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“暇”だと言えている内が華

更新遅くなりました(´ε`;)ゞ


たった二日しか経っていない事もあり、家の中は綺麗なまま。


庭の片隅にグラニ用の馬舎でも建てようかと思ったけど、グラニだけ家の外に追い出すのも嫌だし、結局俺達の寝室が皆の部屋になった。


ニアだけは別の部屋になるけど、ニアは大人だし、俺達と同じ部屋の方が落ち着かないだろう。


ベッドにあるソドム用のクッションの隣に、グラニ用のクッションを置いた。


飛べるソドムはともかく、グラニは自分でベッドの上に上がれない。


大きくなれば上がれるが、頻繁に大きさを変えるのは大変らしい。


ソドムがずっと小さいままでいるのも、大変だからだろうか?


……小さい方が、頭や肩に乗られる俺としては助かっているけど。


だからグラニが寝る時に、俺がベッドへ乗せる事になった。


それは大して問題じゃないんだけど……何故かソドムが自分でベッドへ移動しなくなった。


俺が抱え、クッションに移動させる事に……


グラニを喚んだ時、それ程嫌悪する様子もなかったのに……どうしてだろう?


…………まあ、良いけど。




────

──


(暇だ……)


シスやニアの服を作ったり、ソフィアとシスに執事見習いで読み書きが出来ると言ったニアと共に文字を教えたり、ソドムやグラニと戯れたり……


数日経った時点で、する事がなくなった。


因みにシュバルツは早い仕事をしたようで、現在ニアは俺の正式な奴隷となっている。


奴隷期間に暴力を受けていた事により、その期間が短縮されたようだけど、“執事見習い”としての一般的な相場の給金は少なく、奴隷になっている時点で半額以下に買い叩かれている。


ニアの正式な奴隷期間は20年。


それが17年に減っただけ。


たった三年短縮されただけなんて……


やはり奴隷という立場から、温情を与えないって事なんだろうか?


ニアが借金を負ったのは、病気で倒れた母親を助ける為。


司祭にして貰った治癒魔法代に、治癒魔法を受けても完全に治りきっていない為に毎日飲んでいる薬が、かなり高価な物らしく、借金が膨れ上がったんだとか。


ニアが売れた金額で、今のところは何とかなっているらしいが……このままだと金が追い付かないだろう。


だから直ぐにニアの実家に向かい、治癒した。


俺の治癒魔法で完全に治ったニアの母親。


母子揃って俺に感謝したようで、生涯尽くすとか言って、現在ニアの母親は、俺の家でメイドをしている。


ニアの母親──マリーは、俺が雇っているという事になるから、毎月給金を渡している。


初めは恩人から金を受け取れないと言っていたが、ニアは奴隷の為に給金が手元に残らないのだから、ある程度は必要だろうと説得して持たせている。


ニアの父親は、ニアが14才の時に亡くなったらしい。


父親がいた頃は、まだ母親の体調が悪くなる前だったらしく、その為に読み書きや計算などを習えていたようだ。


それを活かして執事見習いとして奴隷となるなんて、ニアは強いと思う。


借金を返せなくて奴隷に堕とされたのに、自分の持てるポテンシャルを最大限売りにしているんだから。


何もない成人男性より、“執事見習い”の方が高くなるのは当然。


……まあ、微々たるものでしかないだろうけど。




(依頼を受けるのもな……)


Aランクなら、10ヵ月は依頼を受けなくても咎められない。


……というか今更だけど、Bランクから昇格に試験があった筈なんだけど……免除されたのか?


いきなりAランクにされたし。


でも、Aランクともなれば、依頼自体少ないし、ギルドからの指名依頼が殆どになる。


依頼を受けるにしても、カルガモの親子化しているソフィアとシスを放って行く事は、今のところ無理がある。


流石に二人共抱えたままっていうのは……魔法で何とかなりそうだけど、イレギュラーがないとは言い切れないんだから、片手は空けておきたい。


……依頼を受けるのは、まだまだ先になるかな?


金を稼ぐ必要もなければ、依頼を受ける期限はまだまだ先ともなれば、慌てて依頼を受ける必要もない。


鍛冶や錬金術で何か作ろうか……?


でも、ソフィア達を放置する事になるから、今はまだ打ち込めない。


鍛冶用の設備もないし。


それ以前に、作りたい物がないしな。


それは錬金でも同じ。


錬金釜や素材があるから、やろうと思えば出来るけど、錬金するべきものは何もない。


錬金後のアイテムもアイテムボックスに大量にある位だ。


以前から練習しようと思っていた浮遊魔法を練習するのも、二人から離れる事になるし……


二人から離れずに済んで、暇を潰せるものが何もない。


今は膝の上や隣に座らせて、頭を撫でているだけ。


二人も暇だと思うんだけどな。


娯楽品、何か必要か?


