第2話「侯爵家での生活」
僕はカイル・シャルルマーニュ・アストリア、アストリア侯爵家の長男として誕生した。父上の名前はアゼルウルフ。僕の前世と同じ名前だ。母上はソニア。どうやら褐色肌の母上は異国の人物らしく、聞くところによると僕の父上が奴隷商人から買って最初は自由民にすぐなれなかったそうだが今は自由民である。
そんな僕だがあれから時が立ち、3歳となった。前世とこの異世界には違う点があるそれは魔法だ。火、水、風、土、光、闇の6つの属性がある。もう一つ違う点は魔獣だ。この異世界ではドラゴンやワイバーンなど独自の生態系が闊歩している。
僕の父上はアストリア侯爵家の当主に当たる。4つの男爵家が封臣でそれぞれ父上の領内に更に領地を持っている。
かつてこの国であったアルテイシア王国は北の隣国アルムシア・グルジア帝国に攻めこまれ、今は帝国領となっている。父上も祖父上の三男なので帝国から左遷されてきたそうだ。
そんな父上だが青色の瞳に青髪を持つ。髭の色も青色だ。そして肌は白色だ。母上は赤色の瞳に金髪で褐色肌である。その僕といえば青色の瞳に金髪と白色なのだが...........。微妙になんか違う気がする。
僕は3歳ながら色々なことを書物で学んだ。もちろん前世のことは父上と母上にも話していないので父上と母上から難しい本を3歳で読めるなんて関心と言われた。ノーサンブリア王国の言語は古英語やカンブリア語だったが、僕は古英語ばかり使っていた。
幸いなことにちょっと文字は荒くて形は違うが古英語と似ていたため、読むことは容易であった。
更に言ってしまうと古英語はラテン語の移植なのだがアングロ・サクソン人はゲルマン人を先祖としている。僕が産まれた頃のノーサンブリア王国はノルマン人のデーン人やノルド人がほとんどで僕は途中で死んだので知らないのだがノルマン人の先祖もゲルマン人だと後世では判明しているそうだ。
だから言語も少々、似ていたため、びっくりした僕だが侯爵家の生活には慣れた。
彼はベネディクト。彼は僕の父上の執事。つまり執政官に当たる人物で父上より少し年下だが父上と気が合っているように思える。
「坊ちゃま、私の顔に何か付いていますか?」
「いいや、なにもないよ。」
「ならよいのですが.............。」
この世界でドラゴンとワイバーンがいたことは先ほど説明したと思う。この世界ではフォレストエルフ、ダークエルフ、ドラゴニュート、オーガなどヒューマン以外にも人種がいる。彼らは一般的に亜人と言われる。
おそらく僕の母上はヒューマンなのだけど母上の父上、つまり祖父上か祖母上かどちらかがダークエルフなのだろう。
.........その夜..........
「ベネディクト、準備はどうか?」
「抜かりなく。坊ちゃまの3歳の誕生日に相応しいケーキをご用意致しました。」
「よし。」
「アゼルウルフ様、少しよろしいですか?」
「どうしたんだ?ベネディクト。」
「いいえ、アゼルウルフ様の弟君であるアゼルスタン様が当主の座を狙っているご様子です。努々、警戒をしたほうがよいのでは?」
「アゼルスタンか。あいつは武勇はあっても知略がないからこの侯爵家の当主になることは難しいな。」
そんなこんなで僕は書斎のドアから二人の会話を盗み聞きした。もしかしたらアゼルスタン叔父上..........。いや憶測で物事を考えてはいけないかな?