか?僕は葵を泣かせたお前を殴ったんだ。相手の位なんか知ったこっちゃねぇ」
そう言いながら一歩踏み出す。
「葵はな、僕を救ってくれた命の恩人なんだ!葵を泣かせる奴は誰だろうと容赦しねぇ、分かったか!」
再び拳を握る。
その時、反対側の教室のドアが開き、湖也達が入って来た。
湖也は殴られそうになっている紗水と殴りかかっている男子を見て、
「お前!何をしている!」
と叫ぶ。
男子は手を止めると、
「なんだぁ?おまぇ」
睨みつけながら聞く。
湖也は怒りの眼差しを向けながら、
「俺は紗水の護衛をしていてね、紗水を傷つけるやつには容赦しない」
「ほう?こんな奴の護衛しているの?クソみたいな性格をしてるのに」
「なんだとてめぇ」
戦闘が始まった。
湖也が教室の中を走り出す。
数秒で男子に近づき拳を突き出そうとする。
が、男子の方が行動は速かった。
湖也の腹目掛けて蹴りを入れる。
湖也の体が転がり、「ぐふっ!」と声や出す。
「おいおいどうした!?護衛がそんな弱くていいのかよ?あ?」
湖也は起き上がると、近くにあった椅子を持ち上げる。
「お前!?それは無いだろ!」
次の瞬間、明日が飛んできて焦った男子は机を手に取りガードする。
「え!?ちょっと待って!なんであなたが私を守るの!?」
紗水のために戦う湖也を見て、紗水は疑問をぶつける。
それに答えたのは陸だった。
「湖也がお前を守りたいと思ったからじゃね?」
ガードに回ることで体が動かなくったところを湖也は走って近づき、蹴りを入れる。
「さっきの仕返しだ」
手に持っている机に蹴りを入れることで体のバランスが崩れ男子の体は倒れ転がる。
「そんなの痛くねぇよ」
すぐに男子は立ち上がり、湖也の顔に拳をぶつけようとする。
湖也はそれを避け、男子の腹に蹴りを入れる。
再び男子の体は転がり、机にぶつかり動きを止める。
「どうだ?まいったか?」
「いや、全くだね」
男子は素早く立ち上がる。相当なダメージを負ってるはずなのに、少しも動きが鈍くなったりはしない。
「お前、ボクシングでもやってたのか?」
高校でボクシングをやる人はほとんどいないし、ボクシングやってるからって痛みに強くなれるわけじゃ無いが、湖也は聞いてみる。
「僕は小中でたくさんいじめられてきてな、喧嘩もたくさんしたよ。こんなのと比にならないくらいの殴り合いをな」
「いじめられてた?なぜ?」
湖也は手を止める。
それに答えたのは紗水だった。
「多分名前が原因でしょ。登血斗君」
それを聞いた湖也は、
「え?なんて?」
と聞き返してしまう。
「彼の名前、登血斗」
再び紗水は言う。
「なんだその名前!ははははははは!変な名前!」
驚きの声を上げ笑う湖也を、
「それ以上笑うのやめろやごらぁ!」
血斗を猛烈な一撃で気絶させてしまう。
4.
気を失ってからおよそ一五分後、
湖也は目を覚ました。
周りには、
「大丈夫?湖也?」
「大丈夫か!湖也!」
同時に似たような言葉を投げてくる天と陸、何も言わずにただこちらを見ている紗水、そして心配そうに見ている葵と少し反省気味の血斗がいた。
「その、さっきは悪かったな。ついカッとなってしまって」
血斗は言う。
「あー痛かった!本当だったら救急車呼んでるところだからなこれ。てか呼べよ!なんで呼ばねぇんだよ!」
そう叫ぶ湖也に、
「最底辺君に救急車は金の無駄遣いよ」
と冷静に返す紗水。
その言葉で、湖也は今この学校ではいじめの対象になっていることを思い出す。
「でも気を失ってたんだからさー」
ため息をつくと湖也は血斗の方を見る。
「すごい名前だな、チートって」
「親がつけたんだよ。強くなって欲しいからって。だからってチートはないよな…」
悲しそうな目をしながらそう言う血人を見ながら、なるほど、これがキラキラネーム又の名をDQNネームなんだなと湖也は思った。
「で、いじめられてたってのは?」
「名前が原因で小学校の頃から」
血斗は語り出した。
「最初は変な名前ーって言われるだけだったが、だんだんいじめはエスカレートしていってチートって名前なんだから強いんだろ?と言われながら集団で殴られたり、靴の中に針入れられたりと小二の頃から血を流さない日はないほどだった。自分でも変な名前だと思うしなんでこんな名前つけたんだろって親の考えが理解できなかった。親になんでこんな名前つけたの!?変な名前つけるのやめてよ!と言ってもうるさい!あなたは私の子供なんだから!私がいなかったらあなたは生まれてこなかったのよ!少しは文句ばかり言ってないで感謝したらどう?とこんな名前をつけたことに対する謝罪はない。当然だよな、こんな名前をつける親なんだ。謝罪も知らないほど馬鹿なんだろ」
