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肉を食らう

生レバーだ!

 ダンジョンやべえ。

何がやべえってまず最初に赤いきつ…いやレッドフォックスとやらを倒したら、死体が消えてなくなった。

正確には死後3~4分てところだろうか、死体が床にズブズブと沈んで行ったのだ。

底なし沼が唐突に発生するシステムなの?と思って死体があった場所を調べてもそこは普通に地面があるだけだった。


 意味不明な現象に怯えていたらダンジョンはそういうものだと皆に言われた。

死体を解体して素材をとっている間などは沈んで行かないらしいが、誰も触らずにほおっておくと床に沈んでいくらしい。


 フリュニエは「死体を処理する手間がかからなくて楽なのです」とか言ってたけどいいのかこれで。

俺はここで、もし死んだら自分もああなるのかと思うとゾッとした。


 あとさらに理解不能なのが死体が沈んだ後、変な石ころがその場に残されることがたまにあったことだ。

ダンジョンを進んでレッドフォックス以外にレッドゴブリンとかいうゴブリンの亜種らしき魔物を倒した時、その現象が起きた。

その石ころはロンフルモンが回収していたので、なにそれって聞くと「赤鉄の材料になるんですよ」と教えてくれた。

赤鉄ってゴブリンの胆石みたいな物体からできてたのかと思うとなんか嫌になった。


 しかし考えようによってはゲームっぽいとも言えなくない。

ほわオンじゃモンスター倒したら死体は残らずドロップ品が出るだけ、というか大抵のゲームは大体そんなもんだ。


 よしじゃああまり深く考えず、死体が残らない分清潔でいいですねとか思って行こうと意気揚々と探索したんだけど…


 広いよ…広すぎ、ダンジョン広すぎる。

半日くらい移動してすごく広い空間にたどり着いたんだが、そこでようやく1階層の終わりと聞かされて若干帰りたくなった。

ゲームじゃ次のマップ行くだけなら10分もかからねえのに!

現実を思い知らされた。


 とりあえずそこで後続の兵士たちと合流した後、休憩して2階層へと進んだ。

地下に降りる階段があるとかではない、広間からまた先に続く通路があるだけだ。

ただ少し下り坂になっているかなという気がしたので地上からは遠ざかってるかもしれない。


 そんなこんなで2階層も俺以外のメンバーが無双するのを眺めて進み、今は2階層の終わりという広間にいる。

ちなみにここまで皆ノーダメージなので一回も<ヒール>してない。


「お前たちは二人ずつ、三交代制で見張りをしろ」

「「「はっ!」」」


 兵士の皆さんがイスベルグにあれこれ命令されているのを俺は遠くから座って眺めていた。

今日はここで野営?洞窟内でも野営っていうのかな?とにかく寝ることになった。

兵士は荷物多いなあと思ってたけどこういう時のための道具全部持たされてたんだなぁ、大変だなぁ、とか他人事のように考えながら干し肉をかじっていたら、イスベルグがガチャガチャ鎧の音を立てながらこっちに歩いて来た。


「おい貴様、今日はまだ例の魔物に遭遇しなかったから良かったものの、明日もふざけたことをしたらただでは済まさんぞ」

「いやあのあれはふざけていたわけではなくて」

「だったらロンフルモンのこの有様はなんだ!!」


 イスベルグが指をさす、その先にはロンフルモンが地面に横たわっていた。

彼はこの広間に入る直前、意識を失って眠ってしまった。

そこからはフリュニエに引きずられて広間の中へ移動したんだが、その間まったく起きなかった。

後頭部がガリガリ言ってた気もするが幸せそうな顔で寝ているのでたぶん大丈夫だ。


「やっぱりあれかな、魔法の使い過ぎかな」

「その通りだ!!余計な魔力を使うなと途中でも言っただろうが!」


 はい、俺は2階層を移動中にもイスベルグに一度怒られています。

ロンフルモンのせいで。


 いやだってロンフルモンが悪いよ、魔物と遭遇した時に「ヴォルガー!<ウェイク・マジック>を!」とか叫ぶんだもん。

俺はダンジョン初だからさあ、やっぱここは経験者の指示に従ったほうがいいかなと思って言われるまま支援魔法をかけるじゃん?

