愛すべきロクデナシ ~反撃の狼煙~
有害指定都市ツチューラ市 納豆街道バイパス 午後19時38分。
アクセル全開で走るアッチャンが運転する街宣車。
赤灯にサイレンを鳴らし、一般車を弾き飛ばしてく。
あの梅豚がやられたのだ。
もはやキチガイ沙汰である。
ユキヤはアッチャンと同じ黒の『乱闘服』に着替え、街宣車に備え付けのマシンガンに弾丸を詰める。
しかし、
「んなモン、必要ねぇ」
と、アッチャンがユキヤに鉈を投げる。
「梅豚はこれであんな目に遭わされた。俺達もコレで陣野兄弟を殺す」
目には目を。アッチャンの思考はいつだってシンプルだ。
この抗争では、銃火器の類いは使用せず、肉弾戦で行こうとの事である。
ユキヤは鉈を腰に掛け、アッチャンの横の補助席に座る。
ピロンピロン♪
ユキヤのスマホのLINEが鳴る。
タックンからであるが、陣野兄弟の行方はまだわからないとの事。アッチャンは何処に向かっているのか?
「適当に走ってればアイツらから来んだろ。バカだから」
やはり無計画か・・・・・・。
すると前方におびただしい赤色灯!
検問だ!
しかしアッチャンは、
「眼中ねぇ」
と、突撃体制に入る!
物凄い衝撃に備え、ユキヤは前方のシートにしがみつく!
だが、どうも様子がおかしい・・・・・・
アッチャンが街宣車のブレーキを踏み、停車させると!
!?
待機していた機動隊や警察官が全滅している!
そして手に手に武器を持った、紺色の戦闘服を着たゴロツキおよそ五十人!
陣野率いる『爆弾党』のメンバー達!
「ほらな。向こうから来たっぺ」
アッチャンが笑いながら街宣車の屋根に登る。
ユキヤも続いて屋根に登った。
街宣車は既に『爆弾党』のメンバーに取り囲まれてる。
アッチャンは素早く考察し、状況を把握し、戦略を立てていく。
前方100メートル付近に斜めに止められた護送車の屋根には・・・・・・
茶髪のロン毛にパリピ丸出しのチャラ男が二匹!
このチャラ男が陣野兄弟である!
冷静にアッチャンは、
「見たような顔がチラホラいんなぁ」
と、呆れて言う。
確かに。
『罵多悪怒愚』の会合で見たヤツが多数いる。
しかしそんな事はもうどうでもいい!
アッチャンの咆哮がこだまする!
「ユキヤァ!」
「はい!」
「一人二十五人!皆殺しだぁ!」
街宣車から飛び降りざま、アッチャンは一人の頭を鉈でブチ割る!余りの衝撃に、男の目玉が飛び出て潜血が舞う!
ユキヤもアッチャンに習い、飛び降り、左右に鉈を叩きつけてく! ザクッ グシャッ! 残忍に血飛沫が舞う!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!」
爆弾党メンバーが木刀や鉄パイプを振り回し、一斉に攻撃してくる!が、せいぜい一度にかかって来れるのは二~三人だ!
ブチ殺して倒れた男の足を掴み、ユキヤはジャイアントスイングをかまし薙ぎ倒してく!
アッチャンはクルミを割るように一人一人確実に殺して息の根を止めて行く!
そしてフルスイングの鉄パイプを右手で受け、ソイツの頸動脈に鉈を振り下ろす!
次々に血祭りに上げられる爆弾党のメンバー!
『罵多悪怒愚』重量級のアッチャンとユキヤが見せる殺し合いは、小さな梅豚が暴れるのとは違い、圧巻である!
降り注ぐ木刀や鉄パイプを受けながらユキヤは、
(アッチャン先輩だってもう会長はダメってわかってんのに命張ってんだ!俺だって最後に会長に何かしてやりてーよ)
そうユキヤは考えながら、鉄球のような拳で、確実に一人また一人と仕留めて行く!
獣のような男達の罵声は、やがて悲鳴に変わり、辺りは血と吐瀉物の激しい臭いが充満し、脳ミソや臓器がはみ出してる者もいる!バイパス四車線を跨ぎ展開される抗争は、まさに地獄絵図だ!
さすがのアッチャンとユキヤも激しく呼吸が乱れ、攻撃された傷口からは血が吹き出してくる!
そこに、
!?
マイク・タイソン似のデカ男。
『タイソン・ピーコ』である!
「おいおい、やってくれんなぁ、アツシにユキヤよお」
グサァ・・・・!
アッチャンのフルスイングの鉈がピーコの顔面約半分に食い込んだ!「ヒギィ」と不様な断末魔を上げ倒れるピーコ!
「気安く呼び捨てすんじゃねぇよ?クロンボもどきのウンコヤロー」
アッチャンにまで秒殺されるピーコ!
「陣野ぉ、ビビってねぇで降りてこいよ?テメェのオモチャの兵隊全滅しちったぞ」
嘲笑うアッチャン!
「クソがぁ!このバケモン共が!」
歯ぎしりしながら、護送車の屋根から降りてくる陣野兄弟!
兄が大型の鉈、弟は大型の斧を持っている!
アッチャンvs陣野兄。
ユキヤvs陣野弟。
大型の斧が荒々しく空気を裂き、殺す『気』をブチまけながら、陣野弟が吠える!
「なめんじゃねぇ!」
ユキヤは大型斧を鉈で受ける!バチン!と火花が飛ぶ!
そして左手に持った鉈で大型斧を受け止めたユキヤは、空いた右手で、全開の拳を陣野弟の腹に叩き込む!
「グエッ」と、体を『つ』の字に折る陣野弟!
「まだまだ終わらせねぇぞ!ゴラァ」
ユキヤは陣野弟の頭めがけ、メッタウチに鉈を振り下ろしてく!
頭皮が残忍に切り裂かれ、髪の毛が付着した頭皮が、四方八方に飛んで行く!
既に陣野弟は息が絶えていた・・・・!
そして陣野兄は、アッチャンに大型鉈でかかって行く!
ガシッ
アッチャンは陣野兄の右腕を掴んだ!
「この腕と鉈で梅豚やったんかよ?俺達のアタマの梅豚をよぅ!」
アッチャンの鉈が大きく振り上げられると、
ドン!
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァアアア!」
無残に切り落とされる陣野兄の手首!
「テメェは楽に殺さねぇぞ」
と、左手を押さえつけ、トントントンと指を一本づつ切り落としてく狂ったアッチャン!
そして陣野のロン毛を鷲掴みにし、親指を陣野兄の目に突っ込みグリグリと目玉を引き抜いた!
狂人アッチャンは腰からペンチを取り出すと、歯も一本づつへし折り抜いて行く!
凄まじい拷問に、失禁する陣野兄!
「早く殺してくれ・・・・。」
懇願する陣野兄だが、
「ヤダ」
と、今度は足の指を切り落としてくアッチャン!
すると、
ダーーン!
鼻につく硝煙の臭い!
ユキヤが倒れた警官から奪った銃で、陣野兄の頭を撃ち抜いた!
「もういいでしょう。アッチャン先輩」
「チッ、んだよ。これからなのによぅ」
激しい抗争に終止符が打たれる。
虚無感。
それだけがユキヤの心に浮かぶ。
ピロンピロン♪
ユキヤのスマホのLINEが鳴る。
タックンからだ。
!?
何と!
梅豚は意識を取り戻した!
無言で街宣車に乗り込むアッチャン。
ユキヤも急いで乗り込む!
帰るんだ!愛すべきロクデナシの元へ!