血斗の目からは涙が流れていた。
ひどいいじめにあってきたのだろう。
親のせいで起こるいじめは親からいじめを受けるのと同じだ。
周りに味方がいない状況で生きてきた血斗はそう思う。
「中学一年生になった時だ。中学でも僕はいじめられていた。殴られ、筆箱をパクられ、学校に行きたくないと言うと親に殴られる無理やりいかされ、僕は学校に行くふりをしながら公園で時間を潰すようになった。だが先生からの連絡で学校をサボっていたことを親に知られ、また殴られた。本当酷いよ。名前をつけた親が悪いのに、僕は何も悪くないのに。自殺しようと本気で考えたさ」
でも、と血斗は続ける。
「道路の脇に座っていると、救世主が現れたんだ。隣にいる空野葵だ。葵は優しく話しかけてくれた。葵は僕の名前のことを笑わないでいてくれた。僕の味方がいる。それだけで、生きようと思った。葵は僕をいじめてた全員にもういじめはやめて欲しいと話をしてくれた。葵のおかげでいじめは無くなっていき、普通に生活することができるようになったんだ」
「そうか…大変だったな」
話終わった血斗を見て湖也は呟く。
その湖也を見ながら、血斗は目を見開き、
「でも今日お前に名前を笑われたんだ!平和になった僕の人生をまた壊そうと!」
「すまんすまん。そんな人生を送ってたなんて知らなかったからさ。もう笑わないよ。ていうか、俺も今いじめられてるしな。お前も知ってるだろ?俺がこの学校では底辺という扱いを受けていること」
「あぁ、知ってるよ。でもそれがどうした?なんで底辺だといじめられなきゃいけないんだ?」
血斗はさらっと言う。
その言葉を聞いて湖也は驚く。
「お前は俺をいじめようと思わないのか?」
「思わないよ。僕だっていじめられてたからいじめの酷さはわかってるし。そんな理由でいじめられるなら僕は退学を選ぶね」
「じ、じゃあお前は俺の味方になってくれるのか?」
「敵じゃないなら味方って考えが変だと思うけど、まあ大変な思いをしているなら僕はお前の味方をするよ。これで君の悩みが軽くなってならね」
「本当か!?ありがとう!」
二人は握手をした。
教室の隅で、天と陸が
「ねぇ、急展開すぎない?」
「まぁでも味方が出来たのはいいことじゃないか」
「そうだね」
と会話していたが湖也の耳には届いていない。
「わ、私もあなたの味方です」
血斗に近づいてそう言うのは空野葵だ。
「いじめはあってはならないと思うし、あなたのいじめがなくなるよう手伝わせてください!」
「分かった!ありがとう!」
今まで天と陸と花蓮しか味方がいなかった湖也は涙を浮かべながら礼を言う。
その光景を見ながら、
「わ、私も…」
と呟く女がいた。
紗水だ。
「さっきの登君の話を聞いてたら、いじめがバカバカしくなったわ。もうやめる」
「え!?マジで!?」
予想外の展開に湖也は再び驚き叫ぶ。
「マジよ。約束するわ」
「じゃあ、今までのお返しで一発殴らせて」
「それはやだ」
「こっちもやだ。殴らないと気が済まない」
「やだって!」
「こっちだって!」
二人はワーワーギャーギャー言い始めた。
その様子を廊下から見ている人がいた。
黒木花蓮である。
彼女は平和になった教室を離れ校長室へ行く。
「湖也の味方が増え、いじめる人が減ったわ」
「そうかい、それは良かった」
「それに、『やばいやつ』だった登血斗が仲間に加わった。もう彼が変なことをする可能性はないわね」
「そうかい、それは良かった」
「…そんだけ?」
「君と三村君ならやれると信じていたからな」
「そうかい」
適当に返事をして花蓮は去っていく。
湖也たちは校門を出た。
すると、紗水の意識が元に戻る。
「どうだった?今日の学校は」
「あぁ、お前が仲間になってくれたよ。心強い」
「そう…それは良かったわ…」
紗水は顔を赤くしながら返事をする。
「じゃあな!湖也!」
「また明日!」
二人で帰っていく天と陸に手をふらながら、二人は帰り道を歩き始める。
文章力がないので変な感じになってしまいました…すみません…