そしたらロンフルモンが張り切って炎をまとわせた鞭をふるったり、ナイフを投げつけた相手を炎で包んで焼いたり器用なことして無双しはじめたわけ。


 イスベルグとフリュニエも最初は驚いていたけど、俺が支援魔法の説明したら納得してくれて、ついでに二人にも<ウェイク・スピード>をかけて体感してもらったりした。

<ウェイク・パワー>はやめた、だって二人ともほぼ一撃で出て来る魔物殺してるのにそれ以上パワーをあげてもオーバーキルになるだけだし。


 で、二人の素早さがあがったので今度はロンフルモンがあまり活躍できなくなってきて、私にも<ウェイク・スピード>をとか言いだして俺もじゃあはい、と戦闘のたびにかけてた。


 こんなに支援魔法いるかな…全然苦戦してないのに、という疑問はあったのだが、まあ俺このままだと単に明かりを飛ばすだけしかしてないからとりあえず支援魔法やっとくか、という結論に至った。

そしたらイスベルグに「無駄な魔力を使うな」と怒られたのでああやりすぎなんだなと理解した。


 そしてつい先ほど、2階層の広間の手前でブラッドスケールとかいう赤い鱗に覆われたワニみたいなのが初登場のくせに五匹も出てきて、「これやばいやつ?」って一応ロンフルモンに聞いたら真剣な顔で頷いたので、今までの支援に加え魔法が二連続で発動する<ダブル・スペル>、魔力の消費が二倍になるが威力も二倍になる<バースト・マジック>という二つの支援魔法をかけてロンフルモンに<ファイアボール>を撃たせた。


 そうしたらワニは蒸発して全部死んだ。

ただロンフルモンも、その場に倒れた。

<バースト・マジック>はやめればよかったと思った。


「それで、貴様はどうなんだ?」

「え?なにが?」

「まだ魔力に余裕はあるのかと聞いているんだ」

「ああ、うん、たぶん平気、ダンジョンに入った時と特に変わりなし」

「まったくどうなっているのだ貴様は…」


 イスベルグはぶつくさ言いながらまた兵士たちの元へ戻って行った。

さっき俺が言ったことは嘘ではない、本当に特に疲れてヘトヘトという感じはないのだ。

寝ろと言われれば寝れるが、以前の魔力が尽きて眠ってしまったときのような疲労感はない。

まあ例え魔力が減ってて疲れを感じていたとしても嘘ついて平気ですって言ったかもしれない。


「よしっ、これでロンフルモンは明日、いきなり倒れたりしないのです!」


 フリュニエがロンフルモンの水筒を握りしめてなんか言ってた。

彼女はロンフルモンが寝てる間に、彼の水筒の中身を全部魔力ポーションに入れ替えるという恐ろしいことをしていたのだ。

飲む前に倒れたら意味がないからな、水筒に入れるというアイデアはいいと思うよ。

喉渇いた時についでに魔力回復できるからね。


 あの味でさえなければ…


 魔力が厳しいとか言ったら俺も同じことされそうなので絶対言えない。


「どうしたのです?」


 俺が見ていたことに気づいたフリュニエが傍に寄ってきた、手には魔力ポーションを持っている。


「もしかしてヴォルガーも魔力が」

「元気です」

「でもあんなに魔法をつかっ」

「元気です」


 俺の執拗な元気ですコールが効いたのかフリュニエは大人しく引き下がった。

ただ何か俺の水筒を見つめていたので、その日俺は自分の水筒を抱えて寝た。


………………


………


 目が覚めて朝…かどうかは洞窟内なのでわからないが幾分頭もスッキリしているのでそれなりに寝たということだろう。


「ブーーーーーッ!」


 近くでロンフルモンが口から何か吐き出していた。

手には水筒を持っている、可哀想に…


 軽く食事をした後、俺たちは3階層に入った。

兵士の皆さんはまだ2階層の広間に残したままだ。

彼らは結構疲労感が顔に出ていたのでまだ休憩が必要そうだった。

疲れてんのに見張りしてくれてありがとうございます。


「ここからは昨日最後に見たブラッドスケールが良く出てくるのです」

「分かってると思うが昨日のような戦いはするなよ」


 俺とロンフルモンは釘をさされた、ロンフルモンは微妙に不満そうな顔ではあったが。


 3階層も地形の面ではこれまでと特に変わった様子はない。

相変わらず洞窟が続いているだけだ、それにしても広いな、一人だったら確実に迷子になって地上はどこだ…ってさまようはめになりそう。


 魔物はブラッドスケール以外にレッドフォックスも出て来るし、あと俺も見たことがあるやつが出てきた。


「あ、オークだ」


 <ライトボール>に照らされてぬっと出てきた巨体の魔物。

二足歩行する豚の魔物だ、どういうわけかほわオンのオークのように剣と盾を持ち武装している。

鎧は身に着けていない、大事なところを隠すだけの腰布がある程度だ。


 俺がオークだと言った瞬間、イスベルグが振り返って何やら一瞬俺を見たような気がするがなんだったのかはよくわからない。

彼女は前を向くとすぐにオークに切りかかって行った。


「ブヒィィイィィイ!」


 オークはイスベルグの剣を剣で受けたが力負けして手首が変な方向にグキっといった。

そこを反対方向からフリュニエがハンマーで盾を持っている腕を叩いて砕く。

両手が使えなくなったオークはロンフルモンの鞭で足をとられ、転ばされた。

そしてイスベルグの剣が顔面に突き立てられ、絶命する。


 普通に倒せるやんけ…


 先に進もうとすると床に沈んでいくオークの死体をフリュニエがじっと見つめていた。

なんかあるのかな?


