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異世界に転生したので魔石喰らいます!  作者: 猫屋敷ネム
一章
10/12

第9話 実は強かった様です

 

 とうとう、この森から出ていく時が来た。名残惜しくは無いが多少想い入れがある場所ではあった。特にヨグムトとの出会いが無ければずっとこの森に居たかも知れないしね。


 後はこの森で取り忘れたスキルがまだまだいっぱいある筈なんだけど、そんな些細な事より今は外の世界がどうなっているのかが気になった。


 それと、従者1号が五月蝿い。だけど神様の依頼だからね、仕方なく!仕方なくよ!こいついつか先輩聖獣から奪って私無しじゃ生きられないようにしてやる………。


 だって今もほら。


「マディアナ様!外が見えてまいりましたぞ!」


 あれ?もう外なの?案外近かったのね。この駄馬、基シグレとの戦闘って言って良いのか分かんないほど一瞬で終わった戦いから5日程しか経過していない。


 あ、そうだ。聞きたい事があるんだけどこいついちいち五月蝿いのよね。まあ、もう慣れてきたけど。


『”ねぇ、駄馬。質問なんだけど、森を出たらどこに向かうの?』

「だ、駄馬………。その、吾輩にはシグレと言う名前があるのですが……」

『”良いから質問に答える!』

「はっ、はぃ。ま、まずは見聞を広める為に世界各地を周ります」

『”ふーん、それから?』

「その道中で人化のスキルを持つ魔獣を倒し、人間に変身して頂き冒険者の最高ランクに到達して頂く次第です」

『”えー、面倒くさそうなんだけどぉ?それも依頼内容に含まれてるの?』

「はい、含まれてますね」

『”そう、ところでその人化を持ってる魔獣なんてどこにいるの?』

「さあ?吾輩も加護で変身しているので分かりかねます……」

『”ちっ!役に立たない馬ね』

「そんなこと言わないでくださいよ……」


 そんなたわいもない話をしていると森の出口が近いのか木がまばらになってきた。光量も増え、少し眩しくも見えた。


「そろそろ、出口ですね。マディアナ様?大丈夫ですか?」

『”大丈夫よ』

「そうですか。眩しそうに目を細めていたので、目を痛めたのかと思ったのですが」

『”五月蝿い。大丈夫って言ってるでしょ……』


 こいつ、しっかり見てるのね。少し見直したわ。だけど執拗い。



 外にはどんな世界が広がってるのかな?美味しい魔石はあるかな?楽しみ。




 ◇◆◇◆◇◆




 外に出た私が最初に見た光景はそよ風が漂う平原だった。しかもかなり真っ平らだったので驚いた。私が驚いていると駄馬が語りかけてきた。


「この平原は吾輩の主が力を試した際にこのような真っ平らになったと聞いております」


 うわ、凄いな。流石七獣の一角だな。ヨグムトおじいちゃんもやばかったけどこれは別の意味で凄い。流石名前に均すって入ってるだけあるわ。


 何やら地面のしたから魔獣の気配を感じた。一体どんなのが出るのかな?


 ゴゴゴゴゴゴ!!!


 すると、地面が盛り上がった。出て来たのは全長10m級の土竜(モグラ)だった。1発で沈めようと思い前に出ようとするが駄馬に止められた。なんでこいつ邪魔するの?とか思ったけど私は自制出来る男………いや女なのだ。


「ここは吾輩にお任せを。貴方様には一瞬で負けましたがそこらの有象無象に負けるほど吾輩も弱くない所をご覧頂きたい!」


 ちなみに土竜のステータスはこんな感じ。


 名称:潜竜(ドリュウ)

 種族:魔獣-平原土竜

 性別:オス

 Lv:24 体力:374 魔力:168 力:176 防御:319 敏捷:276

 固有スキル:潜伏

 スキル:土魔法6、爪闘術3、赤外線感知6、気配感知5、気配遮断8、反響定位5


 ふーん、スキル中々に良いじゃん。こいつは潜られたら探すのが大変そうだな。まあ、見学させてもらいますよ。


「これはほんの小手調べです!」

『ロック・バレット!』


 土魔法の土を飛ばす魔法ね。確かに小手調べには丁度良いかもね。


 バシュ!


「チュチュ!」


 ズズズズズズ……


 ありゃ、溶けるように地面の中に潜って行ったけど固有スキルの潜伏かな?さて、ここから駄馬はどうするのかな?


