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アバランシュの狂気3

主人公はその頃かまぼこを蒸しています

 僕が部屋で書類仕事をしていると乱暴に扉を開けて銀髪の女性が部屋に入ってきました。


「あーつっかれた、あのハゲ親父、人使いが荒いんだよ…ったく、アタシは女だってのに」


 その女は特に何の断りもなく、部屋の隅に置いてある青鉄庫を開けます。


「酒置いとけよぉ!ま、いいや…果実水で」

「あのナインスさん、ここは冒険者ギルドのギルドマスターの部屋であって貴女の家ではないのですが?」


 銀髪の女…ナインスはソファーにどかっと腰をおろすとごくごくと水を飲み干し、ぷはぁと一息ついてから「今日の仕事が終わったから報告に来たんだろ」と、ここにいることがさも当然のように言いました。


「別にわざわざ僕に言わなくても下の受付に言ってもらえればいいんですよ」

「下は他のやつが並んでて面倒なんだよ、水もでねえし」


 その水は別に貴女のために用意しているのではなくて僕のためにあるんですけどねえ…

まあ言ったところで素直に聞く人でもないでしょう。


「では…せっかく来たので僕が聞きましょう、作業はどの程度進んでいますか」

「作業をしきってる大工のハゲが言うには8割ってところだ、もう三日もあれば終わるんじゃねえか」

「そうですか、順調なようでなによりです」


 伯爵令嬢、盗賊の頭となかなか面白い人生を送ってきているこの女は、今はコムラードの冒険者として活動しています。

そんな彼女の最近の仕事はコムラードでスラム化してしまっていた地区の復興作業です。

かねてより住民からは問題視はされていましたが領主のクリンジー伯爵はあえて優先して片付ける問題ではないと判断し、これまで放置していました。


 クリンジー伯爵はコムラードに悪政を強いているわけではありません。

ですからスラムに住む者というのは何かしら自らの過ちが原因でそこに行きついた者ばかりです。

なので特別、手を差し伸べて助ける気は伯爵には無かったのです。

見せしめのために残していたとも言えますね、街に貢献する気が無いのならああなるぞ、と。


 ま、それでも放置というのは治安の悪化を招くのでどうかとも思いますが。

金のない冒険者なんかがあの辺で寝泊まりして、気づいたら身ぐるみ剥がされ死んでたりもします。

たまに「冒険者が死んでるのをギルドマスターが放置していていいのか」等とふざけたことを言ってくる者もいますが、僕に言わせれば最低限の危機管理ができない者はどうせその内、魔物の討伐依頼を受けて勝手に死んでいきますので死ぬのがスラムか街の外かぐらいの違いしかありません。

大体冒険者ギルドのマスターは冒険者たちの母親ではありません、面倒みきれませんよ。


 そういう訳でスラムの件は僕も特に気にかけてはいませんでしたが、ある一件であの辺りに住む者に少々世話になったので多少なりとも手を加えることにしました。

ちょうどいいきっかけもありましたからね。


 きっかけとはナインスたちが神隠しの森からコムラードに移住してきたことです。

あの森には調べたら全部で100人近い人数がいたので、住む所を用意するのが大変でした。

半数はザミールに送りましたが、それでも50人近くがコムラードに来たのです。

クリンジー伯爵には、ネッツィ子爵を通して「村を魔物に襲われ失くし、神隠しの森で生活していた難民を発見した」として報告してもらい、コムラードで難民の受け入れを半分受け持ってくれるよう話をつけました。

クリンジー伯爵は恐らくそれを聞かされたときはさぞ嫌な顔をしたでしょう、あの人基本的に面倒事はどうにかして避けようとする傾向にありますので。


 で、お困りの様子だったので僕が「スラムになっている箇所の土地が空いてますのであの辺に難民たちを住まわせ、自分たちで住む場所を用意させましょう、希望者には冒険者登録もさせ、今この街にいる冒険者と共に仕事としてスラムの治安維持と復興をさせれば、スラムを何とかしろと言っているうるさい住民もついでに黙らせることができますよ」と言うと二つ返事で了承し、資金を出してくれました。


