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指名依頼

沢山のブックマーク登録、評価、有難うございます(^^)/

励みになります♪


どうやら二人は暫く金を貯める事に専念するらしい。


薬草摘みは比較的安全だけど、報酬が少ない。


二人はまだギルド登録もしていないから余計だ。


ギルド登録出来る最年少は、確か15才だった筈。


シスでもあと三年ある。


それまでは買い叩かれる。


だけど、登録してから色々勉強するより、今から実践的に教えた方が、登録してから動きやすい。


登録までの間の買い取り履歴は残らないが、ギルド職員の記憶には残る。


良い物を提出していたら、冒険者になった時点で『優良』だと判断して貰える。


知識のない者より、ある程度ギルドが求めている物を納められる者の方を重宝するのは当然だろう。


……現状、シスはともかく、ソフィアをどれだけ重宝してくれるか分からないけど。


黒猫族を忌避する風習は、直ぐにはなくならない。


俺が背後にいるからこそ、騒ぎたてないってだけ。


ソフィアに何かしたら、俺に消されると怖がっているだけ。


ゲームでは、どんなジョブを選ぼうと、どんな選択をしようと、ソフィアに待っていたのは“死”のみ。


そんなソフィアには、幸せになって貰いたい。


因みに、シスとはゲームで出会った事はなかったけど、似た境遇の子供を救った事はある。


人見知りをしながらも、アレックスとマイクへ必死に声をかけている二人が微笑ましくて可愛い。




────

──


暫く経った頃、いつもの如く薬草摘みに出掛けた筈の二人が慌てた様子で帰ってきた。


ギルドに戻るまでは遠視で見ていたから、ギルドで何かあったのだろう。


護衛の二人がいるからと、慢心していたというのか?


家に辿り着くまで見守っていれば良かった。


「おにいちゃん、あのね!オジサンがよんでた。」


「……?」


おじさん……?


ソフィアへ声をかける時点で、相手は限られるが。


「兄さん。ギルドマスターが、兄さんに話があるって言ってた。」


やはり、相手はカルロスだったらしい。


「話?」


「うん。詳しくは会ってから話すって。」


「そうか。」


二人へは何も話していないって事は、何か揉め事か?


小さな事なら、それとなく護衛につけている二人に伝えそうなものだが……


この国は国王が俺への干渉を禁じている為、また馬鹿貴族が現れたって事じゃないと思いたいんだがな。


二人の後ろにいた奴等へ視線を向けても、やはり何も聞かされていないらしく、首を振るばかり。


これは、俺がギルドへ出向かなきゃいけないって事なんだろう。




「それじゃあ、今から向かうか。二人はついてくるか?」


何か問題が起こっていたとしても、俺には関係ない。


“誰も連れてくるな”と言われた訳でもないし、俺が誰を連れて行こうが、俺の勝手。


「ん!ソフィア、おにいちゃんといっしょにいく!」


「僕、ついていきたい!」


「じゃあ行こうか。ソドムはどうする?」


『我も行くぞ。最近、外に出ておらんかったからな。』


遠視で二人を見ていたから外に出た気になっていたけど、そういや外出していなかったな。


ソドムは暇だったんじゃないか?


……悪い事をしたな。


ソフィアを抱き上げ、シスと手を繋いで歩き、ソドムは俺の頭の上。


こうして歩くのは久し振りだな。


それなりに金が貯まってきただろうが、二人は何を買うつもりなんだろう?


薬草を売る程度じゃ微々たる金しか貰えないから、まだまだ目標金額に届かないのか?


何に金を使うつもりなのか、まだ知らないけど。


心を読む事も可能だけど、流石にそれはな。




ギルドの中に入ると、カルロスの姿はなかった。


だから受付へ声をかけようとしたんだけど……


「直ぐにお呼び致します!少々お待ち頂ければ幸いです。」


俺の姿を見るなり、やたらと慌てた様子で奥へ引っ込む受付嬢。


俺が来たら直ぐに呼べと言われていたんだろう。


待ち時間は特になく、バタバタと二階から下りてきたカルロス。


……俺は少しも待てないと思われているんだろうか?


確かに、待つのはあまり好きじゃないけど。


でも数分くらい待てるのに。


「わざわざ来て貰ってすまない。実はカイトにお願いがあって……今回入った指名依頼、どうか受けてはくれないか?どのみち一度は依頼を受けて貰わないと登録抹消になるが、現在カイトへは無干渉と国で定められている為、このままでは期限が来たら身分証がなくなる事になる。……他のギルドに登録するという選択もあるが、商業ギルドなら税金がかかるし、取引が一定期間ない場合、強制的に登録抹消となる。傭兵ギルドもあるが、カイトは誰かに使われるつもりはないのだろう?」


(そうだな……)


