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目の前におっぱい

作者: じばうるふ

「反則でしょ、あのおっぱいは」


 久しぶりの合コンの帰り道、男はおぼつかない足取りふらつきながら、電話先の相手に力説していた。


 今の電話の相手でもある大学の後輩が組んでくれたコンパだった。

 事の発端は男が後輩の女友達に興味を持ったことからセッティングしてもらったのだったが、その女友達のツレが男にとっては大当たり過ぎた。


 大人しめで露出の少ない黒系統のシックな服装と、その中に隠れされたそれらの衣服を弾け飛ばしてしまいそうなほどの爆乳のギャップで秒殺だった。


 一目見た瞬間、すでに男は落ちていた。


 それは男が脳内で常日頃から更新してきた最爆乳ランキングの一位が更新された瞬間でもあった。

 セクシー女優も裸足で逃げ出す。


「俺がガンバって組んだんスから狙ってやってくださいよー。あいつも先輩のこと意識してたんスから」


「それはワルかったってば。けどよ、あんなの狙わないわけにはいかないでしょ、男として」


 男は終始その巨乳ちゃんに狙いを定め、後輩の女友達の相手は二の次になっていた。


「あぁ、今度ちゃんとフォローしとくからさ。おう。あぁ、じゃあまたな。大学で」


 逃げるように電話を切ると、空を見上げてふうとため息を吐く。

 冷たい夜の風が優しく酔いを覚ましてくれる。


 小洒落た都会の店をでて、電車で十五分。

 そこまで田舎に住んでいるわけではないが、虫の声が出迎えてくれるこの道に、たったそれだけの移動でずいぶん田舎に戻ったような気持ちにさせられる。

 人気がないのは少し寂しく感じられるが、ついさっきまでいた都会の飲み屋街とはうってかわって、ここでは綺麗な星空が見えた。


「エリカちゃんかぁ……」


 自己主張の激しい体を思い出し、男の顔がいやらしくにやけた。


「ま、ワリと良い空気だったし次のチャンスがあるでしょ」


 仲間たちとは別れて一人の帰り道、自分を慰めるようにそう呟いた。

 お持ち帰りは失敗したが、電話番号はゲットしていた。


 むしろ、良い。

 すぐに股を開かれるより、男としても攻略のしがいがあるというものだ。


 最初に気になっていた後輩の女友達も顔は良かったし、性格も明るくて楽しい娘だったが、改めて見るとスタイルは微妙だった。

 爆乳のとなりだったせいでそう見えたのかもしれないが、男にとっては物足りないスタイルだった。

 主に乳が。


 忘れないうちに後輩の友達にアフターフォローしておくか。


 そう考えて携帯の画面を開きなおすと、別の友人から通知が来ていた。

 中学時代からの悪友で、いつも下らない事かエロい事でばかり連絡してくる男だ。


「お前が好きそうな話みつけた(笑)」という本文に続いて、ネットの記事へのリンクが載せられている。


 一人じゃ読めないヤバ怖話! おっぱいビンタ。


「ははっ!」


 リンクの先に出てきたそのタイトルに思わず声が出た。


「なんだよこれ、ぜんぜん怖がらせる気ねぇじゃねーか」


 悪友からの通知が続く。


「童貞が読むと呪われるらしいから気を付けろよ(爆笑)」


「うぜー!」


「童貞じゃねーし!」とだけ即座に返信し、吐き捨てる。


 つーか、こんなタイトルでビビるかよ。

 などとバカにしながらも、暇つぶしがてらに内容を読み進めながら歩く。


 もう家の近所の公園まで来ていた。

 ここを抜ければ家は目の前だ。


 それなりに大きな公園で、いつも混雑しているというわけではないが、天気が崩れていなければ誰かしらが走っている姿を見かけるくらいには利用者がいる。

 それが趣味なのかダイエットなのかは知らないが、こんなところで汗を流して何が楽しいのか、男には疑問だった。


 それにしても……と男が携帯の液晶から顔を上げる。

 この公園のランナー達に関してはもう一つ疑問があった。


 なんでもっと巨乳のランナーがいないんだ?


