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ごみ掃除は早急に!

更新遅くなりました(´。・д人)゛


ブックマーク登録有難うございます( 〃▽〃)


顔色を悪くしたシュバルツがついてくる中、俺達はブラブラと冷やかしで店を覗く。


コクミック王国と隣国とはいえ、目新しい物があるかと思ったんだけど、売っている物があまり変わらないからだ。


隣街の方が栄えているようだし、そちらで買い物をしようか。


──東側のエンバシーや、南側のアヴェニューへ。


エンバシーは貴族街が広いから鬱陶しそうだし、ベケット男爵家を潰しに行ったその後はアヴェニューへ向かおうか。


……まあ、それは明日で良いだろう。


今日はゆっくりすると決めたのだから。




────

──


翌日。


宿からギルド内に下りると、シュバルツが既に待っていた。


「カイト様、お早うございます。昨日の件で、代表者が顔合わせを要望しておられました。昨日代表者から連絡があり、“ベケット男爵家にルードゥブルグ共和国の庇護はあらず”との事です。」


……それってつまり、国の代表者は、ベケット男爵家を切り捨てたって事だ。


顔合わせを……との話は、他の貴族達や国に攻撃しない言質をとりたいのだろう。


だけど、今のところ会うつもりはない。


代表者はエンバシーにいるんだろうから、ベケット男爵家を潰してから会う事も可能だけど、面倒だし。


……いや、ゲームの設定では住処があるだけで、仕事中はアヴェニューにいるんだったっけ?


──どうでも良いけど。


「そうですか。一応、くだんの方達以外に余波がいかないように、手加減はするつもりなんですが……あいにく、制御が苦手なもので。余計な被害が出てもご了承下さい。」


魔法に籠める力を減らす事は出来ても、勝手に発動するスキルがあるから、手加減にならない可能性が高い。


屋敷の周りに防壁を張ってから攻撃しようか?


でもそれだと、俺も防壁の中に入らないといけない。


それは常時共にいるソフィアも。


防壁を張りまくって防御したら良いだけなんだろうけど、俺の力に対して、俺の防壁が持つか心配。


自分で自分を攻撃なんてしないもんな。


だから、どこまで耐えられるのか分からない。


本当はもっと一人で練習しなくちゃいけないんだろうけど、ソフィアを置いていけないし、連れていって護れなくても困るし……正直迷い中。


顔色が悪くなったシュバルツを連れ、ギルドを出る。




「さて……終わったら隣街へ向かいますけど、監視役はシュバルツさんが継続されるのですか?」


「一応、本日も私が同行する事になっています。正式な監視役を選定するまではと、代表者に命じられました。」


「そうですか。」


監視役が決まるまでって、そんなに長い間この国にいるつもりはないのに。


シュバルツは余計な事を言わないから、一緒にいてもウザくなくて良いけど。


「隣街へ行くのであれば、馬車の手配を致しましょうか?」


「いいえ、結構です。」


ルードゥブルグ共和国に来た時だって馬車に乗らずに来たのに、隣街へ行くのに馬車を使用する訳がない。


ソフィアに馬車移動を覚えさせる為に乗るならともかく、今は必要ない。


もっと体が丈夫になってからでも遅くない。


「ですが、徒歩で向かうとなると、途中で野宿する事になりますよ?」


シュバルツの言いたい事は分かる。


フォールからアーバンへ行く時だって、馬車で半日って言われた位だ。


歩きとなると、もっと時間がかかる。


──但し、()()()()の話だけど。


「大丈夫ですよ。俺が走った方が早いんで。コクミック王国からルードゥブルグ共和国に来た時も走って来ましたし。乗り合い馬車で一日以上かかるなんて言われましたからね。そんな劣悪な環境に、ソフィアをおきたくなかったもので。」


「…………そ、そうですか。……ですが、私はそのような移動手段がないので、ついていくのは難しいですね。」


確かに、シュバルツが俺達についてくるのは不可能だろう。


この世界の主な移動手段は、徒歩か馬車か乗馬。


……シュバルツは転移出来ないみたいだな。


国境兵団なら、転移出来た方が便利だろうに。


「俺に抱き上げられるというのを気にしないのなら、俺が担いで行きましょうか?一人増えた位、負担になりませんし。」


人を担ぎ上げて、重さを感じないのはカルロスの時で分かっている。


「そ、そうなのですか!?」


「ソドムに乗って移動する手段もありますけどね。エンシェントドラゴンが街に近付けば、分不相応に攻撃する馬鹿が現れないとも限らないでしょう?人間の攻撃なんてソドムには効かないですけど、ソドムは俺の召喚獣です。俺と敵対したとみなします。」


例外はない。


今のところ、隣街に護りたい人なんていないし、俺の敵になるなら容赦しない。




「取り敢えず、昨日のゴミを排除しにいきます。……使用人諸ともでも構いませんよね?御者も護衛も、目に余るような者達ばかりでしたし。」


善人なんているんだろうか?


そんな人がもしいるなら、その人だけは免除しても良いとも思うけど、俺にはそれを特定する力なんてないし、やっぱり全員排除かな?


