帰宅
魔ねき猫です。
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「で、お兄ちゃん。この子は誰?」
今の状況は、蓮はリビングで正座をしている。
理由は、帰ったのは良いが、やはりヨミの事について舞に問い詰められている。
沙霧さんは今仕事で家を留守にしている。
と言う事は、舞を落ち着かせる存在が今はいないと言う事になる。
「ヨミは俺の......」
「お兄ちゃんの?」
考えが浮かばない。
舞にはヨミは蓮の事をご主人様と呼んでいる事は知っている。
だからなんて言えば良いか分からない。
呼び方を直させるのを忘れていた。
「と、友達だ...」
「お兄ちゃんは友達の、しかも可愛い女の子に『ご主人様』って呼ばせるんだー!」
「それはヨミが勝手に呼んでるだけで...」
「そうです!私が勝手に『ご主人様』と呼んでるだけです!
ご主人様は悪くありません!」
ヨミが蓮の味方をする。
だが、舞からするとその行動が面白くなかった。
「お兄ちゃんは私よりヨミちゃんを取るんだ...」
舞は蓮を睨む。
蓮は背筋を伸ばしてしまう。
まさに蛇に睨まれる蛙の気分だ。
だが蓮は女性と言う生き物が静まる言葉を知っている。
「許してくれたら何でも言う事を聞くから!
許してくれ!」
これをヨミに言った時はすぐ機嫌を直した。
「何でも......?」
「何でも!」
逆に同じ手口だと分かったヨミは、横から蓮を睨んでいるが、こればっかりはしょうがない。
舞は「何でも」と聞こえるか聞こえないかの声量で呟く。
その後ニヤニヤしていた。
「じゃあ、今日だけ一緒に寝て?」
「また一緒に寝て、か!」
「また?」
やらかした!!
ヨミと同じお願い事だったので、またかと思って言ってしまった。
舞がジト目でこちらを見ているので、早く誤魔化さないと面倒くさい事になる。
「何でもないです。
俺が居ない間、舞は元気してたか?」
蓮は正座からソファに座ると、舞とヨミも左右に座る。
何故かデジャブを感じるのは俺だけか?
「お兄ちゃんが寮に行って、特に何も無かったかなぁ。
あ!そういえば女の人が来たよ!
天草くん居ますかって」
蓮の知り合いは少ない方だ。
近くとはいえ、引越したのだ。
魔法界の人にしては訪問が速すぎる。
「どんな奴だったんだ?」
「綺麗な人だったよー?
まさか彼女さんじゃないよね?」
「ち、違う。
彼女なんて出来ていない」
シャルの事を一瞬考えてしまったが、蓮は否定する。
「なら誰だったんだろう。
名前聞きそびれちゃったから」
意外な所で抜けている。
舞も成績優秀でスポーツ万能らしい。
蓮の周りには完璧な人しかいない。
女の子が家に来たって言う事は覚えておこう。
時刻は変わって、沙霧さんが帰って来た。
久しぶりに見ても、老いの一つも感じさせない容姿は凄いと思ってしまう。
沙霧さんにヨミの事を紹介すると、意外にも納得してくれた。
「ヨミちゃんは食べれない物はあるの?」
「ありません!」
沙霧さんが晩御飯を作り終え、みんなで食べている。
ヨミは大きな声で返事をすると、沙霧さんは笑顔で頷く。
ヨミのお皿には様々な食材が綺麗に並べられていく。
「ところで、お兄ちゃん。
お兄ちゃんは何処の学校に行ってるの?」
蓮はいきなりの質問で、困惑し箸を落とす。
その箸を拾いつつ、良い誤魔化し方がないか考える。
「アルスマグナ学園だよ。
楽しい学校だよ!」
ここはヨミには黙ってもらおうと考える。
ヨミにはアイコンタクトで伝える。
「ご主人様、魔法学園ですよ!」
「「え...?」」
ヨミは笑顔で爆弾発言をする。
その言葉の意味が分からない沙霧さんと舞の声が重なる。
「ヨ、ヨミって電波な子だから無視して良いよ!」
自分の使い魔を電波な子と言うのは、少々気が引けるがしょうがないだろう。
「そうなんだ。ヨミちゃんって面白いね!」
舞が納得してくれた。
未だに沙霧さんが怪しんでいたが、気にせずにご飯を食べた。
食事の後、蓮はお風呂に入っていた。
蓮は長風呂だ。
お風呂の中でぼーっとしていると、磨りガラスの向こう側で誰かが着替えているのが見える。
シルエット的にヨミだ。
「今は俺がお風呂に入ってるよー!」
先客がいる事を伝える為に、少し大きな声で言った。
すると、蓮の言葉を無視して読みが入って来た。
「ヨミ!?