 家から最寄り駅までの間にあるため必然的に良く通る事になるこの公園だが、せっかくいつも走っている姿を見ているのに全然たのしくない。

 男女比は半々くらいに思えるが、年よりや子供ばかりだし、ちょうどいい年齢に見えても太っていたり痩せすぎたりで乳揺れが堪能できない女ばかりだ。

 同い年か、せめて高校生以上で、巨乳なランナーなんていないのだろうか。


 格好はできるだけ薄着で、もちろん揺れにくい硬いブラはNG。

 むしろ乳丸出しでもくらいだ。


 男はその姿を想像してみた。


 髪は染めていない綺麗な黒で、スポーティに背中で一つに結んでいる。

 妄想なのでこのさい服は着ていなくていい。

 肌は少しだけ日焼けしているが、普段は服に隠れている胸の周りは雪のように白いのだ。

 そのコントラストが目にまぶしい。

 そんな美しい巨乳はFカップはあるな。

 ぷるんぷるんと揺らして公園を走っている。


 そう、ちょうどそんな感じで全裸でさ……。


 その人影に気づいて男はギョッとした。


 公園の中央にある街灯の下、全裸の女が立っていた。

 まるで男の想像の中から現れたかのように、FどころかGかHカップくらいはありそうな爆乳を隠すことなく外気にさらしている。


「おいおい嘘だろう。一日で二度も俺の最爆乳ランキングが更新されちまったじゃねぇか」


 長い黒髪に隠れて女の表情までは見えなかったが、遠目にも整っているのがわかる造形だった。

 舐めるような男の視線に気づいているのか、女は男の方を向いている。


 男はおっぱいに誘われるように近づくが、やはり女はその裸体を隠そうともしなかった。


「オネーさん、そんな格好でなにやってんの?」


 公共の場で裸体をさらす女。

 冷静に考えるなら変質者の類だと距離を取るべき相手だが、この時はほどよく回った酒の力が男の背中を押した。


「もしかして欲求不満かなにかですかー? 誘ってんの?」


 にやつきながら声をかけると、女は口元に小さな笑みをたたえたまま、ゆっくりと男に近づいてきた。

 女が自らの手で乳を掴むと、深い谷間を見せつけるように寄せて上げる。


 ぷるんぷるん。


 それがけの動作で、男の理性が弾けて飛んだ。


「俺が気持ちよくしてあげようか?」


 言うが早いか、その豊満な胸を鷲掴みにしようと手を伸ばす。


 ふわり、と爆乳が揺れた。

 乳が動いたのではなく、女が男の手を避けたのだ。


「いいじゃん、逃げなくても」


 男が懲りずに手を伸ばそうとするより先に、ビタンと柔らかな感触が男の頬を撫でた。


「……あれ?」


 気が付けば、男は膝立ちの姿勢になっていた。

 ちょうど、目線の高さに女の胸がある。


 酒のせいだろうか。

 いつの間にか酔いが足に来ていたのかもしれない。


 わずかに思考して、立ち上がろうとする男の頬に、再び乳が触れる。


 ビンタである。


「え、なにこれそういうプレイ? ウケるんだけど」


 巨乳に頬を弄ばれる。


 ビタン、ビタン、ビタン。


 最初こそ、その優しい感触とおっぱいにビンタされるという奇妙な状況を楽しんでいた男だったが、すぐに飽いた。

 それよりももっと下半身からくる欲望が男を満たしていく。


「ねぇ、こんな遊びよりもっと楽し……」


 言葉を言い終わるよりも先に、また女の乳がビンタをして来た。


「ちょ、聞けっぶふ」


 ビンタは止まらない。


 頭に来た男がその乳を掴んで止めようとしたが、最初に手を伸ばした時のように、ヒラリと舞う羽毛のような軽やかさで避けられた。

 そしてまた頬がぶたれる。

 女の巨乳によって。


「おい、テメェいい加減に!」


 乳がつかめないならと女の体を掴もうとするが、やはり避けられる。

 何度やっても同じだった。

 まるで乳ではなく霧か霞を掴もうとするように、するりと抜けて女は逃げていく。


 そして、乳でビンタされるのだ。


 しかも、その力はすこしづつ強くなっていた。

 最初は撫でるような力だったが、今は普通の平手打ちと変わらないくらいに頬を打つ。

 現に、男の頬は真っ赤に腫れていた。


「ちょ、やめ……まって! まっ……」


 男の言葉など女はまるで聞いていなかった。

 得体のしれない恐怖が男の全身の肌を這うように撫でた。


 くそ! 何だよコイツ、いかれてやがる!


 罵倒の言葉を飲み込んで、いよいよ男は女から逃げ出した。

 だが、女は追ってきた。


「来るんじゃねぇ! この変質者!」


 散々、女の乳を勝手に弄ぼうとしておきながらひどい言いぐさだった。


 それでもお構いなしに乳のビンタが後頭部を打ってきた。

 鈍器で殴られたかのような痛みが走る。

 涙が出た。


 とにかく男は逃げた。

 幸いにも家は近い。

 公園をでて、実家に逃げ込もうとした。


 酔いなどすっかり醒めていた。

 楽しかった合コンの余韻もなにもかも吹き飛んだ。


 実家の目の前に辿りついて、男はすぐに違和感に気づいた。


 家の明かりがついていない。


 実家暮らしの男の家には、いつもは日曜の夜なら誰かしらがいるはずなのだが、今日は明かりがついていなかった。


 なんでだよ、こんな日に限って!


