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剣と盗み

魔ねき猫です。

誤字脱字があれば報告して下さい。

評価、レビュー、感想、ブクマしてくれると嬉しいです!


もしかすると毎日投稿では無くなるかもです!



もう1人のレンがいなくなった後、レンはいつか見た夢を思い出す。

あの日から会っていないが、鮮明に覚えている。


レンは二重人格だったのだ。

だが最近までそれに気付いていなかった。


「これが今回の謎解きの宝か」


床に落ちていたのは、立派な剣だった。

レンがナイフを拾うと、不思議な空間から神殿の前まで戻っていた。


「やっと帰ってきた!

 レン、どうだった?

 自分と戦う気分って!」


ナターシャはレンがやられたと思っていながらも聞く。


確かレン以外は全く一緒の自分と戦っていたのだ。

実際に戦って見ると、攻撃方法はバレバレで、同じ行動をして来るのだ。


勝てる筈がないので、ここの学生は誰も挑戦しなくなった。


「あ、ああ。それが...倒したらこれが貰えたんだ!」


「え!?勝ったの!?」


ナターシャはニヤついた顔から一変、ビックリした顔になった。

レンはもう1人のレンを倒した際に貰った剣をみんなに見せる。


「これは...剣?」


カリムが言った。

本の次は剣だ。


謎が謎を呼ぶとはまさにこれの事だろう。

今回に関してはレンが圧倒的に有利だった事だ。


だが何故神殿の謎が解けないのかは分かった。

二重人格でないと倒せる筈がない。


レンは剣を腰に下げる。。


「カリムの言う通り、今回の宝は剣だった。

 これも本と同様に何処かで使うのだろう」


この後ナターシャとカリムにお礼を言って解散した。


レンとシャルは寮に帰った。

今回は大人しくしていたヨミは、帰って早々人の姿になり、レンに引っ付く。


「ご主人様ー!」


レンが椅子に座ると、いきなりレンに抱き付くヨミ。

レンは今日獲得した宝、剣を見ていた。


レンが剣を見ていたのに、ヨミはその剣を取ってしまう。


「やっぱり!これは修羅の剣です!」


「この剣を知っているのか!?」


ヨミはこの剣を知っているらしい。

ヨミは再度じっくり剣を見て確証した。


「これは修羅の剣と言うものです。

 全ての悪を斬ると言われている神の剣です」


悪を斬る剣。

まさかこの先の謎を解く時に使うのだろうか。


レンは視線を修羅の剣に戻し、それを凝視する。


「私もその剣の話を聞いた事あるわ。

 でもこの剣なの?私は実物を見た事がないから分からなかったけど」


「これがシャルちゃんが聞いた剣ですよ...

 まさかアルスマグナ魔法学園にあるなんて」


結構有名らしい。

だがレンはこの世界に来てまだ日が浅い為、この世界の昔話など聞いた事が無い。

だがヨミとて一緒のはず。


「ヨミは何処でそんな事を知ったんだ?」


「何故か聞いた事、見た事があるんです。

 前世の記憶...とは違うような」


「ヨミにも事情があるんだな」


ヨミは難しそうな顔をしていた。

レンもその顔を見て悟り、深くまで聞かなかった。


「でも私てっきり逸話だと思っていたわ。

 この剣は【始祖の魔法使い】を討つために作られた物って話だったけどね」


だからシャルは知っているんだ。


シャルは【選ばれし魔法使い】の1人だから【始祖の魔法使い】の事に関した話は聞かされるのだろう。

テーブルに置かれた剣を眺めるシャル。


「もしかしてあの本もこのくらい有名な物だったかもしれないな。

 歴史に残されていないだけで」


「そうなのかも!

 ますますあの本について気になって来たわ」


シャルは天井を見つめながら言う。


その後3人は食事やお風呂を済ませ、リビングでゆっくりしていた。

剣に関しては、流石に女の子の部屋に剣を置いてけないと思って、レンの部屋に置いた。

剣の大きさだとなくす心配など無いからな。


レンはヨミを撫でながら時間を潰していた。

シャルはソファに座りながらウトウトしていた。


「ご主人様、シャルちゃんを連れて少し離れていて下さい」


「分かった」


ヨミがベランダの方を見ながら急にそう言ったので、レンは疑問を持ちながらもシャルを起こして台所の方に行く。

数十秒後、何か大きな音を立てて庭に何か落ちる様な音がした。


3人は恐る恐る近づくと、そこには【宿りの箒】と気絶しているザリオンの姿だった。


「なんで俺の箒とザリオンがいるんだよ!

