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手紙と来訪者

魔ねき猫です。

誤字脱字があれば教えてくれると幸いです!


俺の名前は天草 蓮(あまくさ れん)

今年で13歳になる。


両親はいない。

俺が生まれてすぐ死んだらしく、お婆ちゃんが面倒を見てくれてたけど、体調を壊してしまった。


そのせいでお婆ちゃんは入院し、今は親戚の家に向かっている。


死んだ親の顔は分からない。

だが形見のネックレスがあれば問題ない。


これからは、中学校に上がるときに、異母の天草 沙霧(あまくさ さぎり)と言う親戚の家で、育ててもらう予定だ。

一つ下に義妹の天草 舞(あまくさ まい)がいるらしい。


手にある目的の場所が書いてある紙を見ながら道を選んでいく。

そして目的の家に到着した。


緊張して指が震える。

徐々に近付く呼び鈴のボタン...

そしてインターフォンを鳴らす。


「はーい」


ドアが開いて出て来たのは、若々しくも大人の美しさがある女性が出て来た。

髪の毛は黒で、大人の女性って感じで落ち着いている。


優しい顔をしていて、安堵する。

これが強面の男の人が出てきたら、この先の心配をする。


「こんにちは。あの、ここって天草 沙霧さんの御宅でしょうか?」


「こんにちは。あなたが蓮君?

 入って入って!」


この人が沙霧さんか。

じっくり見ると、その見た目の若さが分かる。

シワの一つもない、魔女見たいな人だ。


そわそわして家の中へ入る。


豪華な装飾品も無く、無駄な家具も無い。

実に良い家だ。


「舞!蓮君きたわよー!」


二階に続くであろう階段から、テクテク降りてきたのは可愛らしい女の子だった。

長い髪をツインテールで纏めて、一つ下とは考えれないぐらい少し小柄かな身体。


「舞です。これからよろしく。お、お兄ちゃん」


「よろしく。舞ちゃん」


すると、先ほどまで顔を赤らめていた舞ちゃんが、プゥっとほっぺを膨らました。

これは、明らかに()()()()()


そういう雰囲気を醸し出す舞に、レンはびっくりする。

なぜ怒っているのか...それが謎だった。


「ま、舞って呼んで。ちゃんはいらない。」


なんだ。そういう事か。


「分かったよ、舞」


レンは照れ臭そうにいうと、舞の頬も赤らめていた。


「うん」


舞は満足したのか、二階へ上がっていた。

そんな会話を聞いていた沙霧さんがクスクス笑っていた。


「あの子、照れ屋さんだから、許してあげて?

蓮くんの部屋は、二階に上がって右に行ったらあるから。」


「分かりました」


舞が上がって行った階段を上がって行く。

右に曲がって目の前にあるドアを開ける。


「これがお兄ちゃんの匂いか〜」


そこには、蓮の枕を抱き抱えて、匂いを嗅ぐ舞の姿があった。

取り敢えず、一旦ドアを閉めよう。


そして一旦考えようか。

どうして今来た男の枕を匂っているんだ?


そしてもう一度ドアを開ける。


「お兄ちゃん、ここがお兄ちゃんの部屋だよ」


おぉ。何食わぬ顔で座ってる。

否、少し顔が赤い。

これは敢えて触れないでおこう。


「ちゃんと荷物が届いてるな」


「そうみたいだね。じゃあ私、自分の部屋にもどってるから」


そそくさと蓮の部屋から出て行く舞。

引越しの際に、新しいベッドに買い替えているのは言わないでおこう。


晩御飯が出来るまで少し時間がある。

荷物の整理っと。


「ん?なんだこれ」


まるで魔道書みたいな分厚い本がある。

その本を開くと同時に、一通の手紙が落ちた。


「アルスマグナ魔法学園への招待状?」


「お兄ちゃん、ママが晩御飯できたって!」


いきなりドアを開けるものだから、咄嗟に手紙を隠してしまった。

その行動に違和感を覚えたのか、舞が怪しむ。


「お兄ちゃん、今何隠したの?」


ニコニコしながら、そしてゆっくりと近づいて来る。


蓮もそれに合わせて少しづつ下がる。

とうとう壁に当たり、追い込まれる。


「蓮くんー?舞ー?ご飯冷めちゃうよ!」


一階から沙霧さんが、蓮たちを呼ぶ声がする。

ナイスタイミングと心の中でガッツポーズをする。


「今降りるよ!

 後でしっかりと聞くから。」


「は...はい」


舞が先に降りていった。

再び手元にある手紙を見る。


「魔法学園なんかあるなら入って見たいな。

 魔法学園があればの話だけどな」


その時は何も考えずに、手紙を机の引き出しに入れて一階へ降りた。


その夜、中々寝付けなかった。

その訳が、ここの家に来て最初の日だからなのか。

舞が手紙の事をずっと聞いて来たからか。

あの手紙のせいなのか。


色々考え事をしていると、日をまたいでしまった。


ふと窓を見た。

黒い物体が段々と大きくなる。


「何だ?こっちに...飛んで来る!!」


驚いて、窓から距離を置く。

目をつぶって時間が去るのをただ待つだけだった。


優しく窓をノックする音で、そっと目を開ける。


「え...?」


ここは二階のはずなのに、いたのは箒に跨った魔女だった。

夜と言う闇を支配する中に、月と言う光に照らされている姿はどこか神秘的だった。


魔女はもう一度窓をノックする。


蓮は急いでドアを開ける。

魔女は蓮の部屋に入ると、どこから出したか分からない長い杖を持っていた。


「貴方が天草 蓮くんですね?」


「そうですけど」


綺麗な顔立ちをしている。

髪は長くて、身長は高い。


「私は、アルスマグナ魔法学園で生物魔法を担当しています。ローレッタ・ローラと言います。」


アルスマグナ魔法学園。

夕方の時に見た手紙に書いてあった名だ。


「そのローレッタ先生?はなぜここへ?」


「天草くんは魔法学園の入学条件にクリアしました。

 なのでお迎えにあがりました。」


「入学条件?」


「はい。一定の魔力量を越えれば入学条件は達成します。」


「魔力?俺魔力なんて知りませんよ?」


「な...何も聞いてないんですか?

 いえ、何でもありません。」


何か知ってそうな発言だったが、今はそれどころじゃない。


「魔法学園ってどこにあるんですか?」


「異世界です。なので魔法学園は寮で生活することになります。」


魔法なんてものがあるなら使って見たいし、出来れば学びたい。


「天草くんは、アルスマグナ魔法学園へ入学しますか?」


だが躊躇った。

こんなにもよくしてくれる家に来たのに、魔法学園へ行くなんて。


「急に決断を出せとは言いません。少し考えてもいいですが」


「母や妹には、普通の学校へ行くと思わせることって可能ですか?」


これが一番の策だ。

「異世界に行く」なんて沙霧さんには言えない。

舞に言うなんてもっとダメだ。


「記憶を少し書き換えるだけですので、問題はないです」


「なら入学しようかな」


沙霧さんや舞には申し訳ないけど、魔法には興味がある。


「では、明日の昼にお迎えに上がります」


ローレッタ先生は箒に跨り、来た方角へ消えて行った。

明日の昼には荷物をまとめておかないといけない。

その前に舞...か。


舞が駄々をこねる姿が、眼に浮かぶのがまた笑える。

明日を楽しみにしつつ、蓮は眠った。


蓮が入学を決めた瞬間に、運命は決まっていたのかも知れない。

世界が大きく変化することが。


これは、最強の魔法使いが生まれた話だ。



妹って...良いですよね。

しかも義妹なんて...羨ましいです。

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