 男は内心で愚痴りながら、慌てて尻ポケットからキーケースを引っ張り出す。


「……は?」


 ポケットは空だった。

 そこにあるはずのキーケースはどこにも見当たらない。

 落とさないようにベルトループとチェーンで結んでいたハズなのに、そのチェーンごと消え失せている。


 どこかで落としたのだろうか。

 いくら酔っていたとはいえ、キーケースを外したそんな記憶はない。


「なんでだよ、ありえないだろ」


 来た道を確認しようと振り向いたところで、透き通るような肌色が視界を覆った。


「あがっ!」


 強烈な衝撃に、前歯が欠けて唇を切った。

 思わず地面に倒れ込む。


 やはりビンタは威力が増している。

 やわらかい乳の感触などではなく、硬いコンクリートのブロックでもぶつけられたのかと錯覚するほどだった。


 爆乳はすでに凶器と化していた。


「だ、誰か助けてくれー!」


 男は悲鳴を上げながら、転がるように逃げ出した。


 家から離れて道路に出た。

 周囲を見渡すが、人影は一つもない。

 走り出すこともなくゆっくりと追ってくる、その全裸の女をのぞいて。


 いくら夜でも不自然だった。

 辺りの民家のどこにも明かりがついていない。

 町全体が深い眠りに落ちてしまったかのようだ。

 追ってくる全裸の女だけでなく、見慣れているはずの周囲の景色そのものが、異質で薄気味悪いものに思えてくる。

 数の少ない街灯だけはいつも通りに光を灯していて、男にとってはそれが救いだった。


 とにかく誰かに連絡を取りたかった。

 男は携帯を開いてさっきまで通話していた後輩に電話する。

 リズミカルなダイヤル音に続いて、プルルとコール音がした。


 出ろよ、早く出てくれ!


 数回のコールのあと、無機質な女オペレーターの声が返ってくる。


「ただいま電話に出ることが出来ません。ピーっという……」


 留守番電話サービスだった。

 アナウンスを最後まで聞くことなく、次の相手にかける。


 父親も、母親も妹もでない。

 だれもかれも留守電につながるだけだった。


「おかしいだろ!!」


 思わず立ち止まって叫んでいた。

 止まってはいけないとわかっていたはずなのに。


 ゾクリと冷たい指先で背中をなぞられるような気配がした。

 背後に来る気配の正体はわかっている。


 ぷるんぷるんと脳内で爆乳が揺れる。

 すぐに乳のビンタに襲われた。


 衝撃で持っていた携帯電話が地面に落ちた。

 電話はまるで滑らかな氷の上をすべるように、異様に回転しながらアスファルトを滑って闇に消えた。


「誰だよこんなアスファルトぴっかぴかにしやがっ……!!」


 錯乱気味の怒声は最後まで続かなかった。

 乳によるビンタである。


 男はもう完全に泣きながら走って逃げ、そのうちに近所のコンビニについた。

 ガラス張りの壁から明かりがこぼれている。


 店員でも客でも誰でもいい。

 とにかく助けを求めようとして、すがるように駆け込もうとした男は、透明なドアに思いっきりぶつかった。

 もちろんドアに気づかなかったなどというバカな話ではない。

 開くと思っていた自動ドアが開かなかったのだ。


「嘘だろ、なんなんだよ、ふざけんなよ!」


 無理やり開けようとするが上手くいかない。

 店員はレジでぼーっと突っ立っていた。

 ドアを何度も叩いたが、反応はなかった。


「まじめに仕事しろよメガネー!!」 


 何が何だか混乱し、良くわからない怒りの言葉を眼鏡をかけたアホ面の店員にぶつけるが、何の解決にもならなかった。

 背後から鈍器のような衝撃が男を襲い、再びドアに顔を打ち付けた。

 鼻が潰れ、壊れた蛇口のように血がこぼれ出る。

 男が鼻を抑えてうずくまるも、乳によるビンタは容赦なく続いた。


 このままじゃ殺される。


「うおぉぉぉぉ!!」


 男は雄たけびを上げ、立ち上がった。

 試合で押され気味のボクサーのように腕で顔をガードしたまま、正面も見ずに走り出す。


 どこへ向かうのか、男もわかっていなかった。


「あぁぁぁぁぁ!!」


 泣き叫び続けてどれだけ走っただろうか。

 何かに引っかかったのか、それとも単に足がもつれたのか。

 男はついに地面に倒れ込んだ。


 止まってはダメだ。

 脳内で揺れる爆乳が消えてくれない。


 あの女が来る!