 馬鹿のようにも見えますが、即決して予想より多い資金を提供するのはなかなか出来ることではありませんし、駆け出しの冒険者よりよほど強そうな大工を送り込んできたりと抜け目ないところもあります。

伯爵の中では既にあの場所を使って新しい金儲けの算段がついているのでしょう。

それは僕の仕事の範囲ではないのでほおっておきます、僕の仕事はそのどさくさでナインスたちを冒険者登録することでしたので。


「そもそもなんでアタシらの家があんなきったねえ場所なんだよ」

「街に住めるなら多少の不満は我慢すると言ってませんでした?」

「いや、でもあれはだって…前のところより酷いんだぞ?そこら辺でクソしてるやつがいる上に古い家を取り壊したら動物やら人の死体がごろごろ出て来る、あんなとこ住んで病気になったらどうしてくれんだよ」

「そうならないために今綺麗にしてるんじゃないですか、あとナインスさんなんだかんだ言って毎日銭湯に行って清潔にしてますよね?」

「な、何で知ってやがる!覗いてんのか!?殺すぞ!!」

「いや…覗きませんよ…ここ来るときいつも身綺麗にしてるからそれくらい気づきますよ、髪も前はくすんだような色だったのに綺麗な銀髪になってますし」

「お、おう、そうか、うん、ならいいんだ」


 盗賊生活ですっかりやさぐれてしまった彼女ですが一応女なので見た目を褒められるのは悪い気はしないようです、怒り出したら少し褒めればなんとかなります。


「ところで話は変わるけど…アバランシュはどうなるんだ?」

「第三王子が領主代理になってネッツィ子爵がその補佐につくことで決定しましたよ、王子はともかくネッツィ子爵は信用できる人物ですのでまあ大丈夫でしょう」

「そうか…」


 ナインスは何事か考え込むように黙りました。


「やはり故郷であるアバランシュに戻りたいんですか?」

「ん?まあ戻りたい気持ちが無くはないがな、あの街が平和なら、それでいい」

「まあ戻っても誰もナインスさんのこと気づいてくれませんしね」

「てめえっ!人が気にしてることを!!」


 先日のアバランシュ制圧戦とでも言うべきあの戦い、実はナインスも参加していました。

僕がコムラード側の冒険者として彼女の部下と共に参加させたのです。


 あの街のことを知るナインスたちは、抜け道や以前から住んでいる住民の顔をある程度把握していたので遊ばせておくにはいきませんでした。

行くにあたって髪を染めたりなどの変装をさせたのですが…悲しいほど、誰一人として、ナインスがサウザンド家の令嬢だとは気づきませんでした。


 貴族の令嬢が革鎧を着て剣をかついでるとは普通思わないでしょうから仕方ありませんけどね。

ネッツィ子爵も、まず誰もわからないだろうと言うから連れて行ったのもあります。

元々伯爵令嬢なのでそこまで街中を普段からうろうろしていたわけでもないですし。


「まあまあ落ち着いて、バレたらそれはそれで大変だったじゃないですか、サウザンド家の生き残りだってことが王に伝われば、たぶん処刑ですよ?」

「それは、くっそ…そうだけどさぁああ!」


 ナインスはそんな感じでしたが、他のフリスクと言ったナインスの部下たちのことは覚えている人がいました。

そして幸いなことにアバランシュに駐在していた兵と話をつけることができたのです。

どうやらアバランシュ内部では、冒険者ギルドと、フリスクの知り合いであった部隊は比較的まともで、街の様子がおかしいと僕たちから言われる前に気づいていました。

しかし不審な人物を見つけ連行しても、ブラウン公爵に詳しい理由も聞かされず釈放しろと命令され、どうしようもなかったらしいのです。


 さらに領主の命令に反抗的な態度をとると冒険者ギルドには傭兵ギルドから嫌がらせのようなことが続き、まともな兵の部隊には国境警備などの街から遠ざける指令を出されていたそうです。

