第6話 エンカウント!
『”←ダブルクォーテーションは主人公です』
不味い、この状況は非常に不味い!なんでこんな所に居るんだよ。なあ、ドラゴンさんよ………。
「グゥォォォォォォオオオオ!!!」
◇◆◇◆◇◆
遡ること数時間前……
昨日食べ損ねた神速持ちの魔石を取り出し、俺は考えた。これ今食べた所で使いこなせないな、と。
今食べるより制御系統のスキルでも手に入れてからの方が良いのでは?最終的にそう思い俺は一旦魔石をしまった。
やっぱり強すぎる力は持つに相応しい強さになってからだよな。力に振り回されたら元も子もないしね。
それにしてもなんか暑くない?なんで?森が暑いとか、一大事では?火事でも起きてる?
気になったので俺は更に熱を感じる方に走り出した。道中どうゆう訳か炭?のような粉が沢山あった。
誰かに燃やされた?火魔法か?この辺りに火魔法を持ったゴブリンなんて居ないはずだけど……。この森で今何が起きてるんだ?
う、この辺りから更に温度が上がってる……。炭のようなのもこの辺りからおかしい位の量あるな。なにか争い事に巻き込まれた魔獣が魔石事燃やさせるみたいに見える。
魔石自体は意外と脆い。だけど魔石と言うくらいなので魔力が主成分だ。どういう事かと言うと、魔力が低い魔獣の魔石もある程度の魔力攻撃に対して障壁のような物があって、生半可な攻撃では傷を付けることすら叶わないのだ。
そして、ここにはかなり強力な魔獣の魔石の匂いが漂っている。そうそう、最近魔石を食べてるからだと思うけど魔石特有の独特な匂いを嗅ぎ分ける事が出来るようになった。例を上げるとすると、ゴブリンがGランクの魔石で、ゴブリン・キングがDランクの魔石みたいな感じかな。
この辺りだと最高でCランクかな?Cランク位だと魔力攻撃で魔力を1500位消費しないと壊せないかな?あれ、もしかして向かったら不味い?でも気になるッ!好奇心が抑えられない!
ええいっ!ままよ、いざとなれば神速の魔石を食べれば良いんだし、行くだけ行ってみるか。
この時自分の好奇心をなんで抑えきれなかったのか自分を殴りたい。そう、向かった先にはアイツがいたのだから。
うへぇ、この辺り流石に暑過ぎない?熱を発生させる物質やら物体でも存在してる?って位とても暑い。
それもそうだろう何故ならそいつ自体が発熱しているのだから、だが今の主人公にそれを知る由もなかった。
あれ?あそこ燃えてない?これ本格的に不味いのでは?やっぱり戻る?いやここまで来たんだ一目確認する位なら危険なんて無いさ。
すると――
「グゥォォォォォォォォォォォオオオオオオ!!!」
! 俺の毛が逆立つのを感じる。この先には名状し難い存在が居ると。だがこの時の俺は興奮していた。この先に圧倒的な差を感じさせる何かが居るのだ、行くしか無いだろ……。
ゴォォォォォォオオオオ!
突然、森の先が目を開けるのもキツい量の熱と光を発した。一体何だったんだ?もうちょっとだけ近付いてみるか……。
そこにいたのは、転生初日にこの世界が異世界であると姿を見るだけで俺に示した『ドラゴン』が居た。
ガサガサ
「グゥォオ?」
や、やべ!音たてちゃった!さっきのだってきっと魔獣をブレスかなんかで溶かしたに決まってる!
中々出てこない俺にキレたのか分からないが、ドラゴンが翼を広げると俺が居る位置にピンポイントで強風を送ってきた。
マジかよ!翼を動かすだけで強風起こせるとかおかしいでしょ!?しかも不味いな、姿見られた。
そして、時間は冒頭に戻る。
「グゥォォォォォォオオオオ!!!」
不味い不味い不味い!どうする!どうする!あ、そうだ!神速の魔石!
俺は切り札を取り出すかの様に魔石を取り出した。そしてそれをドラゴンの目の前で素早く喰らった。
ガリッ ゴクン
うげっ、不味い。人工?魔石は美味しくないのね。って今はそんな事いいんだよ!早く魔石吸収しないと!
”吸収完了”
よし!神速使ってこの場を今すぐ去るので見逃してくださいドラゴンさん!
