睡眠学習
「…ご主人」
「んー? どうしたのシラヨイちゃん」
「最近全然修行をしとらんのじゃないかのう?」
「う! …そうだったかなぁ?」
「しらばっくれても無駄じゃぞ? ほれ、はようはよう!」
「いやいやいやシラヨイちゃん、もう外も暗いし、そろそろ寝ようかと思ってたんだけど?」
「ご主人は昼にも寝てたじゃろうが! 知っとるんじゃぞ!」
「うーん、あれは疲れてたから仕方ないんだよ。もうおっさんだよ僕」
「三十やそこらで衰えてどうするんじゃ! ほれ、いいから修行するぞ!」
「えー? たしか侍の時代って平均寿命短くなかったっけ…? ともかく、今いいところだから明日にしようよ」
「また本を読んでおるのか? どうせまた助平な内容なんじゃろう? 正直に言うてみい!」
「いつも読んでるのは事実だけど助平はいつもじゃないよ!?」
「ほーん、そうかそうか。…それならこれはどういうことかの?」なでなで
「これはその…あれだよ、シラヨイちゃんがくっついてるからだよ? タブン」
「…ふむぅ……」のしっ
「……シラヨイちゃん?」
「……しょうがないのう…」モゾモゾ
「……」
「……」
「……もう寝る?」
「…ん。寝るのじゃ」
「そう…それじゃ僕も寝るよ」
「まぁ稽古は夢の中でもできるし、わしが体に乗り移れば筋肉もつけられるからの……」
「うーん、睡眠学習(物理)かぁ…おやすみシラヨイちゃん…」
「うむ。おやすみなのじゃご主人……よい夢をな…」