傭兵ギルドも領主とグルだったわけですね、正確には領主が手を貸していた犯罪組織と。


 結局、ネッツィ子爵が率いるザミール軍がアバランシュ軍の対処にあたり、ザミールの冒険者、傭兵、それと僕たちは街中に潜入して、向こうの冒険者ギルドと協力し、アバランシュの傭兵ギルドを抑えました。

その隙にリディオン男爵がブラウン公爵の屋敷に突入したのです。


 その後は…街中に魔物が出てきたりして多少混乱しましたが、なんとか対処できました。

魔物は犯罪組織の最後の悪あがきだったようです。

魔物まで街中で飼われていたことに住民が気付かなかったことが不審な点ではありますが…


「なあ、そろそろ教えてくれよ、結局あの街でおかしなことをしてたやつらは何がしたかったのか」

「そう言われましても、僕も全てを把握しているわけではありませんよ」

「ごまかしてもダメだぜ、お前とディムは何か掴んでるんだろ、こそこそなんかやってんの知ってんだからな」


 別にこそこそというか、ナインスに隠しているわけではなかったのですが。

確証がまだ得られていないから話をしなかっただけです。


「なら…三人で話をしましょうか、ナインスさんにも関係あることだと思いますので」

「ディムが来てからってことか?いつ来るんだよ?」

「もう来てるぞ」

「うわあああっ!?」


 ナインスは突如後ろからかけられた声に派手に驚いていました。


「て、てめえディム!いつからいたんだよ!」

「すまん、驚かすつもりはなかった、今来た所だ」


 とディムは言っていますがそれは嘘です。 

彼は最初からこの部屋にいました、ナインスが入ってくる前から。

魔法で姿を消し、気配を殺してずっと黙っていただけです。


「じゃあ三人揃ったところで話をはじめましょうか」


 そして僕は語り始めました、あの街で何が起きたのかを。


………………


………


「おい、ちょっと待てよ、同じ顔の死体っつったか?」


 ブラウン公爵の屋敷で発見された死体の話になったとき、ナインスの声色が変わりました。


「そうだ、リディオン男爵が屋敷の地下で水槽に入っていた同じ顔の死体を発見した、数は四つ、俺も死体を確認してきた、確かに同じ顔だった」

「ナインスさんはご存知かもしれませんが」

「知ってるよ、ホムンクルスだろ、アタシの親父も作ってた…」


 ナインスの事情については、移住の前に聞いてあります。

なぜあんな森の中に館があって、そこで生活していたのか、近くにあった村は何なのか、僕もネッツィ子爵も理由を聞かなければ移住をさせるわけにはいかなったのです。


「ホムンクルスについてどれくらい知っている?」


 ディムがナインスに尋ねます。


「…アタシは最初、あれは人の治療のために作ってるんだと思っていた」

「治療?」


 これは初耳です、気になりますね。


「アタシは子供のころ右腕を大やけどしてな、魔法でも治らなかったんだ、段々と腐ってきて切り落とすしかなくなるほど悪化した」


 ナインスはそう言って右腕の袖をまくる、そこには何の傷跡もないようですが…?


