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ハニンソ皇国への道中

更新遅くなりました(-_-;)


沢山のブックマーク登録、有難うございます♪


国王の一行の中に歩兵がいるかも知れないと思っていたけど、人数はそこまで多くなく、王以外は皆騎乗していた。


それでも一日で行ける距離ではないから、色々と物資を運ぶ荷車もいる。


国王の移動は、それはそれは面倒な手続きがあるらしく、街や村に着くと次の滞在先へ先触れが出されるようで、転移で瞬間移動って訳にもいかないらしい。


──転移を使用出来る者は僅かで、国を渡る程の長距離は誰にも出来ないと言われているようだが。


何故そんな事を知っているかというと、俺の馬車と並走している王が窓から話し掛けてくるからだ。


初めは無視していたけど、シス達が会話の内容に興味を示していたから、ある程度は答える事にした。


王ともなると、滞在先に落とすお金も経済を回す一環となるらしく、それも義務なんだとか。


何日も馬車に乗って行くのが面倒で、転移やソドムでの移動を提案すると、そんな答えが返ってきたんだよな。


──因みに、ソドムの背に乗せるとは言っていない。


防壁を張って宙を飛ばすつもりだった。


ソドムも本来、俺しか乗せたくないみたいだし。


俺のお願いを聞いてくれているってだけ。




国を出てまずは、ルードゥブルグへ向かう道へと出た。


ザザンの森の方から行っても、山越えしないといけなくなるからだ。


魔獣も沢山出てくるから、重要人物の移動には適さない。


この道を選んだのは当然だろう。


ハニンソ皇国は北にレセドゥヤ山脈があるから、山から下りてくる魔獣避けに砦は強固だった筈。


宗教国家は金を持っているってゲームでの設定は、この世界でも同じようだ。


グラニが普通に走ったら、他の連中を置き去りにしてしまうのは確定している。


取り敢えず今は他の馬達と足並みを揃えているが、確かルードゥブルグまでで馬車に乗って一日かかると言っていた。


国王を連れた一行が、夜通し馬を走らせる事はないだろう。


つまり、何処かで野宿になる。


国の外にある村なんて、許可なく国内に入れない移民や身分証明書がなく金もない奴等の集まりだろう。


後は亡命者か。


掘っ立て小屋が並ぶ、国に認められていない治安の悪い村なんかに、好き好んで行く奴なんていない。


ゲームでも、そういう村へ向かうのはジョブ限定のイベントクエストがある時位で、しかも騎士ジョブや内政に関わっている時なんかは、不法占拠の排除っていうクエストだった。


特定の相手を国へ手引きするっていうのもあったけど、そのクエストを受けたのはただの一度だけ。


どうやら依頼主は犯罪者だったらしく、そのクエスト後、衛兵達に追い掛けられて大変な目に合ったんだよな。


だからそのクエスト自体、受ける事はなくなった。


そんな危険があるような村に、一国の王を泊まらせる位なら、野宿の方が何倍もマシだろうな。




野営場所が決まったらしく、騎士達がテントを張り出す。


(テントなぁ……)


野営用のテントは、軍の支給品や冒険者などのジョブで手に入れた物がある。


だけどそれだとプライベート空間もないから、一人ずつに出すのは構わないけど、出し入れが面倒。


防寒完備でもないし、一つずつ結界を張るのも面倒。


(拠点を出すか。)


ある程度の広さがある、移動させる事の出来る家といった方が正しいか?


六畳位の部屋が二つに、八畳位のダイニングキッチン。


一部屋二人にして……ニアはマリーと親子で同室になるけど、 構わないだろう。


──奴隷同士で恋愛したって、俺は別に構わないけど、皆の心情的にはまだ無理だろうと思う。


拠点を三つ出す。


「ロデリック、中にキッチンがあるからそこで料理を作れ。もし火がつかなかったり水が出なかったら報告しろ。」


「はいっす!」


「ノエル、レイチェルはロデリックの手伝いを。」


「「畏まりました。」」


「ニア、マリー、クレイグ、二人の相手をしていてくれ。」


「畏まりました。」

「はい。」


「おにいちゃん、どこいくの?」


皆に指示を出していたら、地面に下ろしていたソフィアにしがみつかれた。


「魔獣が近寄ってこないように、此処等一帯に結界を張ってくる。直ぐに戻るから、皆と待っていろ。」


頭を撫でると、渋々手を離す。


この場で出来ない訳でもないけど、直接目で見た方がしっかりとイメージ出来るからな。


騎士達は薪を拾いに行ったり、川へ水を汲みに行ったりしているから、俺達より行動範囲が広い。


拠点には火の魔石もあるし、水の魔石もあるから、料理を作る事も出来るし、蛇口を捻れば水も出る。


魔石に籠められた魔力が切れても、新たな物と交換すれば済む。


「アレックス、マイク、ここを頼んだぞ?」


「「御意!」」


(だから、お前ら二人は特に傅き過ぎだっての。)


“御意”じゃねぇよ。


いちいち跪くなって言っているのに、聞きやしない。


今では好きにしろって放置しているけど。




さて、行くかと踵を返したら、呆然と立ち尽くす王が直ぐ近くにいた。


どうやら侍従達がテントを張るのを待っているようだけど……俺に何か用でもあるんだろうか?


「何か用か?」


「……今、何をした?」


「は?」


このオッサン、何が言いたいんだ?


今した事って……拠点を出した事か?


