表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カシラ文字U  作者: 梅屋卓美
37/42

令和餓狼伝 其の玖 狂い咲き六号國道

有害指定都市ツチューラ市 真横町ボーリング場跡地 午後23時46分




かなりくたびれた様子のボーリング場。


かつての賑わいが遠い昔のように佇んでいる。


しかし今、かつての賑わいを取り戻しつつある!


昭和から令和へとタイムリープしてきたかのようなオヤジ達!



罵多悪怒愚バタードッグ』一同の面々である!


暴走族仕様のバイクがズラリと規則正しく整列してる!


梅豚の化けバブ。アッチャンのGS。タケシのCBR400F。ユキヤのZ400FX。カズキのCBX400F。その他のメンバーのザリ、ゴキ、インパルス、RZ250、XJ400Dの計10台。

そして武器運搬用のGX71クレスタ。


壮観としか言い様がない。


これくらいは旧車會で見れるかもしれないが、決定的に違いがある。


全員特攻服である!


そして手に手に日本刀や釘バット、鉄パイプ等で武装している!


もはやキチガイ沙汰で、ギャラリー達のボルテージも上がって行く!


やはり一際目を引くのがマナである。

上はサラシに下は白のホットパンツ。

そして白ロングの特攻服を纏っていた!


背中には『罵多悪怒愚バタードッグ』のデカ文字!

さらに『女帝』と刺繍が施され、右腕には『街道踊り娘』左腕には『女部隊頭』の腕章が付けられている!

そして手には日本刀を持っていた!


梅豚も今日の為に特攻服を新調した。

当時着ていた特攻服は家と共に焼け落ちてしまったからだ。

やはり梅豚も白ロングで、ねじりハチマキにタスキを胸から背中にくくりつけている。特攻ニッカに足は地下足袋である!


カグラも特攻服を身に纏っているが、まるでマナのコピーロボットのようである。



・・・・・・・・・・。



そして他のメンバーは当時の特攻服である!



アッチャンは黒のロングを着ているが、当時よりかなり太ってしまった。なのでズボンのウエストが入らず不様な為、黒ロングの前ボタンをしっかり留めて何とかゴマカシていた。




梅豚、アッチャン、タケシ、ユキヤがバイクが整列している前に集まり、地べたに座った。


感慨深く梅豚が呟く。


「とうとうきたな。この瞬間トキが。まさかまた特攻服着て喧嘩するなんてよ」


梅豚にタケシが続く。


「いいんじゃね?大層な祭りになったね~ギャラリーもいっぱい。ホント昔を思い出すよ。ね?アッチャン」


「オウ!やっぱいいな!この感じ!なんかよぅ、妙に血が騒ぐんだ・・・・殺しちまいてぇってよぅ」


アッチャンがゾーンに入っている!

梅豚はアッチャンを無視し、


「アタマの俺が一番安いバイクってどーよ?もっと他になかったんけ?ユキヤ」


不平不満を口にする梅豚。


「勘弁してくださいよぉ、これでも俺頑張ったッスよぉ」


ユキヤが泣きそうな声を出す。


「まあまあ梅ちゃんいいじゃない。今日のメインは殺し合いだから。今日の戦略を言うね」


タケシの口元にみんな集中する・・・・・。


「皆殺しだよ」



梅豚の背筋に電流のような衝撃が走る!


沸々と戦闘の血液が上昇してくる!


怖くはない。むしろ嬉しくすらある。


しかし、出発(でっぱつする前に一言、みんなに言っておかねばならない事がある!梅豚が考えていると、



「ほら!梅ちゃん!オマワリ来るよ!その前に懐かしの演説ブチカマシちゃってよ!」


タケシが急かす!


そしてユキヤがGX71の前にビールケースを置く。


梅豚が木刀を担ぎ、そのビールケースの上に乗った!


罵多悪怒愚バタードッグ』一同総勢18名がその前に集まり座る!


そして後方からハイビームで照らす!


後方からのハイビームの熱源は、梅豚をシルエットにして照らし、不思議なビジョンを形成した!




不様な生き様でもいい!



生きるのが下手だって時代遅れだってかまわない!



人のレールから外れてるって事は・・・・・



決して恥ずかしい事なんかじゃない!




梅豚があらん限りの大声で叫ぶ!



「テメェら気合い入ってっかあっ!」


「押忍!」

全員が梅豚に合いの手のように続く!


「これからぁ!六国流してぇ!狂犬連合皆殺しにすっからぁ!テメェら気合い入れていけよおっ!」


「押忍!」


「それからぁ!この半年間みんなには肩身が狭い思いさせちまったけどよぉ!今日で全部終わりにすっからよぉ!」


「押忍!」


何故かみんなの目元が光ってる気がする・・・・・。

満月の間からタックンが微笑んでる気がする・・・・・。


梅豚は大きく息を吸い込む!


そして



「エンジンかけろぉーっ!」


最後は怒号に変わった!




