表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

※出逢い

始まるお(*´▽`*)

日が当たらないのに、いつもうっすらと明るいダンジョン、迷宮。モンスターが死んでも死んでも復活する迷惑な所。

ボクはとても鬱なテンションで両腰に吊るしてある、おしゃべりな魔剣と聖の話を聞いていた。




『ギャハハハまさか本当にいいやがるとはなあ!馬鹿ジュノぉ、ギャハハハハ』

右腰に吊るしてあり、とても口の悪い魔剣、フレイア。こいつの口の悪さは尋常じゃない。本当に、ああ言えばこういう…!って言いたくなるような魔剣である。

『ううう…!フレイアが嘘をつくからあ…!』

反対の腰に吊された聖剣、ジュノが呻く。真面目で天然でどじっ娘である。

「あぁ…。鬱だあ…。」ポツリと呟くとフレイアが下品な笑い声を、それはそれは嬉しそうにあげる。この野郎…!

『ごめんねサキちゃん…。』

『ギャハハハ奴隷が増えてよかったじゃねえか、ギャハハハ!』

「くそう…。はあ…。」

二つの剣の持ち主、ボクことサキヤはため息を一つ。あの変態がさらに変態になるなんて…。




ことは昨日…。

ボクは迷宮Fフロア七十九回でストーカーに出逢った。

うまくあしらうことができず、困っているボクに、ジュノは…。

『私に任せてください!追い払って見せます!』

自信満々の声で言われ、もう面倒だったボクはジュノに任せてしまった。任せてしまったのだ。




この二つの剣には、たくさんの能力があって、そのうちの一つに身体を分け与える。いわゆる憑依みたいなものがある。ボクは身体をジュノに受け渡し、ストーカーを追い払ってもらうことにしたのだが…。




ジュノはいきなりストーカーの腕をとった。

「サキヤ様っ?!」期待に目を輝かせる少女。恐らく十代後半であろう。その歳でストーカーってどうよ、と言いたくなるような少女である。

頬を赤く染め、期待に満ちた目で見つめる少女をジュノは背負い投げた。






背負い投げた。






綺麗に地面に叩きつけられた少女。

仰向けに倒れる少女に近づき…。

髪の毛をつかみ…。

「ボクにさわっていいと思ってるの?この薄汚い×××××××××××××××××××××××××××××××」

余りにも酷くて思い出したくもない。

それを聞いた少女は。

「サキサさま…!この薄汚い雌豚にお仕置きを…!」

なにかに目覚めていた。




その後、身体の支配を無理やり返してもらい。少女の鳩尾にグーを一つ。

意識を奪ったあドラゴンでも破れないロープで縛り上げ、転がして逃げてきて今に至る。

鬱だ…。変態とか死ねばいいのに。





なんだかんだでぼやきながら歩くこと1日、やっとF三十二回。




F三十にはゲートと呼ばれるワープアイテムがあり、そこまでたどり着けば外に出られる。

やっと外だー!

思わずスキップしそうなぐらいテンションがあがったときだった。







「そのアイテムを寄越せ、殺すぞ。」





なんか恐喝現場にたどり着いてしまった。



恐喝されているのは、綺麗なお姉さんでした。

耳が尖ってる…。エルフかな?




エルフというのは人間より魔法に特化した…。人間である?ボクには違いがいまいちわからない。フレイアに言ったら鼻で笑われたけど。

数人の男がエルフのお姉さんを囲んでいた。



「…ふーん…。死ぬのは君たちだと思うけど?」エルフのお姉さんの声が響く。

ハスキーボイスがなんかいい!

『声フェチ変態野郎が…。』

『サキちゃんが変態でも私はついていくから!気にしないで!』

「えぇ?!いつからボクは変態認定されてんの?!」





「………。」

「………。」

「……あ。」




見事に気づかれた。

しかも、かなり痛い目で見られてるぅ?!

えっとこうなったら…!




呆然てしてる一人の男の顔に膝を入れる!

「ぶはっ?!」





「お姉さん、助太刀いたすっ?!」




「「「………。」」」




「あー…。ありがとう?」




何故か凄く微妙な空気に。

あれ?なんか目がしょっぱい…。


さて、ボクはなんだかんだで腕には自信がある。





この迷宮は今のところF百三十四回までは確認されている。その先はまだ不明である。

しかし百三十四回というのは、かなり凄腕な冒険者を集め、パーティーを組み、全員が全員死ぬ気で頑張ってたどり着いた階層である。


ボクはソロ、一人で百三十まで行ける。ただしかなりボロボロになるし、探索も長時間は無理だけど…。

初級者、冒険者になりたてだと、行けてもF十分回ほどである。中級者で三十ほど、上級者が五十ほど。




つまりだ、数値だけでみると、ボクは化け物並みであって、不意討ちや手加減やハンデを与えない限り、たかだか三十二回のチンピラに普通なら負けるわけがないわけで…。




エルフのお姉さんが呪文を完成させるまでの十秒ほどで、男たちはみんな地面にキスをしていた。




「……。」

魔法の継承を辞めて、こっちを見つめるお姉さん。ヤバい、なにか言わなきゃ…!

美形に見つめられて焦るのは世界の常識だよね?!




焦りすぎたボクはアホなことを口走った。

「あの、えっと…?お茶でもどうですか?」


『アホが…。』

フレイアがなんかいってるけど聞こえない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