#2 チートとヤンキー
「おにぃ?もう目をひらいていいよ?」
僕は妹の声で目をひらいた。本当に一瞬だったなー。
「これからどうする?」
僕は思ったことを口にだしてみる
「・・・おにぃはどのくらい強い?」
「えーとこの世界はよくわからないけど前の世界だったら普通くらいだと思うけどそれがどうかしたの?」
暁帆は少し悩んでから口をひらく。
「前にこの世界にきた時に武道大会をやってたことを思い出したからおにぃが優勝してお金を稼げないかなーって思ってね。・・・でてみない?」
この子はいきなりなんて発言をするんだ!この世界は魔法って言うチートがあるんだよ?チートだよチート。そんなものに勝てるわけがないよ。
と思いながらも暁帆にきいてみた。
「暁帆その大会って魔法禁止とかじゃないんだよね?」
「魔法もなんでもありの大会だよ?」
当然かのように暁帆は答える。
「でもおにぃなら絶対優勝できるよ!」
勝てるわけがないよ。
「だっておにぃには魔法が効かないんだから。」
「へ?」
いやいやおかしいでしょ!?!?驚きながらも暁帆にいちようきいてみる。
「本当に僕に魔法が効かないとして、なんで暁帆の転生の魔法が僕にも効いてるの?」
「それは私神様だもん。」
いやいやそれこそチートじゃん。
「とにかくおにぃには私以外の魔法は効かないの。あっ、効かないって言っても直接的な魔法だけだからね?間接的な魔法は効くから気をつけてね。」
「は、はい。」
なんだろうなー僕がチートを使ってる気がする、、、
「じゃあ武道大会の会場に出発だね!」
「そうだね。」
まぁ出る以上は優勝を狙ってみるか!
「『テレポート』」
暁帆が何か呟いたと思ったらみるからに武道大会が開催されそうなところにいた。
「暁帆さん。まさかテレポーテーションじゃないですよね?」
「さすがおにぃ!私のことならなんでもわかってるね!」
はぁ。僕の口から思わずため息がでてしまった。
結局僕も暁帆もこの世界の人たちからしたらチート使いみたいなものなんだろうな、、、なんか嫌な予感しかしない。僕がそんなことを考えているときに嫌なことが起こった。
「ねぇねぇそこのお嬢さん俺らと遊ばない?そんな奴より俺らの方が100倍いい思いさせられるよ?」
いつの間にか路地裏にいた暁帆に小太りな男たち(3人)が絡んでいた。
僕はこの男たちの名前を『クロちゃん』『ザキヤマ』『竹山』と頭の中で名付けそのリーダー格っぽいザキヤマに声をかける。
「あのーすいませんその子は僕の連れなんで、、、」
「は?黙ってろ!殺すぞ?」
さすがに「キタァーーー」とは言わないんだね。そしてザキヤマがナイフを取り出した少し遅れてクロちゃんと竹山もナイフを出した。そしてクロちゃんが高い声でこう言った。
「あ?なんだその目は?はやく消えねーとこの女を殺すぞ!!」
そう言って暁帆の腕を掴む。
僕はこの瞬間刀を取り出して構える。
そうだキレたのだ。
「これは警告だ次動いたら斬る。」
僕はそう言った。
「あっ?なにをっ!?!?」
その言葉を言い終わる前に脇腹に最速で峰打ちを叩きこんだ。
やっぱり竹山が始めに動いたやっぱりこの世界でも竹山はキレるのか。
僕が倒れた竹山をみながら少し笑っていると、
「や、やっちまえ!!!」
ザキヤマがそう言った途端クロちゃんとザキヤマが一気に突進してきた。
まぁ二人とも脇腹に峰打ちを叩きこんだけどね?
「・・・ありがとうね、おにぃ。」
暁帆が小さな声でそう言った。僕は当たり前のことをしただけなんだけどね。
よしウォーニングアップもしたところで武道大会は優勝するぞ!
と心の中で気合いを入れていた。このときの僕はまだ知らなかった。
あんなことになるとは、、、
ちなみにクロちゃん、ザキヤマ、竹山のトリオがどうなったか知りたい人のために言っておこう。あのトリオは気絶していたから、着ていた服を斬りきざんで全裸で路地裏に放置してきた。