木枯らし紋次郎
あっしが生まれた家は貧しい農家でした。そのため、あっしは生まれてすぐに間引きされて殺されるはずでござんした。そのあっしの命を救ってくれたのは姉のお光でした。その姉は祭りの日に生まれた子は縁起がいいと両親を説得してくれたんです。この姉がいなければあっしは生きていられなかったでしょう。ですが、気がつけばあっしは無宿人となって、旅を続ける生活をしておりました。
あっしは人に関わり合うのが苦手です。だから、あっしに助けを求めてきた人に対してもこう答えていました。
「あっしには関わりのないことでござんす」
ですが、なぜか関わってしまい、いろんなことに巻き込まれていくのです。これはどうしたことでござんしょうか?
「木枯し紋次郎、
上州新田郡三日月村の貧しい農家に生まれたという。
十歳の時に故郷を捨て、その後一家は離散したと伝えられ、天涯孤独な紋次郎、なぜ無宿渡世の世界に入ったかは、定かでない」
木枯し紋次郎は、笹沢左保原作の股旅物時代小説に登場する架空の人物です。
1972年(昭和47年)には監督・市川崑、主演・中村敦夫によりフジテレビ系列でテレビドラマ化され、視聴率30%を超える人気作品となりました。主人公「紋次郎」の決め台詞「あっしにはかかわりのないことでござんす」は流行語となり、様々な紋次郎グッズが売り出されるほどの一大ブームとなりました。その後もたびたび映画化、テレビドラマ化がなされています。