「どうかしたのか?」

「あ、ちょっともったいないなって思ってたなのです」

「勿体ない?」

「オークは食べると美味しいのです」


 あ、食うんだこれ…普段は肉持って帰ってるんだ…

あれもしかして俺が普段豚肉と思って食ってたのこれだったんですかね…


「オークの肉は、その、市場に普通に流通してるのかな?」

「いえ市場にはそんなに出回らないのです、高級品なのです、ああもったいないのですー」


 沈んでいくオークを悲しそうにまだフリュニエは見つめていた。

イスベルグがいなけりゃ解体してたかもしれないな。

もし手に入ったら…先にタマコに食べさして反応見よう、結果次第で俺も食おう。


「さっさと来い!!」


 イスベルグに怒られてオークの死体に別れを告げる。

俺は別に未練はない。


 探索を再開すると魔物も今までより徒党を組んで襲って来ることも増えたが三人は特に危なげなく対処していた。

ロンフルモンに敵の危険度を確認するのはやめたほうがいいということだな。

オークもポンポン出て来るので全然高級品というありがたみを感じないんだが、普通の冒険者にとってはそれなりに強敵らしい。

皆が強すぎて強敵の基準がわからん。


 そんな感じで戦闘しつつしばらく進んでいくとイスベルグが立ち止まった。


「ふう、もうじき3階層の終わりだな」

「なのです、そこで休憩にするのです」


 はあ、ようやくこの階層も終点…あれ、今イスベルグがふうって言わなかった!?

さすがに少し疲れてるのか。

よく見ればフリュニエとロンフルモンもあまり元気がない。

やべえ俺だけ元気いっぱい、何もしてないから。

支援魔法ちょっとは使うべきだった?


「何か変ですね、ここまで一度もレッドキャップを見ていません」


 ロンフルモンが神妙な顔をしてそんなことを言い出した。

レッドキャップ?またなんか俺をだまして魔法をかけさせようとしてるとかじゃないよな?


「レッドキャップってなに?」

「赤い帽子をかぶったゴブリンのことなのです、3階層によくいるのです」


 俺はフリュニエに聞いてみた。

レッドキャップというのは小柄で戦闘能力はレッドフォックス以下、このダンジョンで最弱らしい。

しかし罠をしかけるという特徴があるとのこと。


「確かにここまで一度も罠がある形跡はなかったな」

「ええ、私も注意していたのですが…ここまで何もないことははじめてです」


 イスベルグとロンフルモンが話し合っていた、どうも異常事態っぽい。


 二人が3階層の終わりをこのまま目指すか、一旦戻って兵士たちと合流するか決めあぐねていた所


「うわああああああ!」


 後方で叫び声がした、後続の兵士たちだ。


「チッ、後ろで何かあったな、戻るぞ」


 俺たちはイスベルグに従い来た道を引き返した。

そして…


「あっ!あの魔物がいるのです!!」


 ツインテールキマイラに襲われる兵士たちを発見した。


「二匹もいるとは…どこで見逃したのでしょう」

「考察はあとだ、片付けるぞ!おいヴォルガー!支援魔法を使え!」

「ああ<ウェイク・スピード>!!」


 俺に<ウェイク・スピード>を貰ったイスベルグがまず突っ込んで行った。

フリュニエとロンフルモンにも同じ魔法を、ロンフルモンにはさらに<ウェイク・マジック>をかける。


「でええええい!」


 イスベルグが大剣で薙ぎ払う。

剣は避けられたがキマイラたちはこちらを危険とみたのか兵士たちから離れた。

兵士たちを見ると既に一人の体が床へと沈み始めている、死んでしまったのか。

他に二人が倒れているがまだ息はあるようだ。

 

「き、気を付けてください!こいつら魔法を使います!」


 兵士の一人がそう叫ぶ、やはり幻覚系の魔法を使うのか。


「<ハード・ボディ><レジスト・マジック>」


 俺は状態異常を防ぐ魔法と魔法耐性を上昇させる魔法をイスベルグたちにかける。

兵士たちにはまだ距離が遠すぎて無理だ。


 キマイラの一匹が大きく口を開けた。

そして緑色のブレスを吐き出す。


「くそ、毒か!」

「大丈夫だイスベルグ!毒も幻覚も防ぐ魔法を既にかけてある!」

「昨日言っていた魔法か!嘘だったら許さんぞ!!」


 休憩時に毒と幻覚の対策方法については既に説明していた。

なんかその時はいまいち皆信じてくれなかったんだけど…

 

