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四葉のクローバー  作者: KIKU
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21/28

新たな事実。


それから数日後、母と私は再び警察署の扉をくぐった。

あの日とは、どこか空気が違っていた。


報告書の記入を終え、担当の人は言った。

「今後、彼から連絡が来ても動じないように」


私は一度席を立ちかけた。

だが、胸の奥に残っているものがひとつだけあった。

それを告げずにいる限り、私は本当の意味で前に進めないように思えた。


数日後、私は迷いながらもう一度、相談機関へ電話した。


深く息を吸って、言葉を紡いだ。

「……裸の写真を撮られました。

 消したと言われたけれど、本当に消えているか確認してほしいです。」


その告白のあと、室内に重い沈黙が落ちた。

時計の秒針だけが、やけに大きく耳を打つ。


「それから、トイレのときに撮られそうになって……

 気づいてカメラを返したら、『見せろ』と言われて、結局トイレの中までついてこられて……」


唇が震えて、それ以上の言葉は出なかった。


「……尿を、コップに取らされたこともあります。」

その一語を放った瞬間、胸の奥で何かが崩れ落ちるのを感じた。


その夜、仕事で遅くなった母から電話があった。

受話器の向こうで、怒りと悲しみが混ざった声が震えていた。


「……意味がわからん。どんだけひどいことされとると……」


数秒の沈黙のあと、母は震える声で訊ねた。


「……生理は、ちゃんと来とると?」


怒りでも責めでもない、ただただ恐怖が滲む声だった。


私は何も答えられなかった。

泣くことも、言い訳することも、できなかった。


電話が切れたあと、胸の奥でまた一つ、静かに崩れる音がした。


翌朝、母と私はふたたび警察署へ向かった。

自動ドアが開く冷たい音が、いつもより大きく感じられた。


母は無言で歩き、横顔には迷いがなかった。

今度こそ、この闇のすべてを終わらせる――

そんな確かな決意が、その背中から伝わってきた。

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