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幸せの王国  作者: あてや
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幸せの国の悪役

目が覚めると僕はゲーム【幸せの王国】の悪役ロイに転生していた。


僕は前の世界でゲームが大好きで、特に【幸せの王国】と言うゲームが大好きだった。

【幸せの王国】とは簡単に説明すると勇者になり魔王から世界を救い【幸せの王国】を作るというゲームだ。

主人公の名はアレックス、王族の一人であり魔法を使い魔王を倒しヒロインのフローラ姫と結婚をする。

だが僕が転生したのは主人公ではなく、同じ王族でありながら魔力が弱く勇者になれなかった上に

フローラ姫に片思いをし、アレックスとフローラ姫の結婚式の最中で嫉妬に狂ってフローラ姫を刺して処刑されてしまう悪役ロイだった。


フローラ姫は生死を彷徨うがアレックスの命半分と引き替えに生き返りもう一度結婚式をやり直す。

これが【幸せの王国】の最後だ。

ゲーム全てのルートをクリアーしたがロイが最終的に処刑されてしまう未来は同じだった。


僕が冷静に事態を分析できてるのは、僕がロイに転生する前に女神から


「何人もロイに転生させたけど、いつも同じ未来になってしまうから、貴方がバットエンドを回避してほしい。」と頼まれ説明を受けたからである。


きっと僕の前に転生させられた人は、ゲームと同じように処刑されてしまったのだろう。

ロイが処刑される2年前、つまりゲームが本格的に動き始めた年で明日から魔法学校に入学する所からの始まりだ。

僕には今までロイが生きた記憶がある。

これまでの人生はクールで人を寄せ付けない性格のため、メイドや同年代の人から避けられていた。

その中でも唯一信用してたのは僕の付き添いメイドで今隣にいるメイだけである。

明日からが勝負でありバットエンドを避けるために一人で考える時間が欲しいので

メイには部屋を出て行ってもらった。


メイが部屋を出て行ったのと同時に、僕は鏡を見た。

この世界の人は皆カラフルな目や髪の毛をしているがロイは黒色の目と髪色そして整った容姿をしている。

自分で言うのもなんだが元の世界で言うかなりのイケメン

しかしこの世界では黒色の髪と目は珍しく、また黒色は魔王の色とも呼ばれており、いい顔をする人は少ない。

きっとロイがクールで人を信じなくなった背景にはこのような心情があったのだろう。

ゲームでは細かく悪役の生い立ちや心情などは描かれてなかったから、ロイになって初めて気持ちが分かった。

そしてメイはそんなロイに対しても他の人と変わらない態度で接してくれた、ロイはきっとそれがうれしかったのだろう。


僕は次に自分のステイタスを見ることにした、ゲーム内でステイタスは一番大切で、確かゲーム内でロイは王族とは思えないほど

ステイタスが弱かった。ステイタスを見るには¨ステイタス¨と言えば出てくる。



¨ステイタス¨

半透明な文字盤に書かれたロイのステイタスが出てくる



ステイタス


Lv 3000

HP 3000

MP 3000

特殊スキル

魔王高位


大まかなステイタスが出てきた、他にも火属性耐久強など大体の物に対して耐久がある。

一番驚いたのは、ゲーム内でかなり弱いキャラだと言う設定にも関わらず、全てのステイタスがかなり高いのだ。

例えるなら、このゲームの主人公のレベルがマックスで1000であり、魔王のレベルですら1500である。

そして特殊スキルと言う自分の才能に順じたスキルが一人一つ与えられ、大体の場合は料理人とか強くても魔術師とかなのにも関わらず、魔王高位と言う初めて見るスキルなのである。


この時点でゲームとは食い違っている、確かゲーム内のロイはレベル30の特殊スキルは浮遊だったはずなのに。


このステイタス表は半透明でゲームをしていた時勇者目線では確かに違うスキルが表示されていた。

勇者目線で、ステイタス表を変えていた?

もしかしたら、ロイは特殊スキルの魔王高位を見られたくなくて、ダミーのステイタス表に書き換えた?


そう思って、半透明のステイタス表に手をかざしステイタス書き換えと心に念じた。

するとステイタスはパソコンの文字盤みたいにキーボードが出てきて自由に書き換えられるようになっていた。

なんて現代的なんだ、、と思いながらステイタスの書き換えをする

あまりにもレベルが高すぎるとバレる確率が高くなる、多分ゲーム内のロイもそう思って誰から見ても低いレベルで、ありがちなスキルにしたのだろう。

なら僕も…


ステイタス


Lv 50

HP 50

MP 50


特殊スキル

想像


に書き換えた、僕が前のロイと同じスキルにしなかったのは、何かを変えないと運命が同じように

進んでしまう気がしたからだ。

この物語にはゲーム内で描かれてない裏側の物語があるような気がしてならなかった。

明日から僕が知ってるゲーム【幸せの王国】の舞台である魔法学校の入学式だ。


物語のようにならないように願いながら僕は眠りについた。







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