 いざとなったら信じてもらえたのか、イスベルグは毒霧に突っ込んでキマイラに接近した。

相手もそれは予想外だったのか驚いて硬直している。

イスベルグが剣を構えて、仕留める!と思った瞬間、横からもう一匹のキマイラに体当たりされ、イスベルグは壁際まで弾き飛ばされた。


「がっ…フリュニエ!何をやってる!もう一匹を足止めしておけ!」

「うううでもこの人たちが邪魔をするのです」


 フリュニエは兵士三人に囲まれていた、どうやらすでに幻覚を食らわされていたようだ。

フリュニエのことが魔物に見えているのだろう。


 キマイラ二匹が倒れたイスベルグに飛び掛かる。


「させません!<フレイム・バインド>!」


 ロンフルモンが放った炎の鞭でキマイラたちは怯んで別方向に飛んだ。

一匹は体に炎が巻き付いて拘束されている。


「<ウェイク・マジック>をかけてもらっているのに一匹捕まえておくのが精いっぱいですね…」


 このままだとまずいな。

ロンフルモンは一匹を止めるのが限界。

フリュニエは兵士と戦っていて既に一人気絶させているようだが…イスベルグが連れてきただけあって並の兵士ではないのか、てこずっている、本気でぶったたいたら死ぬのもあるからだろう。

先ほど兵士の一人が床に沈んでいくところを見てしまった分余計気にしている様子だ。


 そしてイスベルグはもう一匹とタイマンなのだが、こいつが思わぬ行動に出て戸惑っている。


「貴様っ!魔物くせになんという卑怯な真似を!!」


 キマイラは倒れた兵士の一人を口にくわえ、まるで盾のようにしているのだ。


 ということで現在まともに動けるのは俺だけ。

支援魔法が途切れないように維持し続けているが…それだけではだめだ、やはりこうするしかあるまい。


「イスベルグ!俺が敵を引き付ける!」

「何っ!?」

「<プロヴァケイション>!!」 

  

 俺は盾を構え、挑発のスキルを使った。

フリュニエと戦っていた兵士が、ロンフルモンに拘束されているキマイラが、そして兵士を咥えていたもう一匹が、八つの目が俺の方を向いた。

イスベルグにこれを使わせるわけにいかない、彼女には一匹確実にしとめてもらわないと。


「<ディバイン・オーラ>」


 兵士二人が斬りかかってきたのを防御魔法で弾き飛ばす、キマイラは一匹はロンフルモンに拘束されたままなのでじたばたしているがその状態で尾の蛇から<ファイアボール>を飛ばして来た。

さらに兵士を咥えていたやつは兵士を放り投げ、口から炎の矢のようなものを連続して吐き出す。

<ファイアボール>より上位の魔法だな、<ファイア・スプレッド>か。


 あ、ちくしょう、あちあち。

<ディバイン・オーラ>が魔法防げないからって魔法飛ばしやがってちくしょうなんで知ってんだ。

まあ俺の魔法防御力じゃ二つくらっても熱っで済むけど。

<レジスト・マジック>かけてなかったらもっと辛かったかもしれんが。


「今のうちに早く!」


 俺の声でイスベルグが<ファイア・スプレッド>を撃ったツインテールキマイラの右前足と首を斬り飛ばした。

そしてもう一匹のロンフルモンによって拘束されているやつはフリュニエがハンマーで頭を叩き潰した。

俺は幻覚を見て混乱している兵士に<キュア・オール>をかけ、倒れている兵士は全員<ヒール>をかけておいた。


「一人助けられなかったな…」


 俺は兵士が沈んで行った床を見た、そこにはもうなにもない、身に着けていた鎧ごと全てが消えていた。


「ヴォルガー!!大丈夫なのです!?」


 フリュニエが心配して俺に駆け寄ってくる、まあぶっちゃけ炎に包まれてましたからねさっきまで。


「ああ、なんとか平気」

「でも、ひ、火だるまだったのです」

「借りてた装備のおかげだな」


 全然ごまかせてない気がしたがとりあえずそう言っておいた。

それよりなぜこんなところにツインテールキマイラが二匹もいたのか。

聞いてた話じゃ4階層だったのに…まさかもうこんなところまで来たのか?


「さっきの魔物はどっちから来た?」

「こちらの側道からです」


 兵士たちが言う側道は行き止まりと聞いていたので俺たちは調べずに通り過ぎた場所だった。

念のためまだいるかもしれないということで、兵士たちはその場に残し、俺たちだけで側道に入った。


 俺たちは慎重に、静かに奥へと進んだ。

しばらく行くと先頭を行くロンフルモンが、待て、と手で合図を送ってきた。


「レッドキャップがいないのは…こいつらのせいだったようですね…」


 そこには、くちゃくちゃと音を立てながら、レッドキャップと呼ばれる魔物を夢中で食っている、ツインテールキマイラの姿があった。

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