「これアタシの腕じゃねえんだ、親父が作ったホムンクルスの腕を切り取って魔法でくっつけたんだよ」

「…そんな使い方があったのか」


 これには驚きました、僕も初めて聞く話です。 

 

「アタシはそういうモンだと思ってた、新しい腕になってからなぜか水魔法が少しだけ使えるようになったりしたが…それはなんでかわかんねえ、親父に聞いても教えてくれなかった」

「元になった者が恐らく水魔法が使えたのだろうな」


 ホムンクルスというのは人の心臓を核として、ある魔法と、大量の血液と魔力を使って作ると聞いたことがあります。

僕がそんなことを知っているのは、ホムンクルスというのはアイシャ教では禁忌とされている物だからです。

司祭以上の者に伝えられる話では、魔族が生み出した魔法生物の一種であり、人とは違う、魔物に属するものとなっています。

僕もこれまでその節を一応は信じていましたが…そもそも見たことがないのでそれしか情報が無かったとも言います。


 しかしナインスの話でなぜ禁忌なのかわかりました。

恐らく…アイシャ教の中でホムンクルスを製造している者がいるに違いありません。

王都の大神官は、最上位の光魔法が使え、人体の欠損をも治せると言われています。

絶対に人前では見せない魔法、いや見せられない魔法ですか、たぶんそれこそがナインスが父親から施された物と同じなのでしょう。

方法が広まれば大神官の持つ権威に関わります、この秘術とも呼べる魔法はこの大陸でただ一人しか使えないことになっているのですから。


「他はよく知らねえ、ホムンクルスって結局なんなんだ?ブラウン公爵は息子が病気だったって聞いてるけど、それの治療のためにアタシの親父と同じようなことをしようとしたんじゃねえのか?」

「いいえ、ブラウン公爵の息子はとっくに死んでいます、死体もありません」

「じゃあなんでだ?」

「公爵はホムンクルスを作れば我が子の魂が宿ると騙されていたのだ、魔王教のやつらにな」

「魔王教…?なんだよそりゃ…」


 魔王教、それこそが今回の事件の首謀者です。

その存在は普通の人はまず知ることはありません、なぜなら彼らの発祥はこのルフェン大陸ではなく、遥か海の向こうにあるルグニカ大陸だと言われているからです。

ルグニカ大陸ではもしかしたら今も元気に活動しているのかもしれませんが、ルフェン大陸では非常に珍しい存在です。


 その珍しい魔王教の目的はかつてルグニカ大陸で暴れ回った魔王たちを復活させること。

迷惑きわまりない行為にしか思えませんが、何百年たっても未だその夢を追い続けています。

僕がアイシャ教の大神官から聞いた話では、魔王たちは一度、闇の女神を除く他の五人の女神を倒しているのだとか、まあ嘘だと思いますが、だって今現在も女神はいますからね。

たぶん魔王教の狂信者たちは女神が人に介入してくることが気に入らないんだと思います。

魔王が復活すれば女神に対抗できると考えているからこその行動、なんですかね。


 ディムもちょうど、僕が考えていたようなことをナインスに教えていました。


「いやいやわかんねえよ、その魔王教?てやつらがホムンクルスを作ったってそれは別に魔王でもなんでもねえだろ」

「そうなんだがな、俺にも理解できんが、やつらは魔王の魂がまだこの世界のどこかにあって、ホムンクルスという器を用意してやればそれを依り代に復活するのだと信じているらしい」

「ありえねえだろ!?頭がおかしいんじゃねえのか!」

「おかしいからそういうことをするのだ」


 まあ…ナインスの言う通り、ありえないでしょうね。

もしそうなら今頃王都のアイシャ教では何体の魔王が復活していることやら。

大神官は信じていないからこそ体よく利用しているのでしょう。

もしかしたらいざと言う時は魔王教にすべて押し付ける気かもしれません。

ホムンクルスが見つかっても、これは魔王教の仕業だとね。


「ま、まあアバランシュにいたそのおかしいやつらは全員捕まえたんだろ?」

「ブラウン公爵の屋敷以外にも、やつらが拠点にしていた建物は発見され、潰された、見落としがあるかもしれないが…ここまで警戒されてしまった以上、アバランシュで同じことを続けるのは無理だろう」

