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猫だってアイテムを収集すれば最強になれます!(旧題:猫だってアイテムを収集すれば最強になれます)  作者: 川崎AG
8章 幽霊ですか? いいえ、ただの船旅……えぇぇ幽霊船!?
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8-25 魔王ブラウンvs骸骨船長

 物理無効。

 属性無効。

 魔力攻撃はダメージ激減。

 ついでに反応速度がやたらと速い。

 俺は【隠形】で姿を隠しているから、骸骨に捉えられる事は無い……けども、魔法や天術を放った瞬間は、見えなくてもそこには居る訳で、そこを超反応で確実に狙って来やがる。

 まあ、コイツの能力分析はこんなもんか?

 一気に倒す手は、今のところ無い。魔法と天術でチマチマ削って行くのが確実だな。

 ただ――――ちんたらやってると、客船が離れて戻れなくなるから、やるならやるで急ぎで片す。


 【エクスプロード】


 爆裂魔法の中でも、威力が上位のコイツを選択。

 赤い閃光が俺の手元から放たれ――――


「――――そコダ――――」


 魔法の発動とほぼ同時に、骸骨船長の銃口が俺を捉えて火を噴く。

 チッ!

 やっぱり反応が無茶苦茶速ぇなコイツ! ――――けど、コッチはそれも織り込み済みじゃボケぇ。

 魔法を放ったと同時に、その場から移動している俺に隙は無かった。

 テメェの反応が早いのは分かった。だが、反撃と引き換えに逃げる余裕は、もう無ぇぜ?

 骸骨の目の前で、赤い閃光が……


 爆発。

 

 ドンッと衝撃と熱波が膨れ上がり、甲板全体に広がる。

 うォっと。

 骸骨船長が吹っ飛んで行くのを視界の端に捉えながら、俺は俺で軽い体が飛ばされないように体勢を低くして踏ん張る。

 2秒程で爆風は走り去り、ビリビリとした爆発の余韻が体の中だけに残る。

 今のは直撃(クリティカル)だっただろ?

 ダメージ軽減していても、あれだけ綺麗に決まれば、相応にダメージはあった筈。


「――――なんト言ウ魔法ノ才だ……。まサカ、アミュレットの防御ヲ、こンな二容易ク抜イて来ルトは――――」


 プスプスと全身から黒と白の煙を上げながら、宙を泳いで骸骨船長が戻って来る。

 ヨシ、良い感じにダメージ入ってるじゃん?

 高威力の魔法選べば、軽減されてもダメージは通る。


「――――だガ、俺ヲ侮ルなよ――――」


 どう言う意味だ? と心の中で問い返す。

 しかし、その答えは聞くまでもなく、目の前に示された。

 ああ、何と言う事でしょう。

 爆発でボロボロになった野郎の骨の体、それと服や装飾品。それらが、キラキラと光って見る見るうちに回復、修復されて行くではありませんか?

 え? 何それ?

 骸骨船長自身が何かをしている様子は無い。って事は、自己再生と自己修復って事かしら?

 スケルトンやら幽霊やらの体にそんな機能が備わっている様子は無かった……って言うか、“再生”なんて死人からは1番遠い能力だ。

 って事は、だ。これも、野郎の装備回りで発動してる能力か?

 俺の予測が当たってるとすれば、三角帽子かコートのどっちか……若しくは両方かな?

 え? え? バカなの? アンタ、バカなのかい?

 物理攻撃効かなくて、魔法や天術はダメージ軽減されて、コッチはチマチマダメージ与えるしか攻略法がねえっつうのに、その“チマチマ”をテメェは回復して無かった事にしやがりますってか? え? 何? マジでバカなの? 死ぬの? 喧嘩売ってんの? 

 どう倒せば良いんだコイツ……?

 いっその事、このクソッ垂れな骸骨とはエンカウントしなかった事にして、霧の外までフライアウェイしちゃおうかしら?

 もう貰う物貰ったし、別にこの骸骨と因縁がある訳でもねえし、無理して倒す理由もない。

 ああ、ダメだ。本当に逃げるのが名案のように思えて来た……。

 ……本格的に相手するのが面倒臭くなったら、本当に逃げよう……。


「――――ムッ――――」


 俺が心の中で後ろ向きな決意を固めて居ると――――突然、何の予兆もなく、骸骨の銃が俺を真っ直ぐに捉える。


「ミ?」


 は?

