1日目・朝ご飯だぞ、俺
ご飯は美味しいのか否か
食堂につき席に着くと、メイドが朝食を運んでくる。
フルコースみたいに出てくるのではなく数人掛けのテーブルにいくつかの料理がおかれ、取り分けられて俺の元に来る。
(パンは好きに食べていいいみたいだな・・・)
記憶にある限りではあまり難しいマナーは無いようで落ち着いて食べ始める。
(食前のお祈りも何か記念日的な日だけみたいだし)
もぐもぐと下品にならない様に食べていく。
味はまぁ、記憶にある通りで。
(分かってたけど、味薄いなー。あとパンが堅い。)
パンについては黒パンだしな・・・と思いつつも、全体的に味が薄い。
薄い塩味で、臭みや渋みがとれてないのが良くわかる。
(せめてハーブとかねぇのか・・・。灰汁抜きもしてないのか・・・?)
そこでふと、料理得意じゃなくても簡単な改良なら俺にも出来るんじゃね?と思いついた。
後でキッチンに行ってみるかな・・・。など思いつつ食べ進める。
「もっとふわふわしたパンたべたいなぁ・・・」
「その様なパンは王宮でしか食べられないですよウィリアム様」
ぽろっと零れでた言葉だったがばぁやが答える。
てことは王宮ではちゃんとパン酵母あんの・・・?
「ばぁやは知ってるのか?」
「侍女時代に王宮の侍女から聞いたのですのよ、ウィリアム様。普通のパンの様に持つと指が埋まる程柔らかいそうですよ。」
「へぇ、それはすごいなぁ・・・。」
やっぱり王宮にはパン酵母あるのか・・・。
いやでも固いパンにだって美味しい食べ方はあるし・・・。
林檎か何か発酵させて作るんだった気がするけど、腐らせる未来しか見えない。
そうなる位だったら固いパンを美味しく食べる工夫をしたほうがいいかな・・・。
「あぁそうだ、今度時間ある時に調理場に行くね」
「何かお気に召さない物が御座いましたか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど・・・。とにかく後で行くからね!」
執事には不思議そうにされたけど、これから毎日食べるんだったら、ヤッパリ少しは美味しく食べたいよなぁ・・・。
グラタンとか、ガーリックトーストにすれば固いパンもおいしくなるかなぁ。
固いんだからパン粉とかになるかな?
なんて考えながら食べ終え、食後のお茶・・・のかわりに果実水で口をさっぱりと潤す。
レモン・・・じゃないよなぁコレ。
「コレ何がはいってるんだ?」
「ベリーですよ。ルヒルの山でと穫れるルヒルベリーはとても美味しいんですのよ」
「そうなんだ、知らなかったな・・・。」
ルヒルベリーってまんまだなぁと思ったのは心に止めておく。
にしても美味しいベリーがあるのならお菓子とかもいいよなぁ。
甘いもの嫌いじゃないし・・・。
ただ、記憶じゃ砂糖ってアホみたいにたかいんだよなぁ・・・。
メープルか蜂蜜をとれないと厳しいよな・・・。
でも砂糖になる野菜があった気がするな・・・こっちじゃあるかわかんねぇけどさがしてみるかぁ。
「ウィリアム様、おかわりは・・・。」
「あ、いや大丈夫。執務室いこうか。」
「かしこまりました。」
グラスを持ったまま少し考え込んでしまったようだ。
グラスを置いて執事に声をかける。
場所が分からないので後を着いていきながら考える。
(チートとかないし、知識も無いけど出来る事からちょっとずつやってきゃ何とかなっかなぁ?)
何も出来る事が無いと思っていたけれど、出来そうな事があると分かるとやってみたくなる・・・。
迷ったり、悩んだりするのも異世界転生の醍醐味だよなぁ。
そんな事を思いながら、少しはずんだ心持ちで執務室までを歩く。
取りあえず今は仕事だ。と切り替えながら執務室に入るウィリアムだった。
それなりでした。
ウィリアムの知識は曖昧+うろ覚え+適当なので、あっていようが間違っていようが誰も訂正する事はないのです。