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ヴァルキリーと魔王の異世界生活  作者: 熱き友情で頑張る一般人
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0章 地球の夜乃 才

初投稿です。読んでってください。


修正5月23日

いるますが、➡いるが、

なんで、間違えたんだろう(´・ω・`)?


5月28

一部文を変更いたしました。

内容は変わりませんので、( ̄▽ ̄)ゞ


6月5日

誤字修正

一部、文を変更。

私は、夜乃才と申します。

私と言っていますが、男です。幼い時に気に入って使っていたらいつのまにか口癖になっていました。妹に、


「おにい、その口癖直した方がいいよ。」


と、言われてるけど、私は今でも気に入ってるので直す気はありません。 


少し昔の話をしましょう。

私には、両親がいなかった。いわゆる孤児というやつです。


 寺院の人に尋ねたことがあった。自分の両親がどういう人か気になった私は興味本意で聞いてみた。しかし、


「貴方のお父さんと、お母さんは、遠い遠い所に居るの。だから会えないの…。」


 と、言われた。

 気を使っての言葉だとわかった。多分、私の家族はこの世に居ないのだろう…


 5歳の時、夜乃家に引き取られ養子として暮らしていたが、その家の両親が病気で相次いで他界した。その両親には一人、娘がいた。私より2歳年下の桜である。桜は、一人になってしまった。自分と同じに…。桜は、自殺しようとしていたのを危うく止めなんとか説得した。桜には、私と違って幸せになって欲しいから、楽しい人生を過ごして欲しいから…




◇◇◇◇


 いまは、家の働き手がいなくなった分、私が働いて稼いでいる。二人分の生活費を一人で稼ぐとなると重労働である。一応桜の両親が残した遺産があったが親族だと名乗る大人達にそのほとんどを持ってかれた。

子供が持っててはいけないから預かっているよ。

と、言う理由だったが、それから音信不通。誰とも連絡がとれなくなった…。


桜が泣いていた。幼い身には、残酷すぎる事だった。

だから、私はこの身にいかなる事があろうと、桜を守ると自分に約束した。



最近寝不足である。咳も頭痛も日が過ぎる事に増えてきた。毎日夜遅くまで働いているからだろう。桜にも心配されるようになってきた。


「おにい。休んで、私が働くから!」


桜は、また家族を失ってしまうかもしれない。と、思ってのことか、そう言ってきた。桜は、勘が鋭い。隠していても、ばれてしまう。でも、私は、自分の命を削ってでも桜に幸せな人生を送らせてあげたい。と、決めてるので、桜が立派な大人になるまでは私が働く。


それに、桜に高校に行かせたかったので、


「大丈夫だよ。私は元気だよ。ごめんね、心配させて。不甲斐ない兄でごめんなさい。でも、桜もだよ。

お兄ちゃん、桜が高校行かないと不安で休めないよ?」


話題をそらすことにした。これには、桜も黙ってしまった。

桜は、自分達の家計が苦しい事を知っている。だから、高校に行かずにそのお金を私に渡してきた。私は何度も大丈夫だよと、言ったが桜が聞いてくれなかった。


たしかに家には今お金はそんなに無い。が、それとこれとは話が別だ。高校に行ってないからと桜が蔑まれるのは見たくない。

私は、桜の方が心配なのだ。


「桜が、学校に行かせる為に私は、働いて頑張ってるの。だから、桜は働かなくてもいいんだよ。桜には、高校があるんだから。」


「でも…、おにい。顔色が悪いよ。大丈夫…?

この頃だって、いつも夜遅くに帰ってきて…、」


「大丈夫だよ。大丈夫。あ、そうだ。今日、スーパーでアイス特売の日だ。桜の好きな抹茶のアイスクリーム買ってくるよ。」


「もうっ!!おにいはすぐそうやってすぐごまかす…。」


桜が、抱きついてきた。撫でてあげた。桜は、身長が低くそれを気にしているようだが僕にとっては撫でやすいのでいい。桜は気持ち良さそうに目を細めた。


「それじゃ、いっ───、」


口の奥からなにかが込み上げてきた。


「ゴホッゴホッ、」


「っ!!大丈夫、おにいっ!」


いきなり、咳き込む私に桜が、心配そうにみつめてくる。ばれてはいないようだ…


「大丈夫だよ。それじゃあ改めて、・・・行ってきます。」


「うん、おにい頑張って。…それと、無理しないでね。」


桜は小さく手を振ってきた。私もそれに応えて手を振る。


◇◇◇◇◇



私は、家を出てすぐ近くのしげみに身を隠した


「ゲホッっ、ゴホッっ、ゴホッっ、、、」


ピチャッァァァ


私の口から大量の血が吐き出された。無理をして働きすぎたからであろう。


「そろそろ、やばいかも。」


私は、前に医者に養生しなさいと言われていた。もちろん桜には、言ってない。言ったら絶対、止めるからだ。妹を守らなければいけないのは僕の、兄としての威厳だからである。


(と言っても、今にも死にそうな状態てすけどね・・、あれを誰かに託さないと。)


「そこに居るのはだれですか?」


声が聞こえた。この声は隣の家にいる阿三 美代さんだ。美代さんは、僕が養子でこっちにきた時に、初めて友達になった人だ。僕ら兄妹には、優しくしてくれて、学校では、美人で、学業も運動も良くて、学校のアイドルである。


「おはようございます。美代さん。」


吐いた血がばれないように、取り敢えず挨拶をした。


「その声、才くんですか。そんなところで何してるんですか?」


ドクンッ ドクンッ ドクンッ ドクンッ


(ヤバイですね…、今日持ちそうにない。

この人にならあれを…。もう、桜を悲しませることはない。)




「すいません、美代さん。これ預かっててください。時間が無いんで失礼します。」


「ちょっと、才くんなにこ────」


「夜まで開けないでくださいね。それじゃあ。」


私は、その場を走り去った。



◇◇◇◇◇



それからどのくらい走っただろうか。気づいたら、周囲は木に囲まれてる所に居た。僕はそこにたたずんだ。


そして、数分が経った時──────


ドクンッ


「グッ!?」


心臓に鋭い痛みがきた。この頃の過剰労働や、食事の不摂取などがたたったのだろう。自分でも良く持った方だと驚いてる。何故なら、三年もそうやって生活してきたからである。


(はは、美代さんには、悪いことしちゃったな。謝りたいけどこれじゃあ無理かな。桜に、アイス買ってあげられなかったなぁ。むくれそうだ。、、、あぁ目が見えない、真っ暗だ。最後に、最後にッ、桜の顔が見たかったなぁ。)


私は、自分の身体を支えることができなくなり倒れた。


(桜──────────)






享年 18才


夜乃 才は、誰にも知られずにこの世を去った。

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