『死人』と呼ばれる彼女(仮) その4
「……は?」
俺は彼女の言葉に呆然とした。
夕暮れの教室で、二人きりの状態。
どう考えても告白以外何もないだろう。
しかし彼女は告白はしなかった。
いや告白ではあるのだが、俺が考えていた告白の内容とは違った。
「え、小説?」
俺は確認するかのように問い返す。
「……はい。」
彼女は恥ずかしそうに頷いた。
普通に考えれば、別に二人きりにならなくても良いような言葉。
しかし、彼女は普通ではなかった。
死人と呼ばれているのだ。
恐らく俺に、変な噂が付き纏うことを恐れたのだろう。
(……優しいんだけどね。)
俺はそう思いながらも、口を開いた。
「……一応、どうして俺に教えて欲しいのか、理由を聞いてもいいかな?」
その言葉に彼女は不安そうに俺を見た。
確かに今の言い方だと、彼女の言葉を否定するように捉えてもおかしくはない。
「……あ~、嫌というわけではないんだけど……。 どうして、俺なのかな、って……。」
その言葉に彼女は安堵したのか、肩を少しだけ下げた。
緊張していたのだろう。
「その、何時も本を読んでましたよね……?」
「なるほど……。」
確かに本を読んでいる人間は、文章の書き方などは良く理解している。
「それに評価もしてました……。」
友人とネットに上げられた小説の事を話していたのを、彼女は聞いていたらしい。
少しばかり恥ずかしく感じながらも、俺は彼女の言葉を聞いた。
「……私の周りだと、余り小説を読んでいる人もいないですし……。 その……。」
徐々に不安になってきたのか、彼女の言葉が小さくなっていく。
「分かった……。」
「え……?」
俺の言葉に彼女は顔を上げた。
そんな彼女に対し、俺は嬉しそうに微笑んでいただろう。
「教えてあげるよ……。」
その時俺は、彼女の笑顔を見た気がした。
なかなか纏まらないために、短編で一応投稿……。
これを道標に、連載の方も続きを書きたいな~、と……。
上手く纏まらないとは、色々なものを書いているせいなんだけどね……。
連載の方は、章を変えて戻した時間を戻すつもりです。
とりあえず、では……。




