赤い星を落とせ
僕は物心ついた時から孤児院にいる。
ちょっとの子供と大人がいる少し変な空間。だけど温かくてとても好きだ。
今日は友達とおもちゃで遊んだ。僕のお気に入りのブリキのおもちゃ。強くてかっこよくて最強なんだ。楽しい毎日が僕は大好きだ。
ある日お世話をしている大人が少し痩せているように見えた。僕たちの世話で大変なのかな。無理しないで欲しいな。
ある日からご飯の量が少なくなった。大人はごめんねと言っているけど大人のご飯はもっと少なかった。僕は心がキュッってなった。
立派になってみんなにたくさん美味しいご飯を食べさせてあげようと決めた。
ある日僕のおもちゃが無くなっていた。大人に聞いても知らないと言った。
そこを皮切りに知らない大人が孤児院に来るようになった。立派な服を着ていて痩せずに健康な顔が印象に残っている。
ご飯が庭で育てている野菜や少しのパンになった。台所を覗くと調理器具がひとつもなかった。
俺はみんなに美味しいご飯を食べさせてあげようと再び決意した。
8年後
憎たらしいほどに赤く目立っている星、我が国の旗だ。俺は大人になって軍に入った。子供の頃に聞いていた軍靴を今は自分が鳴らしている。
俺はこの国で反乱を起こす。
ただ独りじゃ出来ない。
軍の厳しい生活の中じゃ反乱など夢のまた夢だ。
幼少期、俺やみんなを苦しめたこの国を俺は許さない。
そんな絶望の中、俺を嘲笑うかのように南の空の頂点に赤い星が輝いていた。
三ヶ月後
俺は軍の中でこの国に不満を持つものを集め、反乱軍を結成した。
また、この国と争っている南の国と接触を図るつもりだ。
検閲を越えた手紙が隣国へ渡っているだろう。
今夜隣国の兵と共に反乱を決行する。
南の国に集まった反乱軍は積憤を今にも晴らさんとしている。
空の赤い星は沈みかかっていた。
さあ、赤い星を落とせ




