#12 技と作戦
「リルはおにーさんと戦いたいー!」
さっきまで暁帆の睡眠魔法で眠っていたのに起きた途端に僕と戦いたいとか、、、
「また今度ね。」
リルと戦う前にとりあえずみんなの質問責めをどうにかしないとだ。
「あ、あの、説明してください!」
すこし興奮気味のシェールちゃんが説明を求めてきた。
「えーとまずどこから説明すればいいかな?」
「え、えーと、とうやさんが使った技の事からお願いします!」
そこからかー
「えーとあの技は、、、ただの抜刀です。」
僕がそう答えるとエルフィードのみんなが、
「「「「真面目に答えてください!!」」」」
そう突っ込まれた。
えーだってあれ技的にはただの抜刀じゃん。
「えーとあの技は、、、」
「神和住流剣術紫電の型『雷光一閃』だよね!」
この子は毎回毎回僕のセリフを奪うよね。
「まあ、あってるからいいけどさ。しかしよく知ってるね。」
「おにぃと私は恋人同士だからね!」
「いや違うから兄妹だから。」
神様って言うのはなんでも知ってるものなんだなー
「そんなことよりもその技はなんなのー?」
エルフィードのえーと確かツキミさんだよね?
「ツキミさんはなんだと思いますか?」
「ツキミさんなんて他人行儀じゃなくてツキミでいいよー」
「じゃあツキミはどんな技だと思う?」
僕はツキミと呼び捨てにしたらエルフィードの人たちが「キャー」とか「私も呼び捨てで呼んで欲しい!」なんて声が聞こえた。まぁ無視しとこう。
「え、えーと結局どんな技なんですか?」
全然話が進まないし、まぁ説明しますか。
「えーとね。簡単に言うと素早く抜刀してカマイタチで相手を倒す技。」
そう僕が説明すると、
「カマイタチってそんな簡単に発生するものじゃないと思いますけど、、、」
うわ!ビックリしたー。なんだレオーネさんか、、、
「おにーさんのその技ってリルたちにもできる?」
「リルたちも練習すればできるようになるよ。」
ちなみに僕は小さい頃に三年くらい練習して木の幹くらいは簡単に真っ二つにできるくらいにはなった。
「そんなことより暁帆小腹空かない?」
僕のその言葉に暁帆だけでなくエルフィードのみんなが反応したのを僕は見逃さなかった。
「よーし!できたら呼ぶからみんなは自由にしてていいよ!」
___________20分後____________
「みんなーできたよー!」
僕がそう言うと、
「み、みなさん。すこしいいですか?とうやさんが作ったものを食べる前に、作戦を発表します。」
もう作戦発表か。早いな。
「おにーさんが作ったお菓子美味しそう!」
「おにぃ食べていい?いい?」
だから作戦を発表するって言ってるのに、、、
「シェールちゃんの作戦発表が終わってから食べようね?」
「「はーい」」
この二人意外と息が合うよね。
「で、では作戦を発表します。」
シェールちゃんが立てた作戦はこうだ。まずシルヴィア王国反乱軍と協力して王国を夜に襲撃し国王を誘拐して交渉という作戦だ。まあ妥当な作戦だと思う。
そしてこの作戦の配置は、、、
僕→王様の誘拐
エルフィードとリルと暁帆→派手な誘導
シェールちゃん→待機して指示をだす
レオーネさん→待機というか観戦
こんな感じだ。ちなみにリルたちは反乱軍と共同だ。
「りょうかーい!もう食べていいよね?」
リルは本当に大丈夫だろうか。心配だ。僕がそんなことを考えているとシェールちゃんが小声で話しかけてきた。
「と、とうやさん。今回の作戦はとうやさんにかかっています。」
だと思ったよ、、、
「ですから、、、ファイトです!」
可愛い!はいやる気出ました!やってやろうじゃないの!!
「とりあえず僕が作ったマフィンでも食べようか。」
「は、はい!」
じゃあマフィンを、、、っておい!もうないじゃないか!!!!
「おにーさん!美味しかったよー!」
「おにぃ!サイコーだったよ!」
犯人はこの二人か、、、
「わ、私まだ食べてないです、、、」
半分泣きそうなシェールちゃんが小声で呟いた。
暁帆もリルも食べすぎじゃない?
「後でみんなに内緒で作るから一緒に食べる?」
「た、食べます!」
よし!これで二人っきりでお話しできる!
それにしても僕が失敗したら即終了の作戦だよね、、、大丈夫だろうか。
そんなことを考えながらベットにダイブしたら疲れが一気にやってきた。
まあ夜だから普通か。おやすみなさい。
王国の軍隊が攻めてくるまであと2日、、、