すると、何処からか声が直接脳内に届いた気がした。
『お主、魔石喰らいか?』
え?どこ?一体どこから?俺は突然の出来事に錯乱していた。すると、声の主は少しイラついたのだろう。
『ここだ、お主の目の前に居るだろう』
も、もしかしてドラゴンさんですか?俺はドラゴンの方に顔を向ける。そこには威風堂々とした赤褐色のドラゴンがいた。さっきまで混乱してたから見てなかったけどドラゴンさんってそんな色だったんですね。
あ、ドラゴンさんの質問に答えなければ。ど、どうしよう。頷けば解釈してくれるかな?俺はドラゴンさんが理解してくれると信じ首を縦に動かす。
コクコク
『ふむ、言葉を理解出来るとなると知恵はしっかりある様だな』
よ、良かったー。理解してくれたぁ。死ぬかと思った。冗談抜きに漏らすかと思いましたよ。いやほんと。
『それにしても、お主生まれて間もないな?となると、あやつは逝ったか……』
なんか、ドラゴンさん少し寂しそう。声に少し覇気がないように感じる。
『おっと、すまんすまん。少し昔の戦友の事を思い出していた。改めて問おう。お主何しにここに来た?』
えっと、説明したいけど喋れないんですけど……?
『? もしかしてお主、念話スキルを所持しておらんのか?』
コクコク
『な、なんと。そんな個体も居るのだな……。困ったな。どうしたものか。む、そうだ。お主ここで少し待っておれ。』
バサッ! バサッ!
うわぁ、飛んでるぅー。風の余波がとんでもないです!ドラゴンさん飛ばされそうです!俺は爪を地面に食い込ませ飛ばされないように体を固定した。それにしてもどこに行ったんだろう?
数分後
バサッ! バサッ!
お、ドラゴンさん帰ってきた。うっ、風がッ!強いです!そういえば何しに行ったんだろう?
『戻ったぞ。ちなみにだがお主らが魔石を喰らうことでスキルを得るのは知っておるからな、念話を持つ魔獣の魔石を取ってきたぞ』
え?本当ですか?ありがとうございます!まさかドラゴンさんが俺の為に魔石を取りに行ってくれるとは……。それじゃあいただきます!
ガリッ ゴクン
うーむ、ドレッシングが掛かったサラダかな?美味でした。
”吸収完了”
『うむ。スキルは獲得したか?』
えっと………。はい!ちゃんとスキル欄に表示されてます!あれ?これ念話以外スキルないんだね。あ、あれ?魔石吸収値が500位増えてるんですけど?
名称:不明
種族:魔獣-魔石喰らい(幼体)
性別:メス
年齢:不明
Lv:6 体力:134 魔力:1497 力:127 防御:161 敏捷:183
〈魔石吸収値:849/900〉
固有スキル:魔石吸収9、魔石最適化9、魔獣感知5、魔石貯蓄6、魔石強化8、魔石魔法6〈New〉魔石鑑定6
聖獣スキル:〈New〉神速
複合スキル:司令官
進化スキル:剣魔術1、剣魔技1、猛毒耐性1、覇気1
スキル:体力自動回復【小】、魔力自動回復【小】、魔力球8、鑑定7、魔力操作、体術2、毒噴射1、自己再生、魔力吸収5、投擲2、槍術2、気配感知8、糸吐き5(粘糸、硬糸)、毒牙3、麻痺牙3、採掘1、採取1、浮遊、認識阻害3、鑑定阻害5、斧術5、飢餓耐性1、短剣術2、隠密1、杖術1、火魔法1、棒術1、酸噴射2、軟化2、粘液1、麻痺耐性MAX、弓術1、矢制作1、威嚇1、挑発3、盾術2、小斧術1、大剣術1、咆哮2、風魔法3、風読み2〈New〉念話
あれ?新しく追加された魔石鑑定が最初からレベル6何だけど?なんで?
魔石鑑定:魔石喰らいが生まれた時から自然に身に付けている特性。魔石の匂いを嗅ぎ分け魔石の生成者、ランク等を判断する事が出来る。
あー、今日試したのってそれだったんだ。元から持ってる物がスキルとして具現化したような物か。
あ、あれ?神速の横に聖獣スキルって書いてあるんですが?もしかしてホントにヤバいスキルだったの?あ、今そんな事考えてる暇無かった!ドラゴンさんに教えないと!