入ってるって言ったよな!?」
バスタオル一枚巻いて、ヨミは入ってくる。
いくら巻いていると言っても、肌とバスタオルが密着している為、体のラインが見えてしまう。
「はい!でもご主人様のお背中を流そうと...」
「そういうのは良いから!」
「それではご主人様の使い魔失格です。
お背中を流すまで私はここにいます!」
ヨミは頑なに蓮の背中を流そうとする。
ヨミは椅子に座る。
蓮の高さから、ヨミの...色々が見えそうになってしまうので、目を閉じる。
しょうがなく、蓮は浴槽から出て、もう一個の椅子に座る。
「やっとお背中を流される気になりましたか。」
「何で俺がわがまま言ってる感じになったんだよ」
ヨミは蓮の背中を一生懸命ゴシゴシ洗う。
蓮の黙っている。
「お兄ちゃん、私も入るね!」
「え...?」
待て待て待て!!!
これって修羅場っていう奴か!?
蓮が内心凄い焦っていると、ヨミは何食わぬ顔でゴシゴシと洗っている。
お風呂の入り口が開くと、舞がいた。
舞はこの状況を見て固まる。
蓮も一身に一点を見つめる。
この場で動いているのはヨミだけだった。
数秒後、舞が口を開けた。
「お兄ちゃん...これってどういう状況かな?」
舞は笑顔で問い詰める。
目が笑っていないのが、鏡の反射で分かる。
「ヨミが俺の背中を流してるって状況ですね」
「ご主人様のお背中を流すのは私の役目ですから!」
「なら私は頭を洗ってあげる!」
結局ヨミは背中を流して、舞は頭を洗ってくれた。
お風呂から出ると、今度は蓮の自室にヨミと舞が来た。
お風呂の一件で疲労が溜まっている蓮は、死にそうだった。
「ヨミちゃんは、どうせ毎日一緒に寝てるんでしょ?
なら今日ぐらい変わってよー」
「しょうがないですね。
ご主人様の妹さんですから、ここは引きます」
今日だけという条件で、ヨミは舞の部屋で寝る。
舞は蓮と二人きりで寝る。
舞は蓮のベットで寝かせ、蓮は床に布団を敷き、そこで寝る。
部屋の電気を消すと、月明かりが部屋を少し明るくする。
月明かりというものは、存外馬鹿にできない。
人が思っているより明るい。
月明かりのせいで、舞の顔が見える。
「お兄ちゃんもこっちに来て?」
「ダメだ」
きっぱりと断ると、舞はしょんぼりする。
そんな姿を見ても蓮は御構い無しだ。
「何ヶ月もお兄ちゃんと離れ離れになって、私寂しかったんだよ?
夏休み入って、やっと帰ってくると思ったら知らない女の子連れて帰ってくるし」
「分かったよ。
一緒に寝てやるから、ヨミと仲良くしてくれ」
結局蓮は折れてしまう。
蓮は自分の布団から出ると、舞が寝ているベッドに入る。
舞はわがままが通じたせいか、笑顔で蓮を見る。
「お兄ちゃん大好き」
「変なこと言ってないで寝ろ!」
舞はクスクスと笑って目を閉じる。
蓮はカーテンの隙間から入ってくる月明かりを見ていた。
舞がバレていないだろうと思い、蓮の腰に手を巻いてくるのを、内心笑いながら...
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