「何だ?アンタもテントじゃなくてこっちが良いのか?火の魔石があるからキッチンで料理出来るし、水の魔石もあるからわざわざ水を汲みに行く必要もない。最低限の家具も揃っている。使うなら出すが、どうする?」


「是非頼みたい!」


テント、もうじき張れそうだけど、良いのか?


侍従連中、手を止めて“えっ……!?”みたいな顔をしているんだけど。


まあ国王の決定に否を唱えられる相手は少ないだろうが。


「風呂もあるから、入りたかったら勝手にしろ。」


「風呂まであるのか!?」


アレックスと近い年齢なのに、このオッサンは落ち着きがない印象だ。


ソフィアやシスのように可愛いとは思わないから、オッサンが騒ぐ度に引く自分を自覚している。


オッサンを喜ばせて嬉しく思う趣味はないって事なんだろうけど……まだアレックス達を喜ばせた方が良いと思うのは、懐に入れたかどうかなんだろう。


火の魔石も水の魔石も、生活に少しゆとりがある家にはあるものだ。


王やその側近連中なら毎日使っているものだろう。


魔石を節約する為に自身の魔力で補っているのは、余程のケチか、生活に困窮している人達くらい。


だから使い方を教える必要はない。




やたらとテンションの高い王を放置し、周りを散策する。


因みに、グラニは皆と一緒の場所に置いてきたがソドムは離れなかった為に、現在俺の頭の上に鎮座している。


ソドムやグラニは強者覇気もあるし、威嚇でもすればここら辺に生息する魔獣達は散り散りに逃げ出すだろう。


だけどそれをしないのは、王が連れている連中の殆どが死んでしまうからだ。


普段から気配遮断をして貰っているから、気配察知に長けている奴以外には何とも思わない筈。


つまり、ソドムやグラニがいたとしても、襲ってくる魔獣がいるって事。


それは俺にも言える事で。


だからこそ、面倒だけど防壁を張らないといけない。


俺の力は未知数だから、威嚇なんて出来ないし。


簡単な威圧でさえ、この世界の奴等には耐え難いもののようだったし、ソフィア達に渡している魔道具が、どれだけ俺の力を防いでくれるかも分からない。


もし魔道具が壊れて死んでしまったら?


命をとりとめても、俺を怖がるようになってしまったら?


そうなれば、後悔したって遅い。


保護した子供達に恐れられるって、保護する意味がなくなってしまう。


怖がっている子供を無理矢理留めておくのは酷だし、もしそうなったら俺は手離すしかない。


……俺が手離した途端、彼等は地獄を見る事になる可能性が高いが。


引き取る身内がいないのだから、彼等に待っているのはスラムでの生活。


子供だけで生きていくのはとても難しく、拐われて奴隷にされても泣き寝入りするしかない。


この世界の奴隷には、人権がない。


一応借金を返せば奴隷身分を返上出来る借金奴隷に暴力は禁止となっているが、この世界でそれを守っている奴なんてほんの僅かだろう。


犯罪奴隷や基本的に安い金で売られている訳有り奴隷は、壁役か、攻撃の相手役にされる事が多い。


それはゲームの時の設定通りだろう。




(山から距離があるからか、この辺には強い魔獣はいないな。)


いや、この世界の奴等からすれば、強い魔獣になるのか?


簡単に絶命した魔獣をマジックバッグに入れながら、探知をする。


(近くにはもういないな。そろそろ結界を張るか。)


レベルだけで考えたら、王の一行とアレックス達で充分対処出来るだろう。


でも、これから夜になる。


普通なら夜通し見張りを立てるんだろうけど、そんな無駄な事は必要ない。


使えるものは使わないと!


夜襲が多いだろうから、その都度起こされたら堪ったものじゃない。


俺の結界は、俺が解除するまで留まる。


眠っても消える事はない。




皆がいる場所に戻ったら、直ぐ様駆け寄ってくる子供達。


二人を抱き上げ、拠点へと向かう。


料理はマジックバッグに沢山入っているし、すぐに食事にしてあげよう。


「皆、夜の見張りはいらないから、しっかり寝ろ。俺の結界は雑魚一匹通さないからな。朝になったら解除するから、魔獣討伐はその時に思う存分しろ。」


「「はっ!」」


また跪いている奴等を放置して、拠点の中へ。


いちいち相手するの、疲れるんだよな。


食事を摂り、風呂に入って眠る。


拠点の不満は、風呂が小さい事だな。


ソフィアとシスと三人で入ると、かなり狭い。


ぎゅうぎゅう詰めだ。


これは何とかしないと。


結界にヒビが入ったらアラームが鳴るようにして、二人と共に寝る。


このアラーム、どうやら俺にしか聞こえないみたいなんだよな。


突然の大音量に飛び起きる為に機嫌が悪くなるけど、そうすると、俺が急に飛び起きて機嫌が悪いから夢見が悪かったのかって思うだけらしい。


家の周りに張った結界を攻撃されるとアラームが鳴るようにしていたけど、その結界もヒビが入ったら鳴るように変更した。


誰かが塀に手をついただけでも音が鳴っていたから、頻繁に煩い思いをしたんだよな。


あれは地獄だった。


(明日、王の一行が用意が済んだ時点で結界を解除するか。)


その時に現れる魔獣は、アレックス達に任せれば良い。


与えた剣を使いたくてウズウズしているようだし、試し斬りには丁度良さそうだ。

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