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69話 ボッチ いえ、知らない子ですね

 プニプニ暴走事件から数十分後。

 両者ともに落ち着いたところで、今度は俺がこれまで何をしていたのか彼女に話すことになった。


 主に、イベントで一位になったことや、『スケルトン』で戯れていたことなどである。


 公式サイトでアップされているイベント動画も彼女と一緒に見た。もちろん、コメントは非表示にしてだ。


 もしも『ぼっちで参加とかワロスww』なんて悪評が書かれていたら、豆腐メンタルな俺の心がブレイクする可能性があるから仕方ないね。


 自分の動きが客観的に見て一体どんな動きになっているのか気になってはいたが、いざ実際に確認してみると想像以上に気持ち悪い動きに愕然とした。


 もうアレだ、超加速しつつ宙を翔けて爆発しながら物理法則を無視する動きは、とてもじゃないが人間には見えなかった。


 自分では言うのも何だが、よくあの滅茶苦茶な動きを動画として上手く収めてくれたと感心してしまったよ。


 あの程度の動きは、運営さんにとっては想定内ということだろう。

 次の機会があるのか分からないけど、その時はもう少し無茶な動きをしても問題なさそうだな。


 俺は一緒に動画を見ている彼女へと視線を移す。

 現在、彼女は俺が正座している膝の上に体育座りをしている状態だ。石抱きかな?


 まあ彼女のような小柄な体型では、軽すぎて拷問には成り得ないから別に構わないのだけどね。


 なぜ俺が正座をしているのかというと……アレだ、勢いあまって彼女のほっぺ滅茶苦茶プニプニしてしまった結果だ。

 反省の意味も込めて罰ゲームを受ける運びとなった訳である。


 俺は悪くねぇっ! あの魔性のプニプニほっぺが悪いんだ! と、どこぞの親善大使の如く叫びたい。

 ……嘘です。100%俺が悪いです。


 俺は、恐る恐るイベント動画を見ている彼女の反応を窺う。


 もしも彼女に『お兄ちゃん、キモチワルイうごきしてるね』なんて言われたら、その場で泣き崩れて倒れ伏す自信があるんだからねっ!


 だけど、俺の心配はどうやら杞憂に終わったようだ。

 彼女は瞳をキラキラと輝かせて「お兄ちゃん、すごい、すごい!」と、大絶賛してくれた。


 その言葉をもらえただけで、一人ぼっちでも諦めずに頑張ってよかったと素直に思え、何だか救われた気持ちになった。


 動画鑑賞の後は『スケルトン』の話に移る。


 口頭で説明するよりも実際に見てもらった方が早いという判断により、【カオス・ゲート】を使用し、ゲストとして『スケルトン』さんにご登場を願った。


 召喚した後すぐに、幼い女の子相手に人骨の化け物を見せるのは刺激が強すぎるのではないかと後悔したが、当の彼女はごく自然体で、そこに恐怖や怯えといった感情は全くもってなかったのだ。


 疑問に思った俺が、そのことについて質問してみると「はじめて会ったころのお兄ちゃんのほうがこわかったから、なれたのかな?」と言われてしまった。


 どうやら俺は、この幼い女の子の感性や価値観を大きく歪めてしまったのかもしれない。


 彼女曰く、以前は結構な恐がりさんだったらしい。


 けれど俺と出会ってからというもの、近所にいる大きな犬に吠えられても動じなくなり、幽霊がでるかもと夜にトイレに行けなかったのが平気になったりしているということだ。


 えっ……俺の見た目って、そんなにヤバいの? お兄ちゃん泣いてもいいかな?


 とりあえず『スケルトン』に関しては問題ないと分かったので、この一週間で培った操りテクを彼女に披露する。


 組体操で『スケルトン』のピラミッドを作成したり、『スケルトン』にブレイクダンスを踊らせたり、『スケルトン』の演武を披露したりと、他にも様々な趣向を凝らして彼女を全力で楽しませるように努めた。


 その甲斐もあって、彼女は大いに楽しんでくれたみたいだ。

 終始、ツインテールを大きく揺らしながら小柄な体躯をピョンピョンと跳ねさせて喜びを示してくれた。

 

 彼女の笑顔を見ていると、心がポカポカと温まり、こちらも自然と誘われるように微笑んでしまうのだから不思議だ。


 ――守護まもりたい、この笑顔!



 ◆




「お兄ちゃん! こはるも、つよくなりたいです!」


 唐突に、彼女が告げてきたその言葉に俺は面食らう。


「え? 急にどうしたの?」


「あのね――」


 詳しく話を聞いてみた結果……彼女は、ただ守られるだけの存在に甘んじるのではなく、自分も誰かを守ってあげられるような"強さ"が欲しいと話してくれてた。


 彼女は、PKに襲われ俺に助けられたことや、家族旅行中ハイジャック事件に巻き込まれて謎の夫婦に救われたという経験を踏まえ、より強く感化されたらしい。


 ……良い子すぎるだろ。

 俺にとって彼女はどこまでも優しく、その心の在り方は眩しすぎるくらい光輝いて美しいと感じられた。


 俺が彼女くらいの年齢だった時なんて、友達が欲しい(願望)とか、友達が欲しい(必死)とか、友達が欲しい(切実)とか、武術修行中にクソ親父くたばれとか、そんなことばかり考えていたのに、えらい違いだな。


 彼女には一人ぼっちだった俺に手を差し伸べて救ってくれた恩がある。

 そもそも始めから俺は彼女の願いを断る理由なんて一切ないし、是非とも力になってあげたい。

 

「……わかった。けれど、武術は一朝一夕で簡単に強くなれるものじゃないよ。辛いこと、苦しいことだって一杯あるし、長い年月を積み重ねて『身体』と『精神』を鍛え、『技』を研鑽し培っていくことで初めて得られるものなんだ。もしそれでも諦めずに挑戦するっていうなら、俺でよければ力になるよ」


「……うん。ありがとう、お兄ちゃん! こはる、がんばるねっ!」


 任せてくれ! 育成シミュレーション系のゲームは得意なんだ。

 え? そう言う俺のステータス画面は偏りすぎててオカシイだって?


 ……いえ、知らない子ですね。


天使ちゃん育成シミュレーションゲーム始まるよ!

【こはる】

かわいさ★★★★★カンスト

ぷにぷに★★★★★カンスト

癒やし ★★★★★カンスト

武力  ★

奥義1:天使の微笑み《エンジェル・スマイル》

効果 :相手を魅了状態にさせ戦意を完全に喪失させる。

奥義2:お兄ちゃん召喚!《デス・コール》

効果 :相手は死ぬ


あれ?ある意味最強すぎて育成する必要なくない?


実は読者さんに謝罪したいことがあります。

前回、天使ちゃんのほっぺに評価ボタンと落書きし、それに釣られた、あh……善意ある読者さんがお巡りさんに捕まるという事件が発生しました。

この度は、誠に申し訳ありませんでしたッ!


なので、私こと猫又は選挙に立候補して法律を変えたいと思います!

もしも私が当選したあかつきには、「同意のもとなら合法的に幼女のほっぺをプニプニできる」という法律を実現させてみせます!


ですので、どうか私に清き一票(評価ボタン)をよろしくお願い致します!

投票は、下記にある「評価ボタン」と書かれた場所をポッチとしていただければ自動的に行われます!

一緒にプニプニな世界をつくりましょう!

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