「さて、参りましょうか。」


ベケット男爵家の屋敷の場所は、既に知っている。


昨日、あの女を敵認定したからだろうか?


マップには昨夜から貴族街から動いていない赤いマークがある。


そこが奴等の屋敷がある場所だろう。


つまり、そこへ向かえば良いだけ。


男爵家だから屋敷を探すのは簡単だろうし、シュバルツがいるから案内も頼めるだろうけど、それだと時間がかかる。


やっぱり直接向かうのが一番早い。


シュバルツを荷物のように脇に抱え、駆けていく。


短距離なら、この移動方法でも構わないだろう。




貴族街は基本、塀の中にある。


出入りに検問があり、通行許可証がなければ入れないようになっている。


許可証がない場合、中にいる貴族へ連絡してもらい、その貴族に身分保証して貰えれば入る事が可能。


だけど今回、そんなものはない。


三メートル程の高さなら、普通にジャンプしただけで飛び越せる。


泥棒避けの防壁があるけど、俺にとっては弱過ぎて気にする事もない位。


飛び越えた先は、丁度敷地の間だった。


──運が良い。


LUCKが測定不能の恩恵だろうか?


正直なところ、嫌な奴等に出会わない方に運を使って欲しいんだけど。


そういうところではステータスが反映されないんだろうか?


ゲームでも、そういった強制イベントはあったけど、流石に頻度が高い。


やっぱり、力を隠す事を止め、何が何でもソフィアを護ると誓ったからだろうか?


この世界の人達と敵対するつもりなんてなかったのに、早々に喧嘩を買ってしまったし。


……だからといって後悔しているかと言われれば、全く思わない。


護ると決めた者達以外、どうでも良いと思うのは何故だろうとは思うけど。




ベケット男爵家の近くまで来ると、シュバルツを下ろす。


万が一にも俺の仲間だと思われたら、国境兵団部隊長の彼にとっては死活問題だろうから。


「シュバルツさんは此処で待っていて下さい。すぐに終わらせますんで。終わるまでは、くれぐれも近付かないで下さい。」


ベケット家の周りに防壁を張るから、彼に防壁は張らなくても良いだろう。


近付いたって、ステータス的に俺の防壁を破る事は出来なさそうだし、そこまで気にする事もなさそうだ。


俺の防壁が俺の攻撃に耐えられるか心配だったけど、良く考えたらそこまで攻撃力の高くない攻撃でも良さそうだし、それ位の攻撃だったら大丈夫だろうと思う。


(……でも、全員が悪人じゃない可能性は0じゃないんだよな……)


消すのは簡単だけど、後から色々と情報を耳にした時、後悔しないとは限らない。


(全員庭に出すか。視界に入っていたら害意や悪意、殺意を感じる事が出来るし。)


それから判断したって遅くはないだろう。


生命探知なら問題なく出来る。


館にいる連中を、全員移動させるのは無問題。


跳躍して塀の上に乗り、駆けて助走をつけ、館の屋根へと登る。


此処からなら庭が良く見える。


(屋根の上にいる俺に誰も気付かないようだけど、随分と穴だらけの警備だな。)


侵入防止の防壁がないけど、この家は警備力を過大評価して張っていないんだろうか?


それとも、他の家も?


そういえば、コクミック王国の城にかけられていた防壁も弱かったし……


貴族の館には防壁がないんだろうか?


──侵入し放題じゃないか。




「『生命探知』『転移』」


館にいる生命探知に引っ掛かった人達を、全員庭へ移動させる。


館へ戻られないように、庭を囲むように防壁を展開。


これだけ大勢の人を転移させたのに、身体には何の不調もないのは、やはりMPが測定不能のお陰だろう。


MPが多ければ多い程、一桁になると疲労のバッドステータスがついた筈なのに。


今の俺はしたい放題だ。


「な、何だ!?」

「……此処は……庭か?」

「部屋にいた筈なのに……」


庭に移動させた奴等が戸惑っている様子をみせているのは、当然か。


「ちょっと!何なのよ、これ!?」


中にはやはり、あのウザい女がいた。


その近くにいる成金っぽい壮年の男が、雰囲気的にベケット男爵なのだろう。


ゴテゴテと着飾っていて、趣味が悪い。


そして──


館ごと消し去らなくて良かったと思ったのは、鎖に繋がれていたらしい、傷だらけの奴隷が二人いた事。


(人族至上主義者か……?)


その奴隷達以外は、全員が人間。


奴隷の二人は、亜人と呼ばれる獣人達。


(ストレス発散のサンドバッグ扱いをしていたんだろう。)


ゲームでもそういう奴等はいた。


確か、『人族至上主義』を掲げている宗教は、貴族に支持者が多いんだったっけ?