罵多悪怒愚バタードッグ』のメンバー達が、それぞれの単車に跨がりエンジンを始動する!


直管のバイクと車合わせて11台が始動しコールをすると、まるで地鳴りのようである!


梅豚の後ろにマナが飛び乗る!


ユキヤの後ろはカグラだ!


辺りを排ガスとガソリンの匂いが充満してく!



ユキヤとカズキが真っ先にボーリング場を飛び出し、右車線、左車線の一般車を止める!

その間を梅豚を先頭に『罵多悪怒愚バタードッグ』が悠々と抜けて本線に出ていく!鼓膜が破れそうな程の爆音だ!

初めて生で見る本物の暴走族にギャラリー達のスマホを持ってる手が止まっている!

そして慌てて自分達の車で『罵多悪怒愚バタードッグ』を追いかけるのであった。












罵多悪怒愚バタードッグ』は旧6号線を時速3~40キロで蛇行運転や空ぶかしを繰り返し、傍若無人に暴走した。


そして6号バイパスに出て、数キロ下り方面に走ると・・・・・






!?






おびただしい数の無数のヘッドライトが揺れている!

現れた!『狂犬連合』である!



梅豚は瞬時に判断する!


「来やがった!マナ!頼むぞ!」

「うん!」



梅豚は化けバブのギアを落とし、フル加速で『狂犬連合』に突っ込んでく!


先頭のバイクが徐々に間合いに入ってくる!


マナは日本刀を鞘からぬき、タンデムステップに仁王立ちになる!


そしてすれ違いざまに対向車の男を真っ二つに切り裂いた!


転倒したバイクは火花を散らして後方に流れてく!



狼煙は上がった!




「テメェら皆殺しだぁ!」


互いに叫びながら、抗争は渦中に入ってく!


アッチャンは鉈を振り回し、相手の首をハスってく!


タケシは釘バットを相手の頭に叩きつける!目玉が飛び出し、あっという間に惨劇を作り上げる!

血の匂いが充満し、死体の山が出来上がる!


ユキヤも日本刀で応戦!そしてカグラに叫ぶ!


「マナさんの!マナさんの護衛につけ!」


カグラはサバイバルナイフで男の腹を切り裂くと、マナの元へと走ってく!

そして先頭の梅豚とマナは、かなりの苦戦を強いられていた!当たり前だ!梅豚はマナを守りながら戦っているのだ!マナは気は強いが、カグラのように戦闘に特化していない!


じゃあ何故マナを危険を犯してまで連れてきたか!


一つはタックンの仇を取らせてやりたかった事。


もう一つは、長年の親友でもあり、現在はUチビの彼女であるリサPとのケリを本人がつけたがっていた事だ!

アタマの女同士、タイマン勝負である!


そしてマナを庇いながらの戦闘中の梅豚に隙が出来た!


敵はその一瞬の隙をつき、マナに大きくバールを振りかぶった!危ない!



グサッ!


男の額にサバイバルナイフが突き刺さった!

カグラが放ったナイフである!

まさに間一髪だ!


「マナさん!アタイの後ろから離れないで!梅ジイ!早くUチビ誘きだせ!このままじゃこっちがヤバい!」


そうであろう。


『狂犬連合』は予想以上の数である!


罵多悪怒愚バタードッグ』の倍以上だ!


梅豚は咄嗟に、化けバブに取り付けられた拡声器のマイクを持ち叫ぶ!



《コラ!Uチビ!いつまでも逃げてねぇで出てこいや!ビビってんのか?マザコン野郎!》



すると、ゆっくり単車の群れを掻き分け前進してくる下品な車・・・・・!


その不気味なシルエットは・・・・・



セリカXXダブルエックス


Uチビの愛機である!


そしてゆっくりと運転席と助手席のドアが開く!







!?







痩せ細り、黒茶色に染まった特攻服を纏った男が降りてきた!


この特攻服は梅豚が『狂犬連合』の八代目総長から受け継いだ物で、『罵多悪怒愚バタードッグ』の暴走族時代も、この特攻服で修羅場をくぐった!

てっきり、爆破された家と一緒に焼け落ちたかと思っていたが、Uチビはチャッカリ盗んでいたのである!

ちなみにこの特攻服の黒茶色は、人間の血液である!


「テメェ、Uチビィ・・・・」


さすがの梅豚も驚いた!


特攻服の事ではない!


Uチビの変貌ぶりにだ!


かつては若い頃の梅豚に瓜二つであったが、今はまったくの別人である!


これは尋常ではない!


覚醒剤シャブをやっているのだ!


しかもかなりの中毒になっている!



そしてUチビは・・・・・



驚く梅豚を嘲笑っていた・・・・・。



助手席から降りてきた女は、ゴスロリファッションのリサPだが、こちらもかなりのポン中のようである!


マナも言葉を失くしてる。



みんな殺し合いを一度中断し、自身のアタマ達の事の流れを見つめていた・・・・・。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