確かに、現在俺は、干渉される事を国が禁じている状態。


Aランク冒険者とはいえ、期日中に依頼を受けなければ登録を抹消される。


身分証明書として、冒険者ギルドのカードは重宝される。


それは他のギルドで発行される手形やカードと比べて、比較的簡単に手に入るからだ。


紛失時の再発行は金を取られるが、初めて作る時にお金は必要ない。


だけど他のギルドはカード発行時点で金がかかるし、税金を納めたりなど規定がかなりある。


商業ギルドではある程度の日数は働かなきゃいけないし、登録しても働かずにいたらすぐに登録抹消される。


傭兵ギルドはまだマシだけど、長期身柄を拘束される。


ソフィア達を連れていくなんて事は勿論出来ないし、今のところ登録するつもりは皆無。


暗殺ギルドもあるけど、子供達がいる現状、流石に教育に悪いだろう。


暗殺自体、好き好んでやりたくないし。




「依頼者は誰です?」


「陛下だ。ハニンソ皇国で会談がある為、護衛任務を受けて欲しい。」


自分で俺への干渉を禁じたのに、自分だけ指名依頼を出して良いのか?


他の奴等から疎まれそうなものだけど……国王だから何とかなるとか?


そこまで国王の権限ってあったっけ?


──ゲームとは違うって事か。


でも馬鹿貴族の依頼を受けるよりはマシだと思いたい。


今回の依頼を受けないと、カルロスが言ったように、10ヶ月後には俺のギルド登録が抹消される。


他のギルドへ登録するのも面倒だし、この依頼を受けるしかなさそうだ。


俺の身分を保証する人なんていないしな。


毎日あくせく働くのも、今のところするつもりはない。


……この世界に来てから、怠け癖がついたんだろうか?


仕事らしい仕事、まだやっていないからな。


金に困っていないからこそ、出来る事。


力も金もなかったら、普通は働くしかないもんな。


それを思ったら、俺はかなりズルをしている。




「城まで出向いた方が良いです?それとも、この街に来た時に合流した方が良いんですか?」


ハニンソ皇国へ行くなら、どのみちフォールを通る事になるだろう。


国王の外国訪問ともなれば、連れていく兵は多い筈。


そうなれば移動速度も遅いだろう。


フォールに戻ってくるなら、この街で合流した方が無駄がない。


だけど基本的、護衛の依頼は出発時点から適用される。


依頼を受けたギルドからという時もあるが、それは依頼主によって決まる。


呼び寄せる場合、その旅費は依頼主持ちとなるのが通例。


相手は国王だから、それをケチる事はないだろうが……


ノロノロとした行進についていくのは面倒。


国王だけポイッとハニンソ皇国に放り投げてくるっていうのは、流石に駄目だろうな。


俺がこの国に忠義を感じているならともかく、現時点で拠点にしているだけだからな。


戦争になっても、俺が参加する義務はない。


つまり、俺が何があろうと護る対象ではないという事だ。


それなのに国王の部下達を置いていって何かあった場合、いらない責任が降りかかる。


それは要らない。


「フォールを通るから、その時からで良いらしい。」


「そうですか。ではその時に呼んで下さい。」


「……う、受けてくれるのか!?」


信じられないって顔をされてもな。


話を持ってきたのはカルロスだろうに。


「他の貴族らよりはマシでしょうから。」


「そうか!有り難い。早速陛下へ報告してくる。陛下がこの街に来たら、ギルド職員に家まで迎えに行かせる。」


「分かりました。」


慌ただしく奥へ消えていくカルロス。


もう用事はない為、出て来たついでに俺達は街をブラブラして帰る事にした。


(国王からの指名依頼か……)


俺達は過剰戦力だからな。


国王に魔道具を渡して、アレックスとマイクを護衛として連れて行かせれば良さそうな気もするが……それは出来ないんだろうな。


二人共俺の奴隷だから、“俺の戦力”として扱われるが、“俺の代わり”になる訳じゃない。


俺に入った依頼だから、俺が行かなくては話にならない。




「二人はどうする?一緒に付いてくるか?それとも、畑の世話もあるし、家に残るか?」


今までだったら、二人に聞くまでもなく連れて行っただろう。


だけど今二人は薬草摘みをして金を稼いでいる。


それにクレイグと共に畑の世話もしている。


……それらを放ってついてくるのが駄目とは言わないが……それなりに責任感を持って貰いたい訳で。


──どの口が言っているんだと言われそうだが。


まだ二人(+護衛二人)だけで外出出来るようになって日も浅いし、いつ俺が戻るか分からないから、留守番は無理かな?


もう少し慣れてからだったら、あるいは留守番出来たかも知れないな。


……やはり想定通り、二人は俺と同行を選んだ。


二人がいる事は、ある意味俺のストッパーにもなる。


流石に子供達の前で殲滅とか出来ないもんな。


一瞬で数人程度ならともかく、残酷な殺し方は教育上悪いだろう。


トラウマを与えたい訳ではないし。

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