 盗んだのか?」


「とにかく私は先生達を呼んでくるわ!

 レンはザリオンが逃げないか見ていて!」


レンはザリオンが逃げないように見ていると、先生達が来た。

ローレッタ先生とシャーロット先生、そして学園長が来た。

そして何故かイラも来た。


「分かった。

 ザリオン君には適切な処置が下ると思うから」


シャーロット先生に事情を話したら、レンとシャルは本当に関係ない事が分かってくれたので良かった。

ザリオンはローレッタ先生に医務室に連れて行かれた。


だがザリオンは大丈夫なのだろうか。


乗るものを拒む【宿りの箒】に勝手に乗ったんだ。

三大魔法学園競技大会でイラやサラサそしてヨミを乗せてやってくれとレンガお願いした場合は問題無かった。


だからレンが許可した人は乗れるが、【宿りの箒】はレンが許可していない人を乗せると、死ぬ又は不幸になると道具屋のおじさんや先生達も言っていた。


「ザリオン、何事もなければ良いが...」


「もしかして自分の箒を盗んだ相手に同情してるの?」


「まさか!

 だが知り合いが不幸になるのは目覚めが悪い」


ザリオンは悪い事をしたのだ。

それなりに罰を受けないとレンも納得しないし、ザリオン本人の人生の困難を強いられる事になる。


この事については後日報告すると学園長から言われた。

先生方は色々と調べた後、夜も遅いので帰って行った。


その夜は何事もなかったかの様に寝た。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ここは太陽が昇らない世界。

この世界に一つだけの建物が建っていた。


その屋敷の中にレンが、シャルの世界に行った時に会った能のお面を付けた女性がいた。


「そうですか!そうですか!

 まさかイヴが魔法界に来ていたとは...!」


「私はこの目ではっきりと見ました」


能のお面をつけた女性は、ジャック・オー・ランタンを被った身長4メートルの高身長の男と話していた。

不気味に笑う表情をしているパンプキンは喜ぶ。


()()()()()イヴと話をしたと言っていましたね?

 羨ましい限りです!」


女性の後ろに控えているエヴァンと呼ばれる者4人。


喜の表情を表している仮面を付けている【ヨロコビ】

怒の表情を表している仮面を付けている【イカリ】

哀の表情を表している仮面を付けている【カナシミ】

楽の表情を表している仮面を付けている【タノシミ】


「イカリはイヴを助けた様ですね。

 感謝します!」


「私は早くイヴを連れて来た方が良いと思うけど?」


悪魔の姿をした女性が笑顔で言う。

それに応えるかの様にパンプキン頭の男は言う。


「それも良いですが、イヴを無理矢理連れてくるのは私としても怒られてしまいます。

 アクーはイヴを求め過ぎなのです。たまには待つ事も大事なのですよ?」


アクーと呼ばれる女の子の悪魔は頬を膨らましてパンプキンを睨む。


「ジャックは落ち着き過ぎだよぉー!

 私は早く会いたいの!」


「貴方の様な発情期の猿みたいな女性は、イヴの世継ぎには向いていません」


能のお面を付けた女性は冷たい言葉をアクーに投げかける。

腹を立てたアクーは、高級な椅子から立ち上がる。


「シズクには話しかけてないわよ!」


「まぁまぁ!2人とも喧嘩をしたらイヴが悲しみますよ!

 近い内必ずイヴは私達の元へ帰ってくるのですから。

 気長に待ちましょう!」


ジャックの言葉を聞いてエヴァンは消える。

彼らは任務を続ける為に世界を跨ぎ、悪人を殺す。


「イヴが復活したのです。今こそ闇が世界を覆う時...

 久し振りに皆さんを呼びましょう!」


ジャックはそう言うと、同じ部屋にいるアクーやシズク、他の人も消えて行った。



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