新入生歓迎会
魔ねき猫です。
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新入生歓迎会の会場は、落ち着いていて、少し賑やかだった。
レンの隣にいるのは、元の世界では見ることが出来ないほどの、美少女シャルがいた。
普段の制服姿ではなく、大人の女性って感じの正装だ。
レンは会場を見渡す。
「見たことがない人もいる。
耳が長い女の子も...」
普通の人より長い耳を不思議そうに見ていると、その子と目が合った。
ニコリと微笑みかけられたレンは、小さく手を振る。
「確か...あの子は【選ばれし魔法使い】の【癒しの魔法使い】よ。エルフ族のササ・ルポゼ・ティーナね。
レンはエルフ族を見るのは初めてなの?」
「あの子が【癒しの魔法使い】...しかもエルフなんて。実際に見るの初めてだ。
神秘的な人だな」
エルフ特有のオーラというか。
やはり実際に見ると感動する。
「あら、こんにちは。シャル、隣のお方は?」
シャルに話しかけて来たのは、如何にも貴族って感じの雰囲気を醸し出している女の子だった。
髪の色は金色で、スタイルはなかなかのモノ。
「イラじゃないですか。この人は私のバディのアマクサ・レン。
レン、この人はイラ・ニヒル・マーシェ。【選ばれし魔法使い】の一人【無の魔法使い】です」
シャルは大人の雰囲気だが、この子は子供っぽいな。
髪は短く、身長も低い。何がとは言わないが、絶壁だな。
「ふふふふ。この人がシャルのバディ?
魔力が感じられない人...この人があの...」
まるでレンを品定めする様な目で、じっくりと見ている。
ジロジロと見られるのは、あまり好きではないので、やめてほしい。
「あの【創造の魔法使い】と謳われたシャルのバディが【忌み子】なんて...笑えますね!」
突然、レンの事を【忌み子】と言うイサ。
レンも魔法陣を調べている時に見て、いつしか言われると思っていた。
この魔法界では魔法が全てだ。
魔法が使える者が集まるこの世界で、魔法が使えない者なんて呪われているに決まっている。
そんな偏見で生まれたのが【忌み子】
「それと、星降りがありました。
例のあの事についてでしょう。
では、私はこれで」
不思議な事を言って、イサは別の場所に行ってしまった。
シャルは緊張した様な顔だった。
星降りについて何か聞こうとした瞬間、会場の壁が大きな音を立てて爆発した。
「な、なんだ!?」
爆発した方を見ると、何人かの生徒が負傷していた。
会場は混乱の渦に飲まれていた。
負傷した生徒に近寄るササ。
回復魔法を使い、生徒の傷を癒しいていく。
「流石【癒しの魔法使い】だ。
傷が治っていく。」
ササの魔法を見たレンは、感動した。
しかし、レンは違和感を感じ、ササの上空を見る。
そこには箒に乗った3人の魔法使いがいた。
「シャル!あそこに魔法使いが!」
先に気付いたレンは、シャルに教える。
「あの3人がこの爆破を...?」
3人の魔法使いが辺りを見渡している隙に、レンは魔法陣を使い、ササに防御魔法を張る。
シャルは、魔法を使って自分の箒を手元に呼ぶ。
「貴方達、何者?なぜこんな事したのか、分からないのだけれど?」
3人の魔法使いは、シャルの呼びかけには応えなかった。
だがシャルには一つ分かった事があった。
襲撃してから、時間が経つ程顔に焦りが出て来た。
シャルは時間稼ぎをする為に、3人を攻撃した。
創造魔法で造られたのは、速さに特化した雷魔法
「こんな魔法知らな...まさか!
【選ばれし魔法使い】の一人【創造の魔法使い】クレアか!」
箒に乗っていた3人の魔法使いは、逃げることで精一杯で何も出来なかった。
「邪魔するんじゃねぇ!!!
クレアがいるなんて聞いてねぇぞ!」
「おい、逃げるぞ!
【例の子】の魔力が見つけれなかったが、せめてこれでも!!」
逃げ出す3人の魔法使いの中の一人がもう一度、先程よりも小さい爆発魔法を使った。
シャルは魔法を避けるが、その先にはササがいた。
「しまった!!」
爆発魔法はササめがけて飛んでいくが、レンが事前に張っておいた防御の魔法陣のお陰で、ササは守られた。
シャルはレンに向かってお礼を言う。
レンはそれに応えるかの様にニコリと笑う
「あんた...やるじゃん。」
いつの間にか隣にいたイサ。
こいつ...【選ばれし魔法使い】の一人【無の魔法使い】だよな...?
「...ありがとう」
「な、何よその間は!
私は戦闘系魔法は専門外なのよ!」
「そうなのか。
今回の件、何が目的だったんだ?」
上から箒で降りて来たシャルが答えた
「相手が、手を引くのが速すぎて何が目的か分からなかったわ。
でも、十中八九【ストゥルティ】でしょうね。
それに、何かを探していたみたいだわ。」
奴らはシャルの攻撃をかわしながら、何かを隈無く探していた。
他の生徒は終始静かだった。
何が起こったのか理解できなかったのだろう。
突如、会場のドアが勢いよく開く。
この場にいる者の殆どが、ドアの方へ向く。
「皆さん、大丈夫ですか!?」
学園長並びに学園の先生達だった。
怪我をした生徒は保健室の先生に連れて行かれ、動ける者は何があったのか説明する為に呼ばれた。
翌日、3人の正体はやはり【ストゥルティ】だろうと先生は言っていた。
爆発魔法で開けられた穴は綺麗に修復してあった。
レンがいた世界では決して有り得ないことだ。
昨夜の出来事をレンは自室で思い出していた。
異世界では当たり前であるかは分からないが、対人戦だってあるんだ。
人もまた敵である
魔法を発動したいが為に、魔法陣を蘇らせた。
だが実戦では防御魔法しか使えない...いや、人数が同等、もしくは自分よりも大勢の場合、勝てたのだろうか。
相手が3人いて、シャルがいたから防御魔法を発動出来たのかもしれない。
この世界では戦う可能性がある。
昨夜の出来事でよく学んだ。
魔法使いと戦う場合を考えて、遠距離で、尚且つスピードがあり、殺傷能力が在るもの。
そんなものこの世界に...
「いや...ある!別にこの世界じゃなくても良いんだ。
俺の世界には銃があるじゃないか」
魔法と銃を組み合わせたら強いですよね