0.5章 魔王との邂逅
この章は、お話が多いです。1ブックマーク追加ありがとうございます。
修正5月23日
文を一部変更しました。
目が覚めたら、不思議な所に居た。黒と白不安定に混ざり合っている空間。
「私は、死んだはずだが・・・。そうか、ここが死後の世界というものか、寂しいところだな。」
私は、歩こうと足を前にだした。
ガシャッン────
「なんで私は、鎖で繋がれてるんだ?」
私は何故か、鎖で繋がれていた。鎖をよく見てみると文字みたいなのが刻まれていた。
「封印の鎖?」
私は何故か、その文字が懐かしく思えてきた。何故だろうと考えてても仕方ないと、取り敢えず外れないか抵抗してみたがびくともしなかった。
「外れないのなら、仕方ない・・・。なんだか無性に眠くなってきたな。」
私は唐突にやってきた睡魔に身をゆだね意識を落とした。
それからというもの、私はなにもできず、時間が過ぎていった。いったいどれだけの年月が経ったのだろうか、体の感覚が曖昧になってきた。手や足を見てみると透けてきていた。記憶だけはかろうじて、保てていた。桜や美代さんや、学校のみんなは覚えているが、孤児院にいたときの記憶が曖昧になってきていた。
「私はどうなってしまうんだ?」
私は桜や美代さんのことまで忘れてしまうと思うと不安になってきた。
「─れ─ッ、─────か?!」
声がした。空耳だろうと、眠ろうとしたら、
「誰かッ、おらぬのか?!」
今度はハッキリと聞こえた。幼い子供の声だった。緊迫した声だったので
「どうかしましたか?」
と、声を掛けてみた。もしかしたら、この変な空間から自分を助け出してくれるかも知れないと期待した。しかし、返事が帰ってこなかった。幻聴だったのかとなかば諦めていた時、
「すまぬ、返事が遅れたのじゃ。今わしは命を狙われている。そなたの力を貸して欲しいのじゃ。」
「どうして、命を狙われているのですか?」
「わしは、魔族を束ねる魔王の娘じゃ。人族の連中は、魔族は知性を持った魔物だと言おって、攻めて来たのじゃ。父上は、最強じゃった。人族の軍を一人で無力化したのじゃ。さすが父上なのじゃ。父上は、講和を結んだ。じゃが人族は、父上の優しさにつけ入って父上を人族の国に招いて殺したのじゃッ!!っ、すまぬ。つい、感情的になったのじゃ。話を続けよう。それからというもの、人族は講和を破って破って魔族の国に攻めて来たのじゃ。魔族は、魔王という統率者がいなくなったことで、バラバラになったとこを突かれて壊滅寸前じゃ。今、魔族の首都で、わしと生き残った魔族で抵抗しておるがもう、持ちそうにない。頼む、魔族を助けてくれ。」
「手助けしたいのは、山々なんですがここから動けないんです。」
「安心するのじゃ。わしの二つの問いに同意してくれるだけでいいんじゃ。それじゃあいくぞ。」
本当に大丈夫なのかと不安になりながらも彼女の言葉を聞いた。
「汝は、我が物であり、我は、汝の物である。」
「はい。」
「我と汝は争ってはならない。また、我と汝に災難が降りかかろうとも互いに助け合うこと。」
「はい。」
「これで我と汝の契約はなった!!顕現せよ。汝の名はヴァルキリー。」
ヴァルキリーは、戦乙女である。私は、乙女じゃない。男だと突っ込みたかったが、足元が光出してその光が私を包んでいく。体が中から作り変えていくような気がした。すこしだけ、温かさを感じた。私はそれに身を委ね、目を瞑った。