 そう直感した男は体を丸めて衝撃に備えた。


「…………!」


 だが、構えていたはずの衝撃はいつまで経ってもこなかった。


「…………?」


 ゆっくりと腕を開き、恐る恐る顔を上げた。

 男はいつの間にか見慣れない景色の中にいた。


 その時、男の脳裏に走った最初の疑問は「ココはどこだ?」ではなかった。

 最初の疑問は「ヤツはどこだ?」である。


 地面に走っている鉄の塊には見覚えがあった。

 錆びた臭いがする。

 これはレールだ。

 少し遅れてここは線路の上だと理解する。


 足元にガタガタという小刻みな振動が伝った。 


 プァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッン!


 静寂を引き裂く汽笛の音と共に強烈な光が男を襲った。

 なんだ、と思うまでもなく、それは列車だ。


 よかった。

 と男は安堵した。


 俺はヤツから逃げきれたらしい。

 死を直前に、男はざまぁみろと達成感を感じていた。


「……え?」


 迫ってくる光の中に、巨大な柔肌の球体を見た。

 その先端で瑞々しい桃色の突起がツンと立つ。


「う、嘘だ……いやだ……!」


 男の目の前には、おっぱい。


「うわああああああああああああああああああああああああああああああ」


 絶叫と共に男の意識は途切れて終わった。











「……え?」


 目を覚ました男の目の前には知らない天井があった。


 起き上がると、ズンと鈍く頭が痛んだ。


「……ここは、どこだ?」


 真っ白な部屋だった。

 見上げた天井も、壁も、服も、男の寝ていたベッドも、その周りを区切るようなカーテンも、すべてが白に統一されている。


 病室だ。

 鼻をついた薬っぽい独特の臭いでその答え辿りついた。


 でも、なんでだろう。

 いつから俺はここにいるんだ?


 もやがかかったように思い出せない記憶に男が首を捻っていると、ガラガラとドアがスライドする音が聞こえてきた。

 コッ、コッ、とヒールのような硬い足音が近づいてくる。


 カーテンが開かれた。

 そこには、ナースが立っていた。


 その表情は長い黒髪で見えないが、その顔の造形は整っている。

 何より男の目を引いたのは今にもはち切れそうな胸元だった。


「……あっ」


 胸元は本当にはち切れた。

 豊満なおっぱいがあらわになる。

 FどころかGかHカップくらいはありそうな爆乳が、惜しげもなく外気にさらされる。

 女は気にする様子もなく口元に微笑をたたえていた。


 まるで脳内で映像が早送りで進められるように、男は思い出した。


 ビタン。

 乳が男の頬を打つ。


 男の首が真後ろくらいにまで弾かれた。

 激痛の中、男は悪友からの連絡を思い出していた。


「一人じゃ読めないヤバ怖話!」


 そうだ、これはヤバいヤツなんだ。

 脳が警告を出す。


「童貞が読むと呪われる」


 なんでこうなった。

 振り返るな。

 あのコンパでもう一押しできれいれば。

 エリカをお持ち返りできていれば俺は童貞なんて卒業していたハズなのに。


 これは夢だ。

 夢なんだ。


 はやく覚めろ。

 目覚めてくれ。


 そう思っているハズなのに、体は勝手に振り返ろうとする。


 あれは読んじゃいけなかったんだ。

 読んだら爆乳がやってくるなんて、うれしい話だなんて思っちゃいけなかったんだ。


 振り返ってはいけない。

 わかっているのだ。


 なぜか急に、女の顔が浮かんだ。

 全裸女なんかではなく、エリカでもなく、あの後輩の女友達だ。

 

 名前はなんて言っただろうか。


 やっぱり、あの後輩の女友達、かわいかったな。


 なんで巨乳に目がくらんだんだろう。


 嫌だ。

 振り向きたくない。


 ぷるんぷるんと脳内で揺れる。


 わかっている。

 わかっているのだ。


 振り向けば、またそこにあるのだ。


 目の前に、おっぱい。





















……そういうわけで俺はこの日記を書いたんだ。


ここまで読んでくれたならわかるだろ?


じゃあ、後は任せたぜ。


よろしく頼む。

※このお話はフィクションです。


ご感想、ご指摘などお気軽にどうぞ。

すごく楽しみにお待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] おっぱいビンタされたい。 ホラーだけど笑いました(笑)
[良い点] おっぱい怖い………おっぱい怖い!! [気になる点] 悪い点、と言うよりは改善提案ですが………後輩との電話での「」を、後輩の分だけ『』にした方が分かり易いかもしれませんね。 [一言] おっ…
[良い点] 至福の物体であるオッパイに追い詰められる感じが凄くいい! [一言] オッパイが増殖して追い詰められる……なんてもの良かったかも。
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