第3話「魔物」
------------館・日常
この世界には魔物がいるが別に怖いような存在ではない。前世で言う動植物のような存在だ。バイコーンもそうだ。バイコーンは馬型の魔物でバイコーンは馬車引きや農耕馬、競走馬にも使われていて特に需要が高いが流通量が少ない魔物だ。
僕は今回、本を読んでいた。3歳の子が難しい本を読むのは執事やメイド達に困られたり、病気じゃないかって心配されたけどそりゃあ、前世の記憶があるからね。
僕は魔物に関していくつか分かったことがある。一つ目はドラゴンとワイバーンの存在だ。とてもじゃないがドラゴンのワイバーンに会って帰ってきた人物はごくわずかだとされている。
しかしそれも伝説かもしれない。僕はそっと本を閉じた。暇なので外に出てみる。こっそりと執事やメイド達にバレないよう、そういえばベネディクトは今回、父上の仕事を手伝いに行ったんだっけ?
どうやら現在は神聖歴221年って感じらしい。僕はフォレストエルフやダークエルフに会ったことはないけどやっぱり長生きなんだろうか。
ヤバい。僕は今、アイスドラゴンに遭遇した。※レッドドレイクのようなドラゴンじゃないといいんだけどね。
アイスドラゴンに乗せてもらうとアイスドラゴンの巣に辿り着いた。僕は卵を孵化するなどしてアイスドラゴンの信用を勝ち取った。あれから時間は約3時間たっている。どうやらアイスドラゴンは翼にもふもふの毛が生えており、この毛で耐寒を凌ぐ進化をしているようだ。
僕はアイスドラゴンに乗せてもらうと自宅に帰ってきた。執事やメイド達がびっくりしていたが一番、びっくりしたのは馬車でようやく帰ってきたベネディクトと父上だったようだ。
「坊ちゃま?」
「アイスドラゴンだ!!」
「旦那様お逃げください。」
「アゼルウルフ様これは?」
「これはアイスドラゴンだ。年齢はざっと34歳。性別は雌か。」
「グゥルルルルル!!」
アイスドラゴンの咆哮が聞こえたかと思うと一瞬にして飛び去った。馬車のバイコーンも怯えていて気が気ではないらしい。馬車引きが落ち着かせていた。
「うーん。カイルに何もなくてよかったが..........」
「父上、それよりも早く寝たいです。」
「うむ。寝た方がいいな。」
僕は自室に連れて行かれた。
「ベネディクト、後で私の執務室に来てほしい。」
「了解しました。」
------------館・執務室
「ベネディクト、今日はお疲れ様だが早速で申し訳ない。アゼルスタンに勘付かれたらヤバい代物だからな。」
「なんでございましょうか?」
「カイルの今日のことだ。アイスドラゴンに乗ってきたカイルのことだ。」
「アイスドラゴンがこの地域にもいたんですね?」
「問題はそこではない。ベネディクトは竜勇者を知っているか。300年前、600年前、900年前にも300年周期で登場した伝説の勇者だが同時に王となる。」
「それは.........凄いですね。」
「だが歴代の竜勇者は文献が少なく、謎に包まれた存在だ。一番、近い300年前でもこの勇者の文献も全く無かった。」
「うーん。それは難しいですな。」
「そうだ。断定するのは早いがうちのカイルも竜勇者だと見て間違いないだろう。竜勇者は竜に選ばれし勇者だ。時代の変革が近づいているのかもしれん。」
「ベネディクト、この話は俺とおまえだけの内密な話だ。」
「了解しました。」
※レッドドレイク
英国の伝説の火竜。