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11-1 赤鬼とシバきあった翌日

 雲1つない青空。

 昨日までブルムヘイズの空を蓋のように覆っていた天空闘技場は、俺が寝ている間にパーツに分かれて空に散って行ったようで、残っているのは元々町の上に浮いていた“中心部分”だけ。

 カンカンと突き刺すような太陽の光。

 人々は新しい闘技場のチャンピオンの誕生を祝って昨夜から飲めや歌えやの大騒ぎ。

 ……自国の魔王がその椅子から降りたっつーのに、それよりお祭り騒ぎの方を優先する辺り、この国は人も魔族も相当キマッていると思う……。

 まあ、元祭り好きの日本人としては、気持ちは分からんでもないが……。

 そんな感じの、俺とおっさんの戦いの翌日。

 いやー、実に気分が良い!!

 おっさんとの殺し合いが決まってからずっと神経張りっぱなしだったから、それから解放されて昨夜はガッツリ寝てしまった。

 お祭り騒ぎの中でお腹一杯食べて、明日の心配もなくただただ穏やかに眠る……中々良い、いや! いいや! “良い”ではない、“凄く良い”!! これこそ俺が求める夢の「食っちゃ寝生活」だろう!!

 いつかは、こんなだらだらと過ごす毎日になると良いなぁ……? 道のりが遠過ぎて、若干眩暈がするけど……。

 さて…………心配が無い……等と言う現実逃避はいい加減止めて、日付も変わったし現実向き合おう。

 浮かれ気分から我に返りつつ、大通りを猫の身1つで歩く俺だ。

 【仮想体】出すと騒ぎになるのが目に見えているので、このお祭り騒ぎが収まるまでは奴に出番はない。

 おっさんとの問題は片付いたが、おっさんの抱えていた問題に首突っ込んだから、それについて本格的に考えなければならない。

 近いうちにこの国に進行してくる魔王同盟の軍勢。

 魔王3人と、それに率いられたこの国の軍の20倍の戦力――――……。

 昨夜おっさんが魔王の座から降りた事で、この国の自治権は急拵(きゅうごしら)えの“元老院”に渡された。

 まあ、本来元老院って王様になんやかんやと言う連中の事だから、正確に言えば元老院じゃないんだけど……一応の名称って事で、そう呼ばれる事になった。

 元老院の面子(めんつ)は、おっさんが信頼をおける人間と魔族の元文官達。

 元々魔王同盟の事や、この後の侵略云々に関しても話が通っているとの事なので、頃合いを見計らって発表がある事だろう。

 まあ、この国の政治の話を置いておこう。

 俺はそう言うのに首突っ込む立場じゃないし、首突っ込める脳みそもない。

 俺がこの国の力になれるのは、切った張ったのドンパチの中だけだ。

 相手の魔王同盟がどう動いて来るか分からんから、おっさんと早いところ話してコッチの動きを決めてしまいたい。

 っつー訳で、朝も早よから、こんな可愛らしい子猫が1匹で3mの馬鹿怖い赤鬼の家に向かっとる訳です。

 ただ黙々と歩くのもなんなので、今のうちに昨日の戦いの成果を確認しておくか。

 進行方向に【バードアイ】で視界を飛ばして、目を閉じて視界の下半分に収集箱(コレクトボックス)のログを開く。


『【魔王 Lv.49】の特性レベルが上がり【魔王 Lv.50】になりました』


 …………え? 元のレベルって35じゃなかったっけ……?

 おっさん経験値ウマー!?

 悪魔共のはぐれ●タル経験値なんて目じゃねえよ!? プラチ●キングくらいの経験値くれるよあの鬼さん!? しかも倒してないのにこの経験値って、どう言う事!?

 ……おっさんと定期的にガチ勝負したらレベル上げ放題じゃない……?

 …………今は流石にそんな事してる余裕ないけど、落ち着いたら本気でおっさんに相談してみようかな……?


『魔眼のランクが上がり【ランクコントロール(幻惑)】を使えるようになりました』


『【ランクコントロール(幻惑)】

 幻惑の能力を持つ魔眼のランクを全て10として扱います』


 おっと……?

 近頃音沙汰無しだった魔眼がレベルアップした……? いや、でもこれ新しい能力が手に入った訳じゃないのか……? ランク変わったって魔眼の性能が良くなる訳じゃないし。

 いや、いやいやいや、待ちなさいって、これ結構良くない?

