空が憎い理由
空が憎い。
ひたすら憎い。
だって手が届かないし、どうやっても手に入らないし。
人の頭の上で、悠然と存在しているところが、とにかく憎い。
!けしさりたい!
この世界から空と言うものを消し去ってしまいたい。
そしたら、世界中の人々は困るだろうか。
空がなくなってしまったら困るだろうか?
方角が分からない?
それとも、綺麗な景色が見れなくて残念?
どんな理由だって言い。
空が亡くなる事で、大勢の人間が困るなら、それでいい。
空が憎いけれど、その次に空を憎まない者達が、憎いのだから。
「はい次の人~、うーん一センチ伸びたかな? 来年はもっと延びるといいね」
「ぜんぜん背が伸びない」
私は手に持っていた紙、身長の記されたそれを空に向かって放り投げた。
「人にあたるのは駄目だけど、空にあたるのもむなしいだけだと思うわよ」
そしたら、やれやれと保険の先生がそう言ってきた。