プロローグ
その昔、世界は二つに割れていた。
一つは、三人の神々が住む天上界、もう一つは、何も存在しない無の世界である…下界。
神々は毎日、美しい歌や詩を書き、それは楽しい日々を過ごしていた。
そんなある日の事だった。
暇を持て余していた一人の神が何かを創ってみようと、下界に地と森、そして動物を創った。
それを見た二人目の神は、ならば私もと、海と空と魚を…それぞれ、創った。
二人の神が創造物を創ってから、数十年の時が経ったある日の事だった。
その日も、二人の神は自分達が創った動物や魚を見たり、いたずらをしては楽しんでいた。
すると、三人目の神が二人の神にこう言った。
私も何か創っても良いでしょうか?
その問いに二人の神は快く了承し、その創造を心待ちにした。
そして、三人目の神は下界にばらまいた…人間という名の創造物を…。
それから、数百年の年月が経過した。
その日、二人の神は人間を創った神を責めた。
貴様が創った人間と言う創造物はなんと愚かか。
我らが創った動物や魚を殺しては喰らい、森や海を汚す。
そして時には、人間同士で争いをする。
存在する価値など無い。
即刻、人間を根絶やしにしろ。
二人の神のその言葉に驚いた三人目の神は二人の神を説得した。
人間にはまだまだ学ぶべき事が沢山あります、どうか、考え直して下さい。
しかし二人の神は聞く耳を持たず、貴様がやらんのなら我らが人間を根絶やしにしてくれると言い下界へと降りて行った。
それを見て、慌てた三人目の神は二人の神の後を追って下界へと降り立った。
対立する三人の神…。
もう、言葉は何の意味も持たなかった…。
戦う事でしか…止める事が出来ないのだ。
三人の神々は戦った。
それぞれの守るべきものを守る為に…。
そして、五百年の月日が流れた…。