俺はすぐに首を縦に動かした。
『よし、では使い方を教える。一度しかいわんからよく話を聞くんだぞ』
コクコク
『それでは、まず魔力を使うのだが、その時自分の魔力を使った方が変換効率が上がるのだが……どうやらお主は魔力操作を持ってるようだし大丈夫だな。こほん。改めてまず最初に魔力を喉の辺りに貯めろ、そしてその魔力に思念を込めろ、最後に思念の篭った魔力を声を出す様に飛ばすだけだ。どうだ?簡単だろ。念の為もう一度言うぞ?魔力を……………』
えっと、魔力を喉の辺りに貯めて、思念を込めると……。そして、飛ばす。こうかな?
『”こうですか?』
『! おお、思いのほかすぐに出来るとは優秀だな。天才と言われる者でも習得に1ヶ月は掛かるというのに……しかし、お主はメスか。あやつとは似てないな。はっはっは!』
え?なに突然どうしたの?それにしても念話で自分の性別が変わってる事を再度実感したく無かったよ……シクシク。それにしてもあやつって誰なんだろうな?似てないってどうゆう事なの?
『”似てないって誰にですか?』
『む、聞いておったか。うむ、教える事は可能だ。しかしまずは此方の質問に答えてからだな』
あ、忘れてた。えっと、何だっけ?………あ、ここに何しに来ただったっけ?
『”えっと、急に暑くなってきたので気になって……』
『なるほどな。それはワシが面倒くさがってブレスを吐きまくったからだな!』
『”それで、急に多分ブレスだと思いますけどそれが見えてチラ見だけしようと思ったら音がなって、ご存知の通り風で隠れてた所を飛ばされ、見つかった次第です』
『そうか、それは悪い事をしたな。すまん』
『”えっと、これで質問に答えた事になりますよね?』
『そうだな、ワシはそれが知れれば他は別にどうでも良いからな。で、あやつが誰か?だったかの』
『”はい。そうです。そのあやつと似てないとは、一体どうゆう事なんですか?』
『どこから話そうかの……。ああ、あれからで良いかの。それじゃあまずあやつとは誰なのかだが、お主の親じゃな』
『”え?親?お、わ、私には親が居たんですか?』
危ない、危ない。俺なんて使ったらなんて言われるか分かんないし言い直して良かった。これから心の声も私に変えてかないといつかボロ出しそうだな……。一人称が……俺が男だった証拠として残していたがとうとう変える必要が出て来たか。改めて性別が変わった事を実感するよ。
『うむ、お主の親、名をディクト。魔石喰らいの最上種、世界を喰らう獣だ』
『”世界を喰らう獣?凄い名前ですね……』
『まあ、名前はな。あいつは神に従順だったからな、流石に必要な時以外はやっとらんよ。そもそも、魔石喰らいの存在意義は魔獣の大量発生を抑える為に魔石を喰らう事なのだから』
ま、まて今必要な時以外って言ったよね?とゆう事は世界を喰らった事があるって事!?しかも、しれっと重要な事喋ってるし!
『”えっと、魔石を喰らうとなんで大量発生が抑えられるんですか?』
『それは、魔石を喰らう事で魔石に内包されとる魔力を消滅させておるからだ。魔獣は魔力が存在せん場所には湧かん。まあ、間接的ではあるが神の模造品の「人間」を守ることにも繋がるし神には特に大事にされてる聖獣じゃな』
『”聖獣とは?』
『ふむ、良かろう。詳しい事は神に口止めされとるが聖獣については語っても良いだろうし教えようじゃないか。だか、しかし今日はもう遅い、また明日来たら教えようぞ』
『”あ、ほんとだ。もうこんなに暗くなってる……えっと、そういえばドラゴンさんの名前はなんですか?』
『おっと、忘れとったな。わしはヨグムト、世界を守護する竜、竜種の最上種じゃ』
『”えっと、それじゃヨグムトおじいちゃんまたね』
『う、うむ、明日は待っておるぞ』
今日の話だけでも色々凄い話だったのに明日は一体どんな話が聞けるのだろうか?楽しみ。それとおじいちゃんって言ったけど怒られなくて良かった……。それとなんか声だけだったけど少し喜んでたような?いや、気の所為かな。うん、きっとそうだ。
『本当にあやつの娘かの?わしが欲しいぐらいなんじゃが?特に最後の「おじいちゃん」は滅殺級の威力があったぞ。これからの成長が良い意味で恐ろしいのぉ』
評価、感想よろしくお願いします。
誤字報告、表現のミス等もありましたら教えていただけると嬉しいです。