 あまりにも突然の出来事に、一瞬頭の中が真っ白になって反応が遅れる。

 「その隙を逃さん!」とでも言うように、今までよりも、一層力強く引かれるトリガー。

 小さな破裂音。

 銃口で微かな発光。

 目にも止まらぬ速度で、小さな、白い光の弾が――――俺の眉間(みけん)を捉える。


「ミギャッ!!!?」


 痛ッ!!!?

 バチンッと俺の眉間で光弾が弾けて四散し、弾がヒットした部分にヒリヒリとした痛みが残る。

 ああ、クソ、痛い……。

 防御力増し増しにしてんのに、ちっと防御抜かれたな……?

 まあ、痛いつっても、「尖った小石踏ん付けた」くらいの痛さだから、血は出てないし、傷も無いから、我慢すればどうって事はないんだが。

 とか考えてる間に、【全は一、一は全(レギオン)】の副次的な効果である、常時治癒術(オートヒール)が勝手に痛みを消してくれる。

 ヨシ。


「――――今のハ、当タっタな――――」


 【隠形】は常時切らせないように気を付けてる。それなのに、相手に位置を察知されたのは、どう言う手品だこりゃ?

 さっきまでの、魔法を撃つ瞬間と場所を狙って来るカウンター攻撃とはまったく意味が違う。コッチが何のアクションも起こしてないのに、アクティブにコッチを“捕まえ”に来やがった。

 まさかとは思うが、俺の姿が見えてるのか……?

 【隠形】が破られる可能性を考えて無かった訳じゃないけど……それならそれで立ち回りを変えねえとな?


「――――貴様ノ、捉え方ガ分カッて来タ――――」


 捉え方が分かって来た……ね?

 その言葉から察するに、俺の姿が見えてるって訳じゃなさそうだ。

 探知や索敵の能力かな?

 それなら、コッチも対処法はある。

 目を閉じて、素早く収集箱(コレクトボックス)のリストを開く。

 天術のリストをスクロールさせて目的の物を選択。


 【夜の帳(ナイトアウト)】


 俺を中心とした一定範囲内での、敵の使う探知・感知・索敵能力を全て無効化。

 これでどうよ?

 その場から走り出す。

 すると――――骸骨の銃を持った手が、俺の動きを正確に追って来る。

 ……おい、マジか? 探知系の能力じゃねえぞコレ。

 しかも、かなり正確に俺の位置を特定して来てる……。

 ちょっと待って……本気で、どんな手品使ってやがる!?


「――――動キガ悪くなっタな? 焦ッテいルのカ――――」


 うっせぇボケ! 焦ってるわ!!

 いや、いやいやいやいや、おちけつ……じゃない、落ち付け俺。ピンチの時程、頭は冷静に保て。

 深呼吸をしながら、パンパンっと容赦なく放たれる弾丸を避ける。

 アイツが俺を見えてないのは間違いない。だが、同時に、その状態で俺の位置を特定して来ているのも事実。

 一旦それは横に置こう。居場所が分かっていても、俺の反応速度なら銃弾は避けられるし、食らっても大したダメージにはならない。

 1発食らったお陰で、あの銃の正体がボンヤリと掴めたしな?

 多分、あの銃は実弾ではなく、自身の魔力を撃ち出す銃だ。言ってしまえばガンダ●のビームライフルみたいな物だ。であれば、弾切れ無しに連射出来るのも頷ける。

 火薬を込めてる様子もねえから、発射時の破裂音も火薬じゃなくて、小さな爆裂魔法みたいな物じゃないかな? 銃口から魔力光が漏れてたし。

 とすれば、魔力切れ……を狙うのはどうだろう?

 いや……でも、これも長期戦覚悟だろうなぁ。野郎だって、簡単にガス欠になるのなら、もうちょっと無駄弾減らすだろうし。

 あんなにバカスカ撃つって事は、相応の魔力タンクが備わってるって証拠だ。

 やっぱり、真正面から魔法で殴り合うのが1番手っ取り早いか。

 問題は――――野郎をどう削り殺すかって事だな……。



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