表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/73

14話 ボッチ 強さの代償それは……

 まずは一つ目は防具から紹介しよう。

 

『悪神の呪縛黒衣』


 欲深き者の望みを叶え、それ以外を全て奪う悪神の呪いが施された黒衣のローブ。

 プレイヤーはステータスの内どれか一つを選び、そのステータスを二倍の数値にすることができる。


 武器、防具装備時の値は二倍にならない。FPや職業ボーナスによって上がった数値のみ二倍にされる。ただし、選択した以外のステータスは行動の制限が掛かったり、何らかのマイナス補正が入る。


 攻撃、魔攻についてのマイナス補正は相手に与えるダメージが大幅に下がる。


 防御、魔防のマイナス補正は悪神の呪い『致死の一撃』が発動し、自傷以外でのダメージが1でも入るとプレイヤーを即死させる。

 『致死の一撃』は所持プレイヤーに対して常時発動型スキルとして強制的に追加される。


 速さのマイナス補正は走るという行為に制限が掛かる。


 また悪神の呪いが強力なため、それ以外の呪いや状態異常に対して一切効果がなくなる。なお、この装備は呪われているため装備すると解呪かいじゅしないと外せなくなってしまう。


 装備を外すには光精霊の泉に三日三晩浸かるか教会に行って三週間祈りを捧げる必要があり、もし一度でも装備を外すとこの装備は破壊され二度と使用が不可能になる。


 ステータスを二倍っていうのはかなり強いと思う。

 後、呪いや状態異常系が効かなくなるのも嬉しいな。

 

 けど、一度装備すると外せなくなるのは痛い。

 だって、この装備見た目が……かなりやばい。

 吸い込まれそうなほどの漆黒で縁には金色の刺繍が施されているローブってところまでは普通にいいデザインだと思う。


 けど、黒衣のローブから出ている赤黒いエフェクトがまるで瘴気を放っているように見えて、たまに髑髏どくろの形になったりしているのが邪悪すぎてやばい。

 これは目立ちすぎだろ! 町中を歩くとき色んな人に奇異な目で見られそうで精神的にきついと思う。


 けれど、もし外してしまうと二度と使えなくなるのは困る。

 強くなるには代償を払うべきだろう…………これは潔く受け入れて納得するしかない。


 さっそく装備してステータスを確認してみるか。

 もちろんステータスアップは攻撃を選択する。


 職業<影法師ドッペルゲンガー>LV10

 HP:600

 MP:600

 ----------------------

 攻撃:225(110×2+5)

 防御:0(呪)致死の一撃

 魔攻:0(呪)下降補正(大)

 魔防:0(呪)致死の一撃

 速さ:0(呪)行動制限

 ----------------------

 e:『悪神の呪縛黒衣』

 (呪い、状態異常無効、攻撃倍加)

 (耐久:無限<ユニーク>)

 e:『初心者のナイフ』

 (攻撃+5)

 (耐久12%)<初期装備>

 ----------------------

 FPフリーポイント0P

 SPスキルポイント60P

-----------------------

『スキル』

【パリィ】

【カウンター<瞬空歩>】

【エクスプロージョン】

【致死の一撃(呪)】New    

-----------------------


 いいね、この攻撃力! 呪いによるマイナス補正は気になるが、火力を得るためには致し方なし!

 後でそのあたりは色々試してみよう。



 では、次は武器の紹介だ!


『呪毒の大鎌<死月>』(攻撃力+1)


 所持者の生命を吸いとり鋭さを増していく呪われた武器。

 戦闘時にこの武器を装備していると、プレイヤーはHPが1になるまで減少しつづける。

 そして吸われたHPの数値がこの武器の攻撃力に変換される。


 戦闘中に吸われたHPはHP回復系アイテム、HP回復魔法系統は一切効果がなくなってしまう。

 プレイヤーのHPが1になり4秒経過すると猛毒状態になり死に至る。

 戦闘終了時に武器の攻撃力とHPは元の数値に戻り、HPの回復行為ができるようになる。



 見た目は大鎌というだけあって、俺の身長と同じくらいの大きさだ。

 こちらも武器に赤黒いオーラみたいなものが纏わりついていて邪悪な雰囲気がする。

 この二つを装備すると見た目がさらに、やばいことになるな……。


 しかし、これで俺の攻撃力はすさまじいことに!

 悪神の呪縛黒衣を装備しているから被弾したら一撃死だろうし、俺的にはHPが1になるのは痛くない。


 一番の問題はHPが1になって4秒経過すると猛毒状態になって死ぬってところだが、今装備している悪神の呪縛黒衣の呪いによって状態異常が一切効かないから問題ないってわけだ。


 この武器と防具の組み合わせは相性がいいだろう? いや~悩んだ甲斐があったな。

 それに紙装甲、高火力とかロマンがあっていいよな!

