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時代劇百選  作者: 杉勝啓
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下北の弥太郎

おいらかを物心ついた時は角兵衛獅子のもとで子方をしていた。つらい生活だったが一緒に子方をしていた

お千代坊といるときだけが幸せだった。お千代坊もおいらのことを弥太郎兄ちゃんと慕ってくれた。なのに

おいらたちの生活がなりたたなくなった時、飢え死にするよりはましだとまだ、8歳の千代坊をヤクザの親分に3両で売ってしまったんだ。その親方もお金を取り戻されたあげく殺されてしまった。おいらはひとりぼっちになってしまったんだ。


いつかお千代坊にふたたび会えるとそれだけを望みに生きてきた。だが、やっとめぐりあったお千代坊はおあいという名前で女郎ななっていて、長年の苦労がたたったのか、失明寸前だった。おいらに気づかないお千代坊は言ったんだ。

「こんな姿、弥太郎兄ちゃんだけには見せたくない」


寒い雪の日だった。二人で女郎屋を抜け出したんだ。そこを経営していたヤクザの親分が追いかけてきて、お千代坊が斬られた。


雪が降り積もるなか、おいらたちは死にたえた。


雪だけが、おいらたちを祝福してくれているのか、お千代坊に降り注いだ雪はまるで花嫁衣装のようだ。


※角兵衛獅子

越後国からくるので京阪では越後獅子、江戸では角兵衛獅子とよばれた。

新潟県 月潟村が本場と言われる。このあたりは水害が多く生活が苦しかったため、応永年間に角兵衛という人が子どもに獅子舞を教え、諸方を勧進させという。

一説では埼玉県 大宮の氷川神社に古い獅子頭があり、「御免天下一角兵衛作之」との彫りがあることから、角兵衛は獅子頭作りも名工だったとも言われる。

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