表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/98

板挟みとトラバサミ

 話を戻すと、そんな

「ネタにしやすい中の上のやつ」×「学年の嫌われ者」

という話題を、色恋沙汰に敏感な思春期の集まりの中で放り投げられたネタに周囲が食いつくのは一瞬だった。まるで餌をまかれた鯉のようだった。僕は状況を理解しようと


「え、なんで?」


とありきたりな質問で秀介の質問に返した。


「いや、今話題だぞ。夏休みにお前らが毎日会ってて、付き合ってるって広まってる」


「ほー-ん」


と、僕は状況を理解した言葉が漏れていた。


「ほーーん、じゃねーよ。で、付き合ってんの?」


ここで問題である。読んでいるあなたならこの場合どう答えるだろうか。当時の僕は


「え、付き合ってないよ?」


と一番悪い回答をしてしまった。


「いやいやいや、付き合ってないのに毎日会わないだろ。」


と秀介は返した。ごもっともだし、ここで否定しても好奇な目にさらされたやつの言葉など誰も聞く耳を持たない。そのため、陰で「え、三浦くん、否定してるらしいよ~」「絶対噓じゃん。100付き合ってる」「「「だよね~」」」となるだけである。ニュースなどでも「〇〇容疑者は容疑を否認しており~~」なんて流れていたら、多くの人たちが「やっているのに認めないやつ」と〇〇容疑者を認識する。つまり、より噂を確信めいたものにしてしまうアリジゴクにはまったたアリ状態だった。当時の僕にはそれがわからなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