「ならいいけどよ、はあ、なんかやなこと聞いちまったな、アタシの腕に魔王が乗り移ったり…しねえよな?」

「令嬢、盗賊、冒険者ときて次は魔王ですか、退屈しない人生ですね」

「笑えねえんだよ!!」


 僕は面白かったので笑ってあげました、ナインスはすぐ怒りますがなぜか話しているとからかいたくなるので困ってしまいます。 


「ただな…」


 話はこれで終わりかと思ったのですがディムがまだなにかあるようでした。


「まだなにかあるんですか?」

「やつらの拠点の一つを調べていたら、これが見つかった」


 ディムは一枚の紙きれを僕とナインスの前に出した。


「これは文字ですか?見たこともないですが…カヌマ語の漢字でもひらがなでもカタカナでもないように見えます」

「アタシも見たことねえなぁ、ディムは読めるのか?」

「いや、読めん、しかしこれと似たような文字を見たことがある、俺たちの祖先、サイプラスを築いた初代様が同じような文字を石板に残している」

「へえ…で、誰か読める人がいるんですか?」

「それが、誰も読めんのだ」


 …何を考えてサイプラスの初代…ディムが言うからにはたぶんエルフ族でしょうが、そんな石板を残したんですかね?


「魔王教の奴らは読めねぇのか?」

「そのようだ、捕まえたやつらを何人か拷問してみたが死ぬまで読めないと叫んでいただけだった」

「おまえ…さりげなくそんなことやってたのかよ」

「どうせ処刑されるやつらだぞ、構うものか」

「じゃ誰が書いたんです、それ」

「魔王教に伝わる一種の印みたいなものらしい、意味はわからんが大抵のものは図形として覚えていた」


 紋章みたいなものなんですかねぇ…


「あいつなら読めるかも知れない」

「え?心当たりあるんですか?これ読める人の」

「ヴォルガーだ」


 なぜここでヴォルガー?


「オーキッドに行ったとき、マグナのいつも腕に巻いてる包帯にこれと同じような字がいつの間にか書いてあった、それはどうしたのか聞いたら、ヴォルガーが書いたと言っていたのだ」

「またややこしいことをしますねあの人は…」

「だから彼をサイプラスの初代様が残した石板の元へ連れて行きたいと思っている、ついでにこれも読んでもらいたい」

「そういやあいつはよぉ、いつになったら帰ってくるんだ?もうアバランシュ通れるんだろ?」

「そうですね、なかなか帰ってきませんし、連絡してみますか」


 僕は通信クリスタルを棚から取り出し持って来ました。


「え、おいそれ通信クリスタルだろ、あいつまさか持ってんのか」

「ナインスさんは知ってるんですね、ああ元貴族でしたら見たことくらいはありますか」

「そうだよ!いやそんなのあるなら早く連絡してくれよ!」

「はいはい今やりますよ<コール>」


 …無反応、おかしいですね、通じなくとも普段は何度か光ったりはするんですが。


「壊れてねえかそれ?」

「いや壊れてないですよ、通信クリスタルはどちらか片方が使用不能になると勝手に割れるんです、もう片方も同時に、これは割れていないのでただヴォルガーさんが気づいてないだけだと思うんですが…」

「遠すぎるのかもしれん」


 ディムが妙なことを言いました、遠すぎる?


「通信クリスタルは声を届けられる距離が存在する、例えばサイプラスの東のほうからオーキッドのある大陸西側には届かない」

「そうだったんですか」

「リンデン王国は大陸中央にあるのであまり知る者がいないようだな」

「いやおいじゃあヴォルガーは今どこにいるんだよ?オーキッドじゃねえのか?」


 それもそうですね、コムラードはルフェン大陸の南に位置する街ですから、ここからオーキッドより遠いところとなると…北の端になりますが…


「マグノリアにいるらしいな」

「なんでだよ!?」


 ナインスが叫びましたが…それは僕も知りたいところ、としか言えませんでした。    

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