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言葉の通じない世界に転生した侯爵令嬢は、気が付いたら婚約破棄されて獣人騎士の新しい夫に愛されてました  作者: ゴルゴンゾーラ三国


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 カゼミさんと勉強をして、結構な日数が経った。元より、東語からそう離れていない共用語だったので、比較的苦労することなく覚えることができている。

 ヴェスティエに来て一か月強、日常生活程度の会話なら、一人でもできるようになった。時折詰まったり、専門的な話になると分からないこともあるけれど、雑談程度ならそこまで困ることもない。

 だからだろうか。


『アルシャさん、明日は外に出てみましょうか』


 そんなことを、カゼミさんが言い出したのは。


『外……ですか?』


『ええ! 明日の騎士団は平常訓練日。騎士団員以外の立ち入りが禁じられる特殊訓練日と違って、家族や婚約者の出入りが可能な日ですので、イタリ様に差し入れを入れに行きましょう』


 『わたくしや使用人以外の方とも、共用語で話すチャンスですわ』と言われてしまっては、ほとんど拒否権がないようなものだ。

 外に出る、というのもちょっと怖いけど……でも、いつまでも引きこもっているわけにもいかないし。

 教師たるカゼミさんがこうやって提案してきてくれた、ということはわたしの会話能力が、他の人と話すのも問題ないと判断したということ。なら、断るのも違うだろう。

 それに、いつかはここを出ていくかもしれないのだから、我がままは言っていられない。


『分かりました。……準備はいりますか?』


『団員の方たちに差し入れるものは使用人が用意いたしますから。イタリ様用に、少し特別なものを用意しましょう』


『特別なもの……』


 こういうときの差し入れって、何がいいんだろう? 普通に考えたら食べ物だけど……。

 参考までに普通の団員には何を差し入れるのか聞いたら、サンドイッチを渡すのだという。騎士団が何人かは知らないけれど、二、三人ってことはないだろうし、素人が手作りで用意するのは大変だよね。

 サンドイッチだったら、甘いものを渡した方がいいのかな……。クッキーとか? ケーキだったら、パウンドケーキみたいな、クリーム系じゃなくて常温でも大丈夫そうなやつの方がいいよね。


 でも、イタリさんって、甘いもの食べるのかな……?

 あまり食べているイメージがなくて、彼が食事しているときの姿を思い出そうとしていると――。


『この国で特別なもの、と言ったらあれですわよ』


『……あれ?』


 定番があるのかな、と思って首をかしげる。レモンのはちみつ漬けとか? 

 わたしが首をかしげていると、カゼミさんが持ってきたのであろう紙袋から、箱を取り出した。


『今日はこれに付けられたレシピを読み解きながら作るのを授業としましょう』


 彼女が持っている箱には、わたしの読み間違いでなければ、手作り飴キット、と書かれていた。

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