うみのひと。
君は私を「好き」と言った。
私は君に「好き」と言えなかった。
君を嫌いになりたかった。
でも、どうしても嫌いにはなれなかった。
だから、一歩引いた。むしろ、いなくなろうと思った。
そうしたら君は悲しんでくれるのかな。
一粒、涙をこぼしてほしい
意地の悪い私はそう願った。
友達から、君が泣いていることを聞いた。
最初は「ふふん」なんて心の中でほくそ笑んだ。なんて、意地が悪いんだろう。
でも、君の声を、泣いている姿を見たら耐えられなかった。
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。ごめんなさい。謝っても許されないよね。
一瞬にして、私は願った。
悲しまないでほしい
なんて都合のいいことしか考えられない頭なんだろうか。
こんなことになった理由も簡単。
私だけを見てほしい。そんな単純な理由。でも、それが言えなかった。
他の子を見ないで。
お願い。私のことを、
たまにでいいから思い出してほしい
なんて、嘘。もっとそばにいて。
そして、君は言った。
「友達に戻ろう」と。
私はまだ、何も伝えてない。でも、伝えることはできない。
そんな権利はない。そんな立場にもいない。
言ったところで、ただの外野。戯言でしかない。
他に好きな人を作って。そして、
私のことは忘れてほしい
私は願ってばかり。お願い、聞いてもらえますか?
最後のお願いです。
誰よりも幸せになってください。
私のことなんか忘れて、幸せになってください。
ありがとう、大好きでした。
お題:原生地様。
最期の願いで5のお題。