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・プロローグ・

東京タワーを知っているだろうか。

まぁ、大抵の人なら知ってるーとか、当たり前ーとか、そんなリアクションをとるだろう。

確かに当たり前にある東京タワー。

東京の代名詞とも言われるそれは、映画にもなった程だ。

では、東京タワーは何色だろうか。

街中や電車の中で今、隣にいる人にこの質問を投げかけてみてほしい。

きっと白い目で見られるか、ヒソヒソと「何あの人…」と言われるか、静かに携帯で「110」と入力されるか、黒と白の無駄にうるさいサイレンを鳴らしながら走る車から降りてきたなんだか強そうな警棒とか持ってる人に「君？」と肩をトントンされ、話も出来ないまま連れていかれるだろう。

話はずれたが、勿論答えは“赤”だ。

青い空を突き刺すように建つ東京タワーは、流石東京の代名詞と言われるのも納得の美しさだ。

スカイツリーが存在する今でも、東京タワーのファンは国内外を問わず多いという。

なら、信じられるだろうか。

俺が今生きている時代、2067年では、

東京タワーが黒…もとい色が付いていないことをーー