(……まあ、どうでも良いか。)


そんな事より、ある方法が頭によぎった。


(そうだ。詳細鑑定をすれば、悪行を特定出来る。)


性格すら表示されるのだから、“民達へ横柄な態度をとる”とかでも表記される。


それらを踏まえて判断すれば良いだろう。




††††††††††


〈アレクシス・ベケット〉

ベケット男爵家当主 38才

金にがめつく、闇ギルドと隠れて通じていて、私兵に紛れ込ませている

国から余剰に金を受け取れないか、いつも画策している

自分の立場を護る為なら、何でもする屑

金で何でも解決出来ると本気で思っている


〈フィオナ・ベケット〉

ベケット男爵家令嬢 17才

我儘が服を着ているような女

見目の良い男を見繕ってきては、強引に護衛にしている

但し、社交界での評判が悪く、17歳という年齢ながら未だに婚約者がいない


〈クレイ〉

ベケット男爵家筆頭執事 56才

前当主の時からベケット男爵家に仕えている

貴族は“選ばれた者”という認識があり、長年重宝されている自負がある

その為、自分は執事として特別だと思っており、かなり高圧的な態度をとる


〈アーロン〉

ベケット男爵家専属庭師 37才

部下達に仕事を押し付け、自分は指図するだけ

それが日常で、当然だと思っている

無理難題を押し付ける為、潰れる見習いが多いが、“根性がない”と切り捨てている


〈ジャン〉

ベケット男爵家専属コック 34才

ふくよかになっていく当主に、当初はヘルシーな料理を作っていたものの、その当人に怒鳴られた為、要望通りの油たっぷりの濃い味の料理ばかり作っている

長いものに巻かれるタイプのイエスマン


〈ニア〉

ベケット男爵家に買われた奴隷

犬人族 21才

借金奴隷で、元々は執事見習いとして売られていた

ベケット男爵家に来てから、ストレス発散の為の暴力を受け、食事もまともに与えられていない為、かなり衰弱している


〈シス〉

ベケット男爵家に捕まった奴隷

白狐族 12才

珍しい事から拐われて、奴隷にされた

当初は抵抗していたものの、暴力に屈した

食事を摂らずに餓死しようとしても、無理矢理低級ポーションを飲まされて死ぬ事も許されず、心が病んでいる


††††††††††


うん、クズばっかだな。


私兵も殆どが闇ギルド所属。


奴隷達に至っては、あり得ない待遇にされているし、流石に可哀想だと思う。


特にシスは誘拐の末みたいだし。


誰も館に戻らないように、庭を囲うように結界を張る。


(取り敢えず、奴隷になっている二人は隔離だな。)


正式に奴隷となっているニアは受け入れ先に困る事はないだろうし、誘拐されたシスもシュバルツが何とかするだろう。


もしも受け入れ先がなかったら、最悪、俺の家へ連れていく事になっても構わない。


……何もない家だけど。


「『転移』」


二人を俺の側へ移動させる。


驚く顔が俺に向くけど、気にせず防壁をかける。




「約束通り、消しに来たぞ。」


声をかけると、一斉に此方へ視線が集まった。


「あっ!昨日の男!」


俺を指差す女。


……指を折ってやろうか。


そんな事を思ったからだろうか?


瞬間的に威圧が発動したようで、見えている顔が一斉に顔色を悪くした。


「……っ、貴様、私が誰だか分かっているのか!?」


青褪めながらもそんな言葉を口にする男。


「闇ギルドに通じている犯罪者。」


だけどそう告げると、“何故知っている?”とでも言いたげな表情を浮かべた。


「俺の情報は、ある程度聞かされている筈だろう?……それとも何だ?それ以前に問題を起こして切り捨てられたから、通達されていないのか?」


もしそうだとしても、“さようなら”するのは変わらないが。


「ニア、シス、お前達の手で復讐したいかも知れないが、それは叶わない。奴等は俺が消すと決めているからだ。」


名前を呼ばれた事に驚く様子を見せた二人。


だけど今は、ゴミ掃除が先。


「『火嵐』」


火属性の中級魔法だ。


これなら俺の防壁や結界を破る事はないだろうし、上級魔法の業火のように、何も残らないという事にはならないだろう。


……骨とかよりも、貴族らの身につけている貴金属の回収の為って理由が主だけど。


「「ギャア──」」


業火より火力が低いからか一瞬絶叫が聞こえたけど、直ぐに聞こえなくなった。


防壁はきちんと残っていて、館は無事。


悪事の証拠も残っているだろうし、資産没収も簡単だろう。


後はこの奴隷になっていた二人を、シュバルツに引き渡すだけ。


「『浄化』」


熱波が広がらないように浄化し、二人は結界で包んだまま移動させる。


……流石に二人追加で担ぐのはな。


出来るだろうけど、無理する事はないだろう。




屋根から塀へ、そして地面へと飛び降り、シュバルツの元へ。


「…………」


「?シュバルツさん?終わりましたよ?」


口を開けたまま呆然としているシュバルツの顔の前で手を振っても、微動だにしない。


何度か声をかけ、身体を揺さぶって、やっとの事で彼が正気を取り戻したのは数分後だった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ジャン可哀想ww なんもしてないのにw
2023/07/10 21:31 退会済み
管理
[一言] 殺ったぜ(おい
2020/02/09 16:08 退会済み
管理
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