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カシラ文字U  作者: 梅屋卓美
20/42

愛すべきロクデナシ ~壊滅~

有害指定都市ツチューラ市内 沼石区 超法規外闇医者『藪沢(ヤブサワ)医院』。ICU内 午後17時47分。






静まり返る病室内。


そして『罵多悪怒愚(バタードッグ)』メンバー。



タケシ、タックン、(ユウ)チビ、ユキヤ。



梅豚は見るも無残な姿になり、ベッドに横たわっている。


包帯やギプス。点滴やチューブに電子機器のような物まで付けられ、虚しく電子音が鳴り響く。


マナは梅豚の手を握り、小刻みに震えながら涙を流している。



これがあの梅豚だろうか?


ユキヤは我が目を疑った。


自分が側に居ればこんな事にはならなかった。


ユキヤと決別した梅豚は、ショックのあまりに隙を見つけて家を抜け出し、大酒を飲み、後方から尾行され、(ナタ)で襲撃された。


情け容赦のない大胆かつ計画的犯行。


罵多悪怒愚(バタードッグ)』に内通者がいるとも考えられる。こんな事も危惧し、ユキヤは新規メンバーの増員には反対していた。


それもこうなっては結果論でしかない。


しかし・・・・・・



梅豚が率いる『罵多悪怒愚(バタードッグ)』は数多くの人々を傷つけ殺してきた。


これも『因果応報』。


だが報復は覚悟の上だ。


だからこそ暴力には屈しないし、身を持って復讐の二文字を掲げ団結する。このような時だからこそ『罵多悪怒愚(バタードッグ)』本来の研ぎ澄まされた牙で相手を粉砕せねばならない。



ユキヤの脳内で怒りが渦をなし、暴走して爆発する。


(俺が一人で殺してやる)


「会長、マナさんすみません」


ユキヤは病室を飛び出す。


タケシが後に続き声をかける。


「ユキヤ!一人でどーすんだよ」


「大丈夫っスよ。俺だけでカタァつけますんで」


「相手が誰かわかってんのか?」


「んなモン!調べるくれぇ訳ねぇっスよ」


ユキヤの言葉に熱が入る。

タケシが核心に迫り助言する。


「相手はたぶん『ピーコ』に依頼された『陣野(じんの)兄弟』だ。殺すくれぇじゃモノたんねぇぞ」


「わかりました。タケシさんは会長とマナさんについててください」


病院の出口に走りだすユキヤ。



陣野兄弟・・・・・・・。



コイツらは梅豚達の二個上と一個上の実の兄弟で、親の代から『政治ゴロ』や『総会屋』を生業とし、とにかく残虐な兄弟である。猫を焚き火に放り込んだり、婦女暴行、窃盗は当たり前で、詐欺、暴力団とツルんでの覚醒剤の転売。最近では貧困ビジネスにまで手を伸ばしている。

同じ悪でも『罵多悪怒愚(バタードッグ)』とはかなり異なる人種である。

ユキヤは少年時代、この兄弟が身の毛もよだつほど怖かった。

当時通っていた『出解西中』の校門前の土地を陣野兄弟が不法占拠し、拡声器を使い、意味不明な怒声を上げて嫌がらせをしていた。そこを通りがかったのが、CBXにニケツした梅豚とタケシである。

タケシに押さえつけられ、兄が右耳、弟が左耳を梅豚に短刀で切り落とされた。ユキヤはこの光景を目にし、嘔吐した記憶がある。そして梅豚とタケシは、陣野兄弟が不法占拠した建物に火を放ち全焼させてしまった。


そんな因縁もあるのだ。



それからもチョイチョイツチューラで悪さをしているとは聞いてはいたが、あまり眼中になかった。



しかし今は早くこの兄弟を見つけて殺すのみである。依頼人のピーコもろとも・・・・・・。




病院の出口の自動ドアが開くと・・・・・・







!?






救急車用の駐車場に停車された一台の古い中型マイクロバスをベースに作られた街宣車。

屋根には前二つ、後ろ二つの巨大スピーカー。そのスピーカーのチョイ後ろに赤色灯が付けられ、鉄板が乱雑に溶接されたシルバーのボディーには『大日本 梅神會』の明朝体のデカ文字に日の丸!


この神聖なる街宣車は・・・・・・!




ユキヤ渾身の傑作にして名作・・・・・・。



罵多悪怒愚(バタードッグ) 局地戦闘機』。



通称『雷電☆改』である!




フロントガラスには網が溶接され、微かに見える運転席に座る若干後退した坊主頭の男は・・・・・・・・!




罵多悪怒愚(バタードッグ)』副総長!




アッチャンである!




スピーカーからひび割れたアッチャンの声が流れる!




《遅ぇぞユキヤ。乗れ!》


ユキヤの鼓動が早くなる!溢れて流れそうな涙を我慢し、鼻の奥がツンとなる!


やはり、


やはり、



罵多悪怒愚(バタードッグ)』なのである!



そして備え付けのハシゴで屋根に登り、室内に入る!


この街宣車は構造が複雑で、横の扉は開かない仕組みになっている。




運転席(コックピット)のアッチャンが叫ぶ!



「行くかぁ!殺し合いによぅ!」



激しい街宣車が怒涛の如く発進する!



マトは・・・・



秘密結社『爆弾党』党首。



陣野兄弟!




殺戮の抗争に突入である!




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