法の執行人
魔ねき猫です。
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いくら探しても見つからない。
箒で数十分探しているが、人影一つない。
「イラ、サラサ...どこにいるの...」
時間が経つ程、シャルの心は不安に染まっていく。
先程スザクを飛ばして一緒に探してもらっている。
「シャル、ここにはいません。
あちらを探して見ては?」
「分かったわ」
スザクに言われた方に箒を向けようとすると、シャルのポケットから僅かな振動が伝わる。
ポケットから取り出したのはレンの世界で言う所の電話だ。
それは形はボールの様なものだ。
それを地面に投げると、相手の姿が出るという仕組みだ。
「ユユさん?どうしたのですか?」
「シャルちゃん!今何処にいるの!?
アマクサ君が...!」
「え...?」
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ユユさんに言われてシャルは急いで会場へ戻ると、イラ達とヨミちゃん、それにナターシャとカリムがいた。
走って近寄ると、イラとサラサには傷があった。
サラサは気を失っている様だが、イラは意識があった。
だが生きているみたいだ。
安心した。
「シャル、ごめん...なさい...」
小さな声でイラ言った。
どうして謝るのだろう。
シャルは種目で負けてしまったことを言っているのかと思った。
だからシャルは笑顔で言った。
「どうして謝るの?
イラとサラサが帰ってくるだけで私は嬉しいよ?」
「違うの...そうじゃなくて......」
ここでシャルは周りの人の顔に違和感を覚える。
イラとサラサが無事だったのだ。
大変嬉しい事なのに、誰一人それを喜ぶ者はいない。
ユユさんやヨミちゃんは俯いたまま話さない。
「どうしたのみんな...レンは?
レンは何処なの?」
シャルは気付いたのだ。
この場にレンがいない事を。
そしてこの空気...何かがおかしい。
「シャル、本当に......ごめんなさい」
何度もイラはシャルに謝る。
誰もシャルの質問に答える様子は無い。
数秒後、ヨミちゃんが口を開ける。
「シャルさん。落ち着いて聞いてください。
イラさんとサラサさんをこんな傷だらけになったのは事故ではありません」
「え?」
シャルは驚く。
イラとサラサは【選ばれし魔法使い】だ。
その二人をこんな目に合わせれるのは事故以外何者でも無い。
「イラさんとサラサさんをこの様にしたのは【ストゥルティ】です。
私とご主人様はシャルさんを探している途中にその【ストゥルティ】に会いました。
ご主人様は私達を逃す代わりに、自らを犠牲にしました」
「どういう事?
この二人を倒す敵なんて、レンが倒せる筈ないじゃない」
シャルの言葉に誰も返せれない。
その意味はレンの生存確率は低い、もしくは連れ去られているという事だ。
誰も返答しない様子を見てシャルも感ずく。
「レンを助けに行かないと!」
「シャルさんが行って、もしやられてしまうとご主人様に怒られてしまいます!」
シャルが箒に乗って、場所も分からないレンの居場所兵へ行こうとするが、ヨミが止める。
「ヨミちゃんもこのままでいいの!?
レンが死んじゃうかも知れないんだよ!?」
「シャルちゃんもヨミちゃんも落ち着いて」
ユユさんが二人を鎮める。
この場で何を言おうと状況は変わらないからだ。
「ヨミちゃんがまだここに存在してるって事はアマクサ君もまだ生きてる証拠だわ。
取り敢えず、私は【魔の法の監視者】に報告します」
エヴァンと言うのは魔法界を監視する者達の事だ。
全世界を監視しており、違反者には永久に追われるらしい。
捕まった場合は、死ぬよりも辛いことが待っていると言う。
エヴァンの姿は一つ目で、鎖の魔法を使うと言われている。
彼らは人によれば【選ばれし魔法使い】よりも最強だとも言われている。
だが彼らは【始祖の魔法使い】との戦いでは現れていない。
詳細は不明のままだ。
「彼らに任せてもいいのですか?」
シャルは心配していた。
と言うよりもエヴァン自体信用していなかった。
「私が保証します。
彼らは全ての世界の監視をしている者達です。
レンを必ず救ってくれるでしょう」
そう言ってユユさんは何処かへ行ってしまう。
シャルは黙ったままその場に座り込む。
シャルは心底自分は馬鹿だと感じた。
この気持ちはバディだから悲しいとか、同じ屋根の下で暮らしたから悲しいとかじゃない。
レンという人間が、魔力がないくせに一番危ない道に進んで行くレンが.....
『好き』なんだ。
この気持ちの正体に気付くには、少しタイミングが悪過ぎた。
だがレンが死んでしまう前に気付いて良かったと思った。
「私は【選ばれし魔法使い】の一人なのに、好きな人を救えないなんて...」
「え?」
そこでナターシャが反応する。
ナターシャは少し残念な顔をして「そう...だよね」と言った。
悲しみに明け暮れているシャルには、ナターシャの声は聞こえなかった。
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遠くなる意識の中、微かに見えるのはこちらを見て笑っている男の姿。
数十メートル先には【スカイ】がある。
ボロボロな体では取りに行ける距離では無い。
レンは瀕死の状態だった。
最初は頃合いを見てマガジンを変えらがら【ストゥルティ】の男と攻防をしていた。
だが男は遊んでいたのだ。
男の波動魔法というもので魔弾は愚か、近づく事も出来ない。
レンは徐々に諦めていった。
そして今の状況に陥る攻撃をされた。
波動魔法で吹き飛ばされてレンは、そのまま体を地面に着地させる。
そして【スカイ】を、数十メートル先の男に向ける。
瞬きを数回繰り返す間に、男はレンの目の前にいた。
レンは焦って後方へ逃げようとするが、結果間に合わなかった、
男はレンの腹に手を合わせると、一気に波動魔法を放った。
レンの口からは血が出てくる、
波動魔法の衝撃で、とうとう内臓が欠損したのだろう。
そのままレンは後方へ吹っ飛び、その時に【スカイ】を離してしまった。
ミラ戦でナイフに時空魔法を彫っていたが、【スカイ】には何もしていない。
レンはかろうじて息をしている状態だった。
相手は本気では無かったのだろうなと思いながら、レンの瞳からは涙が出ていた。
「そろそろ限界か?
組織に連れて帰るか」
男は、もう動く事もままならないレンの足を掴むと、逆さまのまま森を離れようとする。
レンの意識は薄れていく一方だ。
最後に見えたのは、鎖を持った何者かがいた。
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