……でも、ソフィアに渡している積み木も、俺が服を縫っている時位しか出していないんだよな。


“玩具で遊ぶ”って感覚が、あまりないのかも知れない。


一応庭に遊具(ブランコと滑り台)を置いたんだけど……使っているのは、俺も庭にいる時だけだし。




そんな中──来客があった。


俺の家は、今のところカルロスにしか教えていない。


だから来客はカルロスか、その代理だと思っていたんだが……


慌てた様子で俺へ報告に来たマリーによると、どうもそうではないらしい。


無理矢理侵入しようと、対応したマリーを押し退けようとして、結界に阻まれたらしい。


一瞬強盗かと思ったけど、高級そうな服装だったと言われてそれも違うと判断し、危険があってはいけないからと一人で門へと向かう。


無理矢理侵入しようとした奴には、電撃を流すように設定してある。


侵入未遂者は今頃、門の前で気絶でもしているのだろう。




(誰だ?コイツら……)


見た事のない男達が転がっていた。


この国の貴族達に良い感情を持っていない俺にとって、誰であっても許すつもりはないが……コイツら、何をしに来たんだ?


前にギルドまで来た馬鹿貴族かとも思ったけど、顔が違う。


城で見た覚えもない。


城に出入りしている貴族達の顔と名前は、ゲームで城勤めしていた事もあるんだから、ある程度は覚えているのに。


貴族らしき男に、一人の護衛らしき男。


あまりに少数過ぎやしないか?


貴族の代名詞な馬車もないし。


(……ん?この男の服、かなり古い?)


貴族らしき男が着ている服の装飾が、明らかに経年劣化している。


色褪せてもいるし……貧乏貴族とか?


隣で転がる護衛らしき男の武器や防具も、見るからに年季が入った物。


何年も買い直されていないのが分かる。


(『鑑定』!)


††††††††††


〈アルフレッド〉

元ダレル子爵家嫡男 15才

当主が亡くなった当時、まだ子供だった為に爵位を継げず、御家断絶に。

家再興を目指しているものの、上手くいっていない。

生家に人が住んだ事をうけ、見に来た。


〈サイラス〉

元ダレル子爵家護衛 35才

両親を亡くし、幼くして一人になったアルフレッドを心配し、側についている。

護衛の傍ら、冒険者として生活費を稼いでいる。


††††††††††


どうやら元々この家に住んでいたらしい。


だけど、人が住んだ事を知って見に来ただけらしいが、一体何の為に?


御家断絶がつい最近でもなさそうなのに……


まさか、誰かが住む度に見に来ていたのか?


今までよく捕まらなかったな。


無理矢理侵入しようとしていたんだ。


これまでも同じような事をしていただろうに。




「『水球』!」


水をぶっかけて起こす。


侵入者に気を配る必要なんてない。


「ぶはぁっ……!ゲホッ、ゲホッ……」

「……むっ。」


直ぐに意識が戻ったようで、サイラスは俺を警戒しながら立ち上がった。


アルフレッドは鼻に水が入ったのか、未だに噎せている。


「今回だけは不法侵入をしようとした事を見逃してやる。早急に去れ。次は命がないと思え。」


だけどそんな事は俺には関係ない。


元々住んでいた奴だろうと、今は俺達がきちんと購入して住んでいるんだから。


「ゲホッ……此処は、元々俺が住んでいたんだぞ!」


噎せながらも言ってくる馬鹿。


「だから?買い戻したいなら850万G出せ。」


「……そんなお金はない。」


「だったら諦めろ。俺はお前に家を恵んでやるつもりは微塵もない。これ以上迷惑をかけるなら、罪人としてギルドにつき出す。」


現在のこの家の所有者は俺だ。


元々住んでいたから何だと言うんだ?


どんな事情があるにせよ、俺は強奪した訳でもないんだから、そんな戯れ言聞く必要はない。


この家を恵んでやるつもりもない。


いくら所持金があるとはいえ、何故、知りもしない他人に大金はたいて買った家を譲らなければならない?




「…………」

「…………」


自分達がどれだけ有り得ない事を言っていたのか、流石に自覚はあるようだ。


家を無償で譲るなんて、余程近しい人位でなければしないのは、この世界でも同じだろう。


将来的には、この家はソフィアにあげても良いとは思うけど、初対面の男にあげたいとは思わない。


「分かったらさっさと立ち去れ。今回だけは見逃してやる。」


見逃すのは、面倒だからだ。


結果論で言えば、何も盗られていないし、罪状は“不法侵入未遂”でしかないからな。


大した罰は与えられない。


どうせコイツらはこの家に入って来れないし、放置しても構わないだろう。


害があるなら、その時に対処すれば良い。


「……此処は、俺が住んでいたんだ!ダレル家の家だ!父上と母上は殺されたのに、誰も信じない。それだけでなく、資産も没収されて……家まで失った!どうしてこんな目に遇わなければならない!?」


コイツの目から、それらは全て理不尽に写った事だろう。


両親が殺され、資産を根こそぎ奪われて……


「だからどうした?俺に何の関係がある?」


だけど、それらと俺は関係ない。


同情はするが、それだけ。


いってみれば、ただの八つ当たりでしかない。


そんな事に一々関わるつもりはない。


「二度とこの家に近寄るな。次は命がないと思え。」


それだけを告げ、踵を返す。


奴等は門から此方へ入る事が出来ないんだから、このまま放置で良いだろう。


(暇だと思っていたとはいえ、無駄な時間を過ごしたな。)


これなら、あのまま二人の頭を撫でていた方が良かった。


やっぱりのんびり平和に過ごすのが一番だな。

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