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元神はおもちゃを手に入れる
「僕かい?僕は男でも女でもないよ?」
その黒髪の。黒髪?紫の、赤色の、緑色の……見る角度によって目まぐるしく色を変える美しい髪をした存在はそう言った。性別は分からない。見た目でも声でも、雰囲気でも謎だ。ただ、美しいことは理解できる。
理解。理解だ。納得するとか、感じたとかではない。本能的に「ああ、この存在は美しい」と理解してしまったのだ。
「今日からお世話になるよ?人間」
エルマと名乗った存在は、にんまりとした笑みを浮かべて俺の人生を決定させる。どうやら俺は、今日から元神様の使徒、らしい。