 

 問題は一撃受けたら即死亡だから、それに対応できるように俺自身が技術を身につけていかないといけないってことだろう。

 ロマンのためなら、その程度の努力は些細な問題さ!


 さっそく新しい防具と武器の性能を確認しにいくとしよう。

 練習相手といったら、やっぱりあのお方…………師匠スライムに挨拶しにいかなくてはなるまい。





 それから俺は『はじまりの草原』をカウンター移動しながら、師匠スライムを見つけた。

 

師匠スライムお久しぶりです! 見て下さい、この格好。まるで死神みたいになってしまいましたよ。こんなのでも、いつかパーティーを組むなんてことできますかね? ハッハッハッハ…………はぁ~」


 俺は自分で言っておきながら、師匠スライムの目の前で地面に膝をつき愚痴をこぼしていた。

 もともとソロプレイだったじゃないか! もう気にするのは忘れよう。


「おっと危ない! 傷心している弟子を攻撃するとは師匠スライムは鬼畜ですね!」


 師匠スライムの攻撃を右に一歩ずれてかわす。


 じゃあ、まずは速さの確認だな。

 俺は速さの制限がどの程度のものか確認するために前に走ろうとした――――が、まったく走ることができなかった。


 なにぃ!? これが呪いの弊害へいがいか、恐ろしいな……。

 まだ、歩くという行為ができるだけでもマシというものだろう。

 歩けないと、最悪詰んでしまうからな、さすがにその辺りは影響がないというのは納得できる。


 次は『呪毒の大鎌<死月>』を装備して、ステータスを確認してみるか。

 考察していると師匠スライムの攻撃がきたので半身になって躱し、武器を切り替える。


 装備すると俺のHPがどんどん減っていき1になると、ぴたりと止まった。

 4秒経過すると猛毒になるって書いてあったけど、大丈夫だよな? 悪神さま! 信じますよ……。


 1秒……2秒……3秒……4秒! ――――よっしぁあああ生き残ったぞ!! 悪神さまありがとう!

 

 よしよし、さっそくステータスも確認しておこう。


 職業<影法師ドッペルゲンガー>LV10

 HP:001/600

 MP:530/600

 ----------------------------

 攻撃:820(110×2+600)

 防御:0(呪)致死の一撃

 魔攻:0(呪)下降補正(大)

 魔防:0(呪)致死の一撃

 速さ:0(呪)行動制限

 ----------------------------

 e:『悪神の呪縛黒衣』

 (呪い、状態異常無効、攻撃倍加)

 (耐久:無限<ユニーク>)

 e:『呪毒の大鎌<死月>』

 (攻撃+1→+600)

 (耐久100%)<ユニーク>

 ---------------------------

 FPフリーポイント0P

 SPスキルポイント60P

-----------------------------

『スキル』

【パリィ】

【カウンター<瞬空歩>】

【エクスプロージョン】

【致死の一撃(呪)】New

-----------------------------


 見よこの攻撃力を! ロマンはこれだからやめられない。

 今の俺の表情はやばいかもしれない……嬉しさのあまり口端が吊り上がりすぎて、元に戻らない。

 まあいい、誰も見ていないし関係ないだろう。



 やりたくないけど一応、防御と魔防のマイナス補正……悪神の呪いによる『致死の一撃』が発動するのを確認しないといけないよな?


「さあ、師匠スライム、やっちゃってください! その自慢のプルプルボディーで攻撃をお願いします!」

 

 俺は両手を広げると無防備にその体をさらす。

 師匠スライムは力を溜めるとゴムのように体を弾き俺に突撃した。


 ほんの僅かな瞬間だけ師匠スライムのプルプル感触を楽しみ――――突如、髑髏の形をした瘴気が俺に襲い掛かってくると、あっという間にまれた。


 気づけば、ゲートに運ばれ死に戻りしていた。


 怖! まじでこの装備呪われているな……呪い発動時の演出迫力ありすぎだろ!

 もう、これから先は一撃死の覚悟を常に持ちながら戦わないといけないな。ほんの少しの甘さが消えただけだ、これからの俺はさらに成長できるさ。


 しかし、これで俺の雌伏しふくの時は終わった!

 さあ、早速『はじまりの草原』のボスモンスターを倒して次の拠点に向かうとしよう。


 ――待っていろよボス! この攻撃力を貴様の体で試させてもらうからな!!  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一日一回、ポチッとしてくれると嬉しいな
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