「地面の中が安全とは限りませんよ!」

『地中揺らし!』


 グラグラ グラグラグラ


 ほう、大地魔法だね。まさか上位魔法は名前の通り大地その物に干渉する魔法だとは思わなかったよ。


「チュチュー!」


 お、出て来たね。それからどうするのかな。馬だし蹴り技とか?


「ふふふ、マディアナ様見てて下さいね!私がこやつを瞬殺する所を!」

『”あ、うん。頑張れぇ〜』


 良いから、別にいちいち私に報告しなくて。でも何するのかな?


『振動脚!』


 ドクン!


 おー、さっきやった地中揺らしを魔獣本人にやったみたいな技だね。体の中を振動波が伝ってるのが目視でも確認出来るんだけど……。


 一体どれだけの威力なのよ。そして、宣言通り確かに瞬殺だったね。なかなかやるじゃん。それにしても声が出せない程とは恐れ入ったけどね。


「マディアナ様!見て下さいましたか?」

『”うん、しっかり見たよ。少し見直したわ。だから駄馬から馬にしてあげる』

「えぇー!そんなぁ………」


 ちょっとやり過ぎたかな?なんと言うかこう罪悪感が……。それよりこいつの魔石貰っても良いのかな?


『”馬、こいつの魔石貰っても良い?』

「ほんとに馬になってる。あ、どうぞどうぞ。こいつもマディアナ様の力に成れて喜ぶと思います!」

『”そっ。それじゃ貰うね』


 忘れずに強化もしてと………。よし、完了。それじゃ、いただきます。


 ガリッ ガリッ ガリッ ゴクン


 こいつの魔石デカくて食べにくかったんだけど……。味の方は、チョコ?まさかのデザート枠が土竜とか意外なんだけど。


 ”吸収完了”


 さてさて、どうなったかな?


 名称:マディアナ

 種族:魔獣-魔石喰らい(幼体)

 性別:メス

 年齢:数週間

 Lv:8 体力:234 魔力:2379 力:247 防御:257 敏捷:294

 〈魔石吸収値:2276/2300〉

 固有スキル:魔石吸収MAX、魔石最適化MAX、魔獣感知MAX、魔石貯蓄MAX、魔石強化MAX、魔石魔法MAX、魔石鑑定MAX、固有スキル強化【小】

 聖獣スキル:神速

 複合スキル:司令官、状態異常耐性、魔力支配、近接戦闘術、形態変化

 スキル:体力自動回復【小】、魔力自動回復【小】、鑑定9、毒噴射1、自己再生、投擲2、気配感知MAX、糸吐き7(粘糸、硬糸)、毒牙3、麻痺牙3、採掘1、採取1、浮遊、認識阻害5、鑑定阻害7、隠密1、火魔法1、酸噴射2、粘液1、弓術1、矢制作1、風魔法3、風読み2、念話、水魔法1、夜目、反響定位MAX、熱源感知2、危険感知3、土魔法MAX、魔力感知6、気配遮断MAX、剛力1、念力5〈New〉赤外線感知MAX


 ふむ、新しいのはひとつだけと……。お、もう少しでレベルアップするね。まあ、ステータスはこんな物かな。それじゃ進もうか。


『”行くわよ、馬』

「そろそろ、シグレって呼んでくれても……」

『”いつか、呼んであげるわよ』

「そ、そうですか。なら安心です」


 いや、絶対呼ぶとは言ってないのになんでこんなにこいつは私を信用してるの!?ぐぬぬ、呼ぶつもりなんて無かったのに、これで呼ばなかったらこっちが悪いみたいになるじゃない。


「あ、マディアナ様!脚疲れてませんか?吾輩が抱っこしますぞ!」

『”あ?お前に抱っこされる程疲れてねぇけど?』

「………すいません」

『”だけど。まあ、楽させてくれるならさせても良いけど?』

「素直じゃありませんね。よいしょっと、はい、マディアナ様抱っこしますよ?良いですね」


 シグレは屈むと返事を待たずに抱っこし始めた……。さっきの態度だと何かあるかも……と、気づいたシグレは既にマディアナを抱っこしていたのだがいつまで経っても攻撃が来ないのでチラリと様子を見てみると、そこにはスヤスヤ眠る猫の姿があった。


「ふふふ、お疲れだったのですね。次起きた時には近くの村に着いてるかも知れませんね。それにしても可愛いですな。これがあの方みたいになると言われても信じられませんね。依頼なので嫌々受けましたがこれはこれでいい物です。おやすみなさい、我が主」

評価、感想よろしくお願いします。


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