ニートな彼と社畜な彼女
「ねぇ、陸〜本当に早く働いてよ」
猫撫で声を発した黒髪ロングな美少女は僕の体を揺すった。
「長期ニートで筋肉が衰え自宅の階段ですら息切れする僕をどこが欲しがる? 」
「あんたはそうやって言い訳ばかり捏ねて、人間として恥ずかしくないの?」
「はぁ?バカじゃねーの? 安月給でこき使われて取引先にはペコペコか? そんな人間としての価値を下げるくらいならニートでいるぞ!」
「もう何で私があんたなんかを支えなくちゃいけないのよ」
「嫌なら別れよう! どうせ別れてすぐに他の男を仕込むビッチだろ?」
「最低!クズ!バカ!アホ!間抜け!」
「うっせーな!女はな感情論で囀りすぎだ」
「もういい! バカ陸」
そう言って木下美咲は出て行った。
ー10年後ー
あれから10年僕は相変わらずニートだ。
食料がなくなったので久しぶりに外に出て行くことにした。
「ママ、パパ、手を繋いで」
小さい子供が両親に手を差し出し言った。
両親は小さな手を繋ぎ幸せそうだった。
「そう言えば美咲はこの辺に昔住んでたんだよな。 懐かしいか?」
「ん〜別に普通。 あまりいい思い出なかっっ」
そう言いかけて僕の方を向いた。
一瞬ビクッとなったが僕は気にせずその家族を素通りした。
「やっぱり女はビッチだな!」
女なんて信用できません
本当に好きだと言ってても裏では浮気や不倫は当たり前