 対魔眼持ちだと、魔眼のランクは重要だ。今回おっさんとの戦いでも、おっさんの魔眼の方がランクが高くて、俺の魔眼は使い物にならなかったし。

 そう考えると魔眼のランク変化させる能力は結構有能だ。

 手持ちで1番ランクが高いのは【贋作(カウンターフェイト)】の4。そのランクを10まで上げられるのならば、対魔眼持ち相手でも通じる可能性がグンと高くなる。

 更にログが続いていて――――。


『幻惑の魔眼をマスターしました。マスター特典で以下の中から別の魔眼能力を取得できます。

・スタン(発動に魔力消費大)

・ブレイク(発動に魔力消費中)

・チャージ(発動に魔力消費‐)』


 おっと、新しい能力来たわ!!

 いや、ってか幻惑系ってこれでマスターなのか……まあ、ぶっちゃけランク2の【欺瞞と虚構(ザ・フィクション)】の時点である種の完成だったしな?

 でも、実質ランク10で頭打ちって事なのは気になるな? アビスの魔眼がランク15つってたけど……どうやったらそこまでランク上がるんだろ……?

 ……一旦保留だな。

 とりあえず、新しい能力くれるつってるし、どうするかね?

 スタン……は、あれでしょ? 視界内の相手を一時的に行動不能にするタイプの能力でしょ。

 ブレイクってなんだろ? 多分、相手の能力を下げる弱体化系の能力じゃないかと勝手に予想してみる。

 と、すると、チャージは文字通りに受け取るならパワーを溜めるタイプの能力。コイツだけ魔力消費が書かれてないのは、溜めに消費する魔力は自分でコントロールできる奴だからって事かな……?

 初めて魔眼の能力選んだ時は、追い込まれた時の奥の手的な意味で魔力消費の無い幻惑系を選んだんだが……今はぶっちゃけなぁ? 結構余裕が有りますから、自分の趣味で選んでしまって良い気がする。

 うーん……チャージだな。

 ブレイクが俺の予想通りに弱体化系だとすれば、魔法や天術で同じ事出来るから要らん。

 スタンはちょっと惜しいけど、基本的に不意打ち、暗殺、背面刺し(バックスタブ)狙いの俺としては、そこまで優先度高くない。

 っつー訳で、チャージです。

 何より、チャージが1番面白そうで興味惹かれるし。

 

『チャージが選択されました』


『2つ目の能力を付与する為に左目を魔眼へ変異させます』


 え? マジで? 左目も魔眼化すんの? とか思っている間に、2度目ましての眼球の奥の痛み。


「ミ……ミャッ!?」


 ぃ……てぇッ!?

 左目に何か異質な物が繋がって、瞳の中をグルグルと力が循環して形になる。


『魔眼への変異が完了しました』


『魔眼:【ディスチャージ】を取得しました』


『【ディスチャージ】

 カテゴリー:魔眼

 レアリティ:B

 ランク:5

 属性:雷/衝撃

 魔力消費:‐

 視界内の対象に雷、衝撃属性の複合魔力攻撃をします。目を閉じる事で魔力をチャージし、チャージした時間によって威力、射程が上がります』


 イテテテ……。

 2度目なのに吐きそうになるほど痛ぇな……勘弁して欲しいわ。

 まあ、でも痛い思いした甲斐あって左目もめでたく魔眼になったか。

 で、何? 【ディスチャージ】ね……。

 雷、衝撃の魔力攻撃か。目を閉じる事でチャージね……って事は、ログを読んでる現在もチャージ状態って事か。

 使い勝手は……1度使ってみないと何とも言えんな。

 いや、っつか、最初っからレアリティBでランク5なの、この魔眼!?

 待て待て待て待て、もしかして魔眼ってジョブシステム的な成長の仕方する物なんじゃないのか?

 最初に基本職を渡されて、それをマスターすると上級職……みたいな。

 って事は、さっき頭を過ったアビスの持つランク15の魔眼への対抗は、このまま育てていけば出来そうな気がする。

 あ、そう言えば魔法もアレコレ作れるようになったんだっけ? ちょっと試してみるか。

 とーりーあーえーず、1番レベルの低い回復魔法で良いや。

 元々存在する魔法を作成するには、因子? が必要とか言ってたけど……ようは魔法合成って事か? で、合成に必要な魔法を持ってないと出来ませんってか?

 【エナジー】……これかな? あ、でも必要な因子“無し”って書いてある。最低級の魔法は軒並み合成素材必要ないって事か、じゃあまとめて作ってしまえ。


『【魔法作成(マジックドライバ)】を使用します。

 【エナジー】を作成しました。

 【ウィンドエッジ】を作成しました。

 【フレイム】を作成しました。

 【フリーズ】を作成しました。

 【ヴァン】を作成しました。

 【ライトニング】を作成しました』


 はい、色々出来たー。

 ん~で、これを元手に上位魔法を作成したい、け、ど、も……魔法因子が足りないって出るな? 手持ちの魔法が足りないか。

 えーと、じゃあ、っと……強化魔法(バフ)はっと……。

 頭の中で魔法をこねくり回しながら、おっさんの家へと向かう俺だった。



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