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11-12 屋上行こうぜ?

 俺の怒りは頂点突破だよ……!!

 久々にキレちまったよ……屋上行こうぜ?

 ヤバい程に怒り心頭だった。

 いや、別に違うから、猫になって快楽に飢えてたところにお預け食らってイラついてる訳じゃないから、本当に違うから。

 言ってる間に、蔦を千切られた“本体”が怒ったのか、地面が盛り上がって何かが這い出てこようとしている。

 ズンッと突き上げるような振動と地響きが続き、やがて地面から巨大な物体が生えて来た。

 無数の蔦が絡まり合い、1つの大きな丸い塊となっている。

 体長4mくらいだろうか? 丸く絡まった歪な塊が空中に浮いている。

 コイツ、モル●ルじゃない? モルボ●だよね? 絶対●ルボルだよ、間違いねえって。

 エンカウントしたら、絶対そこで1度は倒さないと先に進まない決意をしている俺が言うんだから間違いねえよ。

 触手千切りまくってグラシャラボ●ス召喚の生贄にしたるから覚悟しろや!!

 そんで「くさい息」吐くんだろ、くさい息をよぉ!? 状態異常爆盛りしてくんだろこの野郎が!? 万能薬が枯れ尽くすまで投げたるぞゴルァ!! ……まあ、息を吐く口がどこに有るのか分からないけど……。

 まあ、コイツがモ●ボルだろうが、別の何かだろうが知った事じゃない。

 何であろうが――――


「ミュゥ」


 殴り転がす。

 …………とりあえず相手を殴ろうとするのは、決しておっさんのがうつった訳じゃないから……うん。


「(テメェの不幸は、俺が全力出せる状況でエンカウントした事だ)」


 武器防具の修復が全部終わっていて、俺自身も万全、何より人目が無いってのが最高に良い。

 まあ、強いて万全じゃない部分を言うなら【ダブルハート】がクールタイム中で、後9日経たないと使えないって事だが……まあ、それは良いか。

 目を閉じる。


『【ディスチャージ】のチャージが開始されました。カウント:1秒』


 丁度良いから魔眼の威力を試してみるか。

 チャージが始まると同時に目を開く。

 まずは――――溜め1秒での威力。


「ミ」


 パチッと目を開き、モルボ●のど真ん中に当てないように左端辺りを狙う。

 左目の奥が一瞬熱くなり、そこから見えない力が放たれる。

 バチッとモル●ルの周囲で電気の流れが巻き起こり、俺の狙い通りに左端の蔦が10本程弾け飛んで黒い霧になる――――が、直ぐに黒い霧が再び集まって再生。

 なるへそ……コイツも阿修羅と同じ、無限再生タイプの敵か。

 【ディスチャージ】を試す相手としてはこの上ないね。

 モルボ●が俺の攻撃に反応して、何百と言う蔦を体から伸ばして襲い掛かる。

 別に焦らない。

 物量攻撃なんて、俺にしてみれば見慣れた光景……っつか、普段俺がやってる攻撃の方がよっぽど大量で、えげつない襲い掛かり方をする。

 まあ、それ以前にスピードが遅い。まあ、でも、遅いってのは「俺にとっては」で、下位の魔王くらいなら余裕で捕まえられそう……。

 再び目を(つぶ)り、バックステップで距離を取りながら蔦を避ける。


「(3、4、5)」


 とりあえず5秒溜めで良いか。

 さて、どれくらい威力が上がるかなっと。

 目を開く。

 チカッとモル●ルの左半身が雷光に包まれ、ドンッと雷が落ちたような轟音と共に4mの巨体の半分が粉々になった。


「ミャァぅ……」


 おぉぅ……。

 5秒溜めで威力上がり過ぎちゃう? 半身消し飛ばしましたけども? いや、まあ、そんな事言ってる間にその半身は再生が終わってるんだけどさ。

 あっ、そうかそうか……。

 【ディスチャージ】の魔眼はどう考えたって戦闘用。って事は、戦闘中に使うって事。

 だが、考えてみれば戦闘中に目を閉じるってのは無茶苦茶ハイリスクな行為。そのハイリスクを負うに足るだけのリターンが有るってのは当たり前の話か。

 数秒でも目を瞑れば危険、5秒視界を投げ出すって事は下手すりゃ死を意味する。その秒で急上昇するリスクに見合うリターンの上昇幅が【ディスチャージ】には有るって事ね。

 まあ、リスクリスクと言ってはみたが、俺にとっては目を閉じる事はリスクでも何でもないんだけどね?

 普段から戦闘中に収集箱(コレクトボックス)のリスト開く為に目を閉じてるし、ってか、【バードアイ】で視界を遠隔で飛ばしっ放しだから、目を開けてようが閉じてようが大した違いがないし。

 ヤバいね、この魔眼無茶苦茶大当たりじゃない? 他の奴が持ったら微妙だったかもしれないが、手持ちのスキルとカチッと噛み合う俺にとってはSSR級の大当たりだよ!


「ミッミッミぃ」


 ひっひっひぃ。

 テンション上がって変な笑い方をしてしまい、ちょっと自分でも引いてしまった……。

 俺の笑い方に●ルボルも引いたのか、それとも大ダメージ食らって警戒したのか、俺から距離をとろうとフヨフヨと少しずつ下がる。


「ミィ」


 ヨシ。

 魔眼も試せたし、さっさと始末してしまおう。


―――― 【我が力は生贄の上に(サクリファイス・アブソプション)


 レアリティDのアイテムを適当に1つ選択。

 全身に火が付いたように力が漲る――――と、同時に収集箱の奥で“獣”の鎖が緩む。

 いや、でもこの程度の緩み方なら大丈夫だ。俺の意識を締め付ける程じゃない。

 レアリティDのアイテム1つでこんな感じか……これならBのアイテムくらいまでなら問題なく使えそうだな?

 おっと、消失(ロスト)させたアイテムを“不思議なポケットの法”ですぐさま補充する。

 これでヨシ。

 俺の攻撃の気配を感じたのか、慌てたようにモ●ボルが蔦を展開させる。

 遅い――――ぜっ!!

 息を止める。

 【アクセルブレス】発動。

 俺自身の肉体と感覚が加速し、蔦の動きが遅くなる。

 【魔導拳】で右前脚に黒い魔力の光を纏わせ、地面を強く蹴り出す。

 音も伝わらないスローの世界で、音より速い蹴り出しの衝撃だけが周囲に走る。

 一瞬にして伸ばされた蔦の間を縫って懐まで飛び込み、右前脚が纏っている魔力を圧縮。


―――― もう1つ、俺の“お試し”に付き合ってくれや!!


 右前脚に圧縮し【魔砲拳】の弾となった魔力、そこに――――【属性変化(チェンジエレメント)】で炎属性を付与する!!

 目の前には蔦の塊。

 息を吐いて加速を切り、俺から逃げようとしているその塊に向かって、右前脚を全力で振って魔力の弾丸を撃ち出す。


「(焼夷弾(ナパームバレット)!)」


 目の前が真っ赤になる。

 熱波、衝撃、爆音、炎を巻き込みながら広がる煙、抉れ飛ぶ地面。

 拉げて潰れ、炎に焼かれ、爆発で跡形もなく吹き飛ぶ蔦の塊。

 爆発が通り過ぎた後、俺だけが半径5mのクレーターの中に残っていた。


「ミュゥ……」


 ふぅ……。

 もうちょっと離れて撃てば良かった…………威力出そうとすると、何となく「距離近付けた方が良いんじゃない?」って思考が働いて、無意識に近付こうとしちゃうんだよね?

 俺は【スナイパー】のスキルが有るから、むしろ離れた方が火力も命中精度も上がるっつーんだよ。

 にしても、結構威力出たな?

 ぶっちゃけ“【魔砲拳】の響きが魔法剣と一緒だから属性くらい付与できんじゃね?”と言う凄い適当な思い付きの技だったので、こんなに上手く行くとは思わなかった……。

 目の前で発火したにも拘らず、爆発の衝撃や炎の熱量に俺が耐えれたのは【全は一、一は全】のお陰だ。

 ノーマルモードでやってたら、多分自爆ってたな……危ない危ない。

 まあ、反省する部分は今後に活かすとして……この【魔砲拳】と【属性変化】の合わせ技はかなり使える。

 今のは魔力の圧縮率8割くらいだったし、属性効果も【エレメントブースト】でもっと底上げできる。

 おっさんの武器封じ戦法のお陰で、思わぬ方向から生身での戦闘力が身に付いたな。



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[良い点] お互いドン引き ハハッ [気になる点] てっきりモンジャラかと思った(直球
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