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モブには興味無し

更新、かなり遅くなりました(-_-;)

バタバタしていて、投稿し忘れていました(-人-;)


沢山のブックマーク登録、評価、有難うございます(^-^)/


コクミック王国へ戻る為に、馬車と荷車を出す。


グラニに軍馬より少し大きい姿になって貰い、馬車と繋ぐ。


曳く物からして、普通なら馬が4~6頭必要だろうが、馬力的にグラニだけで充分。


それに他の従魔を喚んでも、グラニの力に並ぶものがいない。


同じように馬車を曳くなら、同じスレイプニルでないと足並みが揃わないだろう。


だけど、俺が喚べるスレイプニルはグラニだけ。


召喚士ジョブでゲームをしていた時は、同じ魔獣をテイムする事が可能だったのに……


グラニと同等のスレイプニルが、この世界にはいないって事なんだろうが、それはソドムにも言える事。


他に喚べる従魔はまだいるが、現時点でコイツらは何処にいるんだろう?


だってこの弱い奴等ばかりの世界では、バグな位レベルが高いのだから、人族の国なんて一瞬で滅ぼせるだろうに。


ソドムとグラニは、俺に喚ばれる前は長い間眠りに就いていたらしいが……それでも眠る以前の話を聞かない。


森の奥深くにいたと言っていたけど、それでも目撃証言が残っていても可笑しくはないのに。




大天使の姿の俺を視界に入れた途端、驚愕に染まる周りの奴等。


俺の前にはコクミック王国の国王どころか、ハニンソ皇国トップの教皇もいるのに、視線は俺に集まり、直ぐに続々と跪いていく。


俺に頭を下げたって、奴等に何かしてやるつもりはないのに。


崇められたところで嬉しくもないし、祈られたところで鬱陶しいだけ。


……やはりこの姿にはならない方が良さそうだな。


お揃いだと嬉しそうにしているソフィアの為にした事で、他の奴等に見せる為ではないが。


こうも視線を集めると煩わしい。


この姿になるのは今日が最後だな。


「恐れながら申し上げます。馬車を曳く馬は他にいないのでしょうか?お望みならば進呈致しますが。」


軍馬と同等の大きさになって貰ったグラニと馬車を繋げていると、背後から声がかかった。


一時的に地面に下ろした二人が俺にしがみついているのは、相手が初対面に近い教皇だからだろう。


「結構だ。今は覇気遮断の結界をかけているが、家にいる間はそこまで気にしていない。馬は人より気配に敏感だ。グラニの覇気を感じ取り、興奮して混乱するだけだろう。第一、そこらの馬を今更飼うつもりもない。今回は全員を連れて来たが、普段は留守番をさせているから、使い道もない。それに、グラニは聖獣のスレイプニルだ。本来馬車を曳く馬ではないが、俺はグラニ程力がある者を知らないからな。」


他の聖獣達と比べても、力で最強を誇るのはグラニだ。


少し位の妨害で足を止める程、柔ではない。


ある程度の拘束もものともしない。


ゲームでもそうだったんだから、今のグラニだったらもっとだろう。




「すれいぷにる……?」


「八脚馬。別称“神の乗る軍馬”だ。」


エンシェントドラゴンも分からなかったようだし、横文字はあまり浸透していないんだろうか?


古代竜や八脚馬の方が理解出来るようだし。


それもゲームとは違う。


そもそも俺一人なら、空も飛べるし、馬より速く走れるから従魔は必要ない。


ソドムを喚んだのも、揺れる乗り合い馬車にソフィアを乗せたくなかったからという理由だ。


俺一人だったなら、喚んでもペガサスかユニコーン位だっただろう。


今の俺はバグった力を持っているから、本来従魔は必要ないし、奴隷も必要なかった。


従魔は種族別に一体しか喚べないんだから、馬の中で一番馬力があるスレイプニルを喚んだのは必然。


他の奴等なら、馬車と荷車を曳く事など不可能だっただろう。


……他の従魔も皆レベルが高いから、曳こうと思えば出来たかも知れないが、グラニのように一体だけで曳くのは難しいと思う。


馬車を曳くならユニコーンが適任だけど、流石に馬力はそこまで高くない。


今の俺は種族別に一体ずつしか召喚出来ないようだし、やはりグラニを喚んで正解だったな。




(あ……馬車に乗るなら、コレは邪魔だな。)


いつもの格好に戻すか。


魔導剣士の装いに戻し、子供二人を抱き上げて馬車に乗り込む。


まだ何か話し掛けていた教皇は、勿論無視。


モブに構う義務はない。


こんな力のない教皇なんて、有り得ないにも程がある。


ゲームでいえば、ただの司祭程度だ。


アレックスの治癒を政治的観点からやらなかったのではなく、出来なかったという事。


欠損の治癒が出来ないなら、義手や義足の技術が発展していても良さそうなものなのに、木で出来た原始的な物しかないようだ。


関節部分で曲がらないし、負荷が強いとすぐ割れるようなものらしい。


軽い木は簡単に割れ、硬い木は重くで動かすのが大変という事で、中間位の木材を使用しているようだが……あまりにも簡単に割れる為、使用者は少ないらしい。


義足も、接触部に布を敷いて使うらしいけど、患部と義足とが合わない為に擦れて痛みが強く、長時間は歩けないようだ。


個々で義足を削ったり、布を多めに使用したり……という対処しか出来ないんだとか。


(技術革命を起こすのは面倒なんだけどな……)


発案の権利とか、工房開業とか、マージンとか……


(……もう少し二人が成長したら、任せようかな?)


用心棒としてアレックスとマイクを立たせておけば、二人に何かする奴等もいないだろう。


……二人が店をやりたいと言ったらの話だけど。




────

──


馬車に乗り込んで暫く経つけど、一向に進む気配がない。


御者席の方の壁にある小窓を開けて、ニアへ声をかけると──


「人が集まり過ぎていて、馬車で通れないようです。聞こえてくる言葉から察するに、どうやらご主人様に、この国に留まって欲しいと懇願しているようですが……」


その言葉を聞いて一番に思ったのは、“阿呆か”だった。


冒険者は根なし草だ。


何処に拠点を措こうが、本人の勝手。


俺がコクミック王国に拠点をおいたのだって、ソフィアやシスに対して厭な顔をしなかったカルロスや国王がいるからってだけ。


もっと良い国があれば、勝手に動く。


……この国は駄目だ。


コイツらは俺にいて欲しいが為に、渋々子供達を受け入れているだけに過ぎない。


初めて俺達を見た時、ソフィアを見て眉を顰めたのを確認している。


俺の正体の一部を垣間見た為に態度を改めた奴等のいる国に、留まりたいなどと思わない。


国王はカルロスに言われたからだろうが、カルロスは俺がステータスの偽装をしていた時から、ソフィアに対して忌避する様子はなかった。


──たったそれだけ。


でも、それが俺にとっては一番大切。




(宙に持ち上げるのは、グラニはともかく、馬達が混乱して危ないな。転移……は、国境を無断突破した事になるから、後々問題になると聞いたし。……どうするか。)


転移が一番楽なんだけどな。


この任務もすぐ終われるし。


「二人とも、少し待っていてくれ。ソドム、二人を頼む。」


『任せておけ。』


二人は戸惑っていたが、ソドムの返事に馬車を降りる。


急いで帰らないといけない訳ではないけど、こんな所で無意味に時間をかけるつもりはない。


前方にある国王の馬車の上に移動すると、邪魔になっている奴等が一望出来る。


(こんな事をしたって、俺がこの国に定住する訳がないのに。)


余計に嫌になる可能性の方が高いと、何故分からないのか……


一行の先頭の前方に、徐々に縦に結界を作っていく。


それをゆっくりと二つに割って広げていく。


(まるでモーゼだな。)


あれは海が割れて海底を歩けるようになったけど、俺がしたのは結界で強引に道を作っただけだが。


無理矢理結界に押された事となった奴等が折り重なって倒れているけど、俺の知った事ではない。


「進め!」


声を発した事で俺が外に出て来ていると知った一行は、騒がしい周りを無視して進んでいく。


結界で覆っているのは、俺の馬車に連結している荷車まで。


だから、誰一人として近付けない。




関所まで来て、馬の歩みが止まる。


通る許可がなければ、貴族用の門が開かないのはどの国でも同じ。


開きっぱなしの所は一般の民達や商人用で、門番が立っているだけ。


通る人が多いから、いちいち開閉していられないのだろう。


俺の馬車へ戻ろうと思ったけど、何やら様子が可笑しい。


よくよく聞くと、つい先程、俺達を通すなと通達が来たらしい。


俺達が民衆に囲まれて動けなかった時に、伝達係を動かしたのだろう。


……余計な事をしてくれる。


後ろから駆け寄ってくる教皇達。


結界があるから馬車や荷車に触れられる程近付く事は出来ないが、声は届く。


「お待ち下さい!ハニンソ皇国へ留まって頂けるには、どうすれば宜しいのですか?」


「黒猫族を保護すれば良いのですか?」


次々とかけられる言葉に──キレそうだ。


コイツらは、自分達の事しか考えていない。


俺はソフィアが黒猫族だから保護した訳じゃないのに。


……そんな事も分からないとは。


「門番、門を開け!」


(そういえば、コイツらは大天使の姿を見ていないのか。)


今の俺は魔導剣士の格好。


コイツらにとって、俺はただの冒険者でしかない。


再び大天使の姿に。


門番達の顔色が変わる。


「俺の行く手を塞ぐ権利が、お前らのような有象無象にあると思っているのか?」


「「も、申し訳ございません!」」


後光を強めて威圧的に言うと、慌てた様子で門を開け、道の端で土下座をした門番達。


“教皇<俺”という図式になったのだろう。


後ろが煩いけど、無視。


この国にはたぶん、もう来ないだろうな。


どの国よりも